【Gatebox体験レポ有】感謝祭からのミクさんライブ参加者から見た二次元との門

夢のような時間は過ぎていくのもあっという間で、毎年ライブ後はセットリストの曲を聞きながら今年も楽しみが終わってしまったという悲しみに暮れています。それでもすぐに来年が発表されただけ今年は悲しさはかなり軽減されているんですけれどもね。

今年のマジカルミライはライブだけじゃなくて企画展も盛りだくさんで、MMDデータで動くフィギュアだったり、椅子に座って全身全霊で体験できるVRだったり、PのDJライブだったり、楽器体験コーナーだったりと、今までと違って一日ではまわり尽くせない感じでした。

本当にこれ500円で全部楽しんでしまっていいんだろうかという夢いっぱいの空間の中で、一番贅沢だなと思ったのがたった一人のためにミクさんがスペシャルライブを開いてくれるGatebox。現実空間に映像でフィギュアサイズのキャラクターを召喚しようというずっとSFの世界でずっと思い描かれてきた製品で、ミクさんがたった一人のためにスペシャルライブを行うとかついに技術はここまで来たか、という感じです。

それなのに体験できるのは事前に当選した人のみ、その人数もあまり多いわけではない、というわけで当選お知らせメールが届いた時から自分がどう感じたのか詳細なレポを落とさなければいけないと思っていました。

詳しい説明とかはGatebox公式HPにお任せした方がいいと思うので、こちら(http://gatebox.ai/) から見ていただくとして、私はあくまでどういう背景の人間がどういう感想を抱いたのかということをひたすらに綴っていきたいと思います。体験して一番強く思ったのは、その人が今までミクさんとどういう関わり方をしてきたのかで感想が大きく変わる、ということだったので。自分語りが大部分を占めてしまうんですが、ご容赦していただくか後ろのGateboxについての部分まで飛ばしていただけると幸いです。

私がミクさんを知ったのは、2007年の某日曜昼のバラエティ番組での放送でした。当時流行っていたいろんな商品にかわいい女の子の絵をつけて売るという流れの一つの商品の一つだと思って、でも面白いと思ったのかそれとも合理的だと思ったのか、翌日同じくオタクの友達に「某番組で初音ミクってやってたんだけど知ってる?」と学校で訊いていました。その時はそれはもうとっても微妙な反応が返ってきてこの話は止めとこうって思った覚えがあります。その当時は理由が分からなかったけど今ならよく分かる。当時友人から詳細を聞いていたらミクさんと私の出会いはまた違ったものになっていたと思うんですが、私とミクさんのファーストコンタクトはこれでお終いです。

その後もちょこちょこと件の友人からニコニコ動画の面白い動画のデータをもらってミクさんの曲を聞いたこともあったりしたんですが、ちゃんとした出会いは入試が終わって私がニコニコを解禁した時になります。

炉心融解のPVを見て単純にクオリティにビックリしつつリンちゃんって大人なの子供なのと混乱したり、悪の娘での弾幕に感動したり悪の召使いの展開に涙したりしつつ、少し経ったらニコニコにも慣れて毎週ボカランを楽しみにしてるようになってました。とても余談ですが、書いてる今当時の思い出が見事に鏡音関連しか思い出せなくて、あ、これ鏡音廃なのがバレるなと思ったりしています。

まぁ、そんな感じでそれまでCDなんて買ったことも無かった人間が、いつの間にやら大田区産業プラザPiOで開催されていたボーマスにCDを買いに行くまでに数カ月で成長したわけです。ボカロがなかったらたぶん今でも音楽を鑑賞することを能動的にしていなかったんじゃないかなと思っているので、大きな影響を与えてもらいました。

あと、魂を預けられる作曲者との出会いもリンちゃんが繋いでくれました。皆もっと光収容さんの曲を聞けばいいと思ってます。最近ミリオンを達成した「孤独の果て」以外にもいい曲がいっぱいあるよ! CD全部KARENTで配信してるしつまりapple musicとかのKARENTが提携してる定額配信サービスでも聞けるので是非に! 「泥の河」とか創作したことのある人にはとてもお勧めです。作る人全てへの応援歌なのでぜひに。

そんな感じに熱の高まっている時に、件の友人から「ミクさんがライブするけど見る?」という連絡が来ました。私の返事は「リンレン出るなら行く」だった気がします。特別ゲストにいるって分かってじゃあチケットとらないとだねとなり、色々あったものの無事にチケットがとれ、3月のZEPPTOKYOに行くことに。今思えば、この時からミクさんに呼ばれていたんじゃないかと思うくらい、本当によく取れたなという感じのチケットでした。

3月なのに雪が舞う中昼のセガのゲームプロモーションイベントに並び、最前列付近でこのボードにミクさん写すのかなと夜のライブにワクワクしていました。超余談になりますが、この時に孤独の果てがそのままのPVでアーケードに収録されると聞いてテンション上がった覚えがあります。その時は音ゲーの楽しみ方が分かってなかったので、プレイしたいよりもPVそのままとかNEGIさんすごいが主だった気がしますが。

