BTSのニューアルバム、「MAP OF SOUL : PERSONA」のComeback Trailerが公開された。

BTSはとてもすばらしいグループだ。

多様性を受け入れることにシフトしつつある世界で、多種多様な人々をつなぐ新時代のニューヒーローだ。彼らを好きでいたら、それだけで、私たちは明るい世界へと導かれていくのだろう。
ありのままの自分を認め、愛し、世界を愛するということが何なのか教えてくれる。とてもとてもすばらしいグループだ。
初めはそういった独特のコンセプトがおもしろかったし、今でも新しい意味を発見すると心がときめく。だけどその一方で、このコンセプトに縛られた7人の男の子たちのことを思うと、こんなコンセプトなんて早く終わってしまえばいいと思う。
音楽だけに留まらない、この壮大な物語は、彼ら自身が望み、好きでやっていることなのかもしれないけれど、アジアの中にある小さな国の代表に持ち上げられ、時代を切り拓いて行くとき、彼らが失ったものの重さを思うと、私の心の中は、ときめきよりもまずクエスチョンでいっぱいになる。
「Persona」の歌詞やMVは、ある種、そういったことへの皮肉が込められているように見えた。ぶかぶかのサイズの合わない制服を着てプレジデントと比喩されたり担がれることを茶化しているようなシーンや、“犬か豚か何かも分からないのに　誰かが来て真珠の首飾りをつける”といった歌詞は誰に向けられているのだろう？
今日ナムくんのUPしたツイートには、「Hey KING!」というリプライがたくさんついていたけれど、KINGというあだ名はいつからついたのだろうか？
それを見て彼は、微笑ましく眺めるのだろうか？

初めてのボンボヤージュでパン・シヒョクPDからの手紙に書かれていた“いつか自分達だけで音楽を作る時” が早くくればいいのにと願う。そう遠くない未来の話だと、また別のところでパンPDは話していたけれど、私は7人だけの、崇高で尊い謎のストーリーに縛られていない等身大の音楽が聴きたい。そう思っていたけれど……

Comeback Trailer“Persona”の映像の中で、こんな文字が目についた。

PERSONA
SHADOW
EGO

今度のアルバムシリーズは3部作になるということなのだろうか？
「PERSONA」のMVは、「SKOOL LUV AFFAIR」のComeback Trailerと同じ映像で始まり、そのアルバムのIntroのトラックがサンプリングされていた。

時々私の勘はこわいくらいに冴えていて、ピンときたら一気に色んな考えが流れ込んでくる。花様年華のストーリーの日付のこと、「SKOOL LUV AFFAIR」に戻る意味、年末の歌謡祭のこと。
年末の歌謡祭はデビューして、これまで歩いてきた彼らのストーリーのまとめのようなものだった。だけどこれはまとめや振り返りではなく、カムバのヒントだったとしたら…「SKOOL LUV AFFAIR」に戻る意味が、これまでのコンセプトをもう一度辿っていくということなら、折り返し地点を過ぎてしまったみたいで、そんなのはとてもとても困るのだ。

「SKOOL LUV AFFAIR」は学校３部作の最後を飾るアルバムだった。
そして初めてのフルアルバムを挟み、花様年華シリーズやWINGS、LYSシリーズへと歩んできた。

今朝とくに何も考えず、Trailerに登場した黒板の文字を見て、隣り合う３つのワードたちが対になっているのではないか？というツイートをした。

PERSONA , SHADOW , EGO
DREAM , LOVE , HAPPINESS

“夢があるから仮面をつける。愛があるから陰をおとす。幸福を求めるからエゴが生まれる。” そんな隠された裏テーマみたいなものになるのかな？と軽く思っていたけど、考えてみれば、それぞれのコンセプトと合わさったとき、その言葉たちはあまりにもぴったりすぎる。

PERSONA : 学校３部作（DREAM）
SHADOW : 花様年華（LOVE）
EGO : WINGS or LYS（HAPPINESS）

時間を遡って、散りばめられた伏線の回収を始めてしまったら…「MAP OF SOUL」が完成した時、その時、これまでのストーリーが終わってしまうような気がする。
私より頭の良いあーみーは星の数ほどいて、その人たちの予想ですら当たったところを私はほとんど見たことがないから、こんな予感は外れてしまえばいいし、いつも期待以上の驚きをくれる彼らだから、何かが終わった時、それはまた新しいときめきの始まりなのかもしれない。
だけど、さっさと終わってしまえと思っていたコンセプトが、本当に終わってしまうのかもしれないと思ったら、とてもとても悲しいのだ。

永遠なんてない。
ずっといてくれると思っていた誰かの大切なアイドルたちがいなくなってしまったことを私は知っている。底抜けに明るくてたくましかった人が、突然別人のように仕立て上げられる世界を私は知ってしまったけど、
心の支えだったアイドルたちが突然いなくなった衝撃を私は知らない。
だからいつか来るその時を思うと、とてもとてもさみしくて悲しい。
いっそその日の前に飽きて嫌いになりたい。今はまだ、いてくれなきゃ困るのだ。

世界中のファンの光になり、幸せをたくさんくれた男の子たちの、それぞれの幸せを想う。これから魂の地図の先に本当の幸せを探しにいくのだろうか。
その新しい答えが出る時、私は何か変わることが出来ているのだろうか？
猛スピードで駆け抜けていく彼らに置いてけぼりにされてしまうような寂しさを感じるのは、春先の空気のせいだろうか。

チルチルとミチルの幸せの青い鳥は家の中にいて、ドロシーは虹の向こうの夢の世界で、住み慣れた何もない故郷の幸福を見つけた。
そんなおとぎ話の教訓のように、いつまでも変わらないで、私たちと過ごす時間の中に幸福を見つけてくれるんだろうか。
急に現実的な話をするけれど、Bighitとの契約はまだまだ更新されたばかりだ。コンセプトが終わっても、すべてが終わるわけではない。
“ビヨンドザシーン”ではなくなるのかもしれないけど、また形を変えても、BTSは存在し続けてくれるはずだ。
そして出来ることなら、いつか新しく形を変えた時、「僕たちの究極の目標は、アルバムの全曲を僕たち自身でプロデュースすること」だと話していたみたいに、7人の作った音楽とダンスで、GCF印のMVで、photo by vanteのアルバムアートワークで、ありのままの彼らの話を聴かせてほしい。
永遠ではない時間の中で、出来るだけ長く、いっしょに遊んでいたいから。