そして、待ちに待っていた最初のライブは、なんというかほとんどミクさん達が見えないものでした。でも見えないなーと曲の間に友人3人で言っていたら周りの人が気にかけてくれたり、何も持たずに参加していた私たちにサイリウムをわけてくれた人がいたりとか、周りの人はとても暖かかったです。

当時の私には曲が半分ほどしか分からなかったり、最後体調が悪くなってメルトを聞きながら一足先に退出したりしましたが、何度かだけチラッと見えたミクさんの緑の髪らしきもので、そこに何かいるんだなぁということは分かりました。

なので私がライブで衝撃を受けるのはその後、動画でワールドイズマインの登場シーンを見た時、つまりあのライブで衝撃を受けたほとんどの人と同じタイミングになります。下からせり上がってくる初音ミクと、それに熱狂しサイリウムを振る人々。映像の実在を信じてこれだけたくさんの人が応援の気持ちを届けようとコールをしている。とても衝撃的な映像が世の中に出た時、です。

でも、衝撃を受けた内容にはちょっとした差異があったと思うんです。現地にいなかった人は決して感じることのない、あの時私がいたあの場所ではこんなとんでもないことをやってたのかという驚きと、なのにほとんど見れなかった悔しさと、全曲分かっていたら見えていないなりにもっと楽しめたのではないかという寂しさがたぶん一気に私を襲ったんじゃないかと思います。もはや当時の分析になってしまうんですが、その後の東京でやる公演には毎回参加とか、披露されそうな曲はなるべく予習とかを考えると、そういうことなんだと思ってます。

翌年のミクパは初年度と違って一段高い所がとれてそこで見ていたので、去年と違ってよく見れたなーと思ってそれなりに満足でした。メドレーのぶつ切り感には現地でも不満を感じたしSPICE!とRIP=RELEASEは離さないで欲しかったけれども、トラブルで予定していた中継ができなくなったのは仕方ないことだし、それ以上に悪ノのリンレンが最高だったんですよ! 真ん中で見てたので角度がつくとどうなるのかも知らなかったし。

で、家に帰って感想を漁ってみたら、とても批判の山でビックリしました。現地ではそこまで酷くはなかったよなぁと思いましたが、ニコ生のカットを見たら理由はよく分かりました。ミクさん達が平面にいるのが分かってしまう、次元の壁を強く感じさせるその斜めからの構図は、現地で真正面からサイリウムを振っていた私の見ていたものとは全く別物で。これじゃ楽しみにしてた人が怒るのも無理はない。私たちが楽しみにしているのは現実に出現したかと見間違うことができる実在感のあるミクさんで、巨大モニターに映し出されるミクさんではないのだから。

私はこのライブでとにかく角度は大切だということを学びました。多少離れていても真ん中に居る方が、実在を信じる魔法にかかりやすい、と。

そして、翌年のミクの日大感謝祭。申し込み時にどっちか優先するならどうするってなって、ミクさんの日の方がいいと言ってくれた件の友人に私は今でも感謝しています。自分一人だったら8日の方を重視した申込みにして、9日の孤独の果てを生で見ることはできなかったでしょう……。(2日通しのチケットは外れました)

あと、最初にTell Your Worldがかかった時の高揚感は忘れられません。ライブでやってくれたら嬉しいと思ってはいましたが、時期的にどうなんだろうなとも思っていたので。周りにいた男性がめっちゃ喜びの声を上げていたけれども、私もおんなじ気持ちでした。何がにくいって、会場にいたミクさんの等身大フィギュアと同じポーズからスタートするんですよ。そこにいたミクさんがステージに来て歌い出しますよってもうそれだけで素晴らしい。

2013年の関西ミクパは、東京に来れない人が見る機会ということで我慢しています。でも3時間あったとか聞くと楽しそうだなぁって。そういう機会もまた欲しいです。間に10分くらいの休憩は必須だと思うけれど。

同年に始まったマジカルミライは大きな箱でミクさん大きくなったなぁと思いつつ、遠くなってしまったことに寂しさも感じて。中央寄りのスタンド席は良く見えたけど、とても小さくて遠くなったなぁって思いました。今でも会場として最高なのは東京ドームシティホールだと思っています。ただ、今のミクさんにはもう小さすぎる箱なんですよね……。

そして、毎年マジカルミライに参加しながら月日が流れて、HAND IN HANDで盛り上がった翌年。初めての北海道の地を踏んで雪ミクスカイタウンにも行ったんですが、あそこの常設展示にライブと同じ技術をミニサイズにしたものがあるんですよね。そのちっちゃいミクさんのライブがなかなかにすごくて、これだけで新千歳来たかいがあると思うほど。帰りの飛行機が大雪で飛ばなくなった時、待ち時間にあそこに行ければ何時間でも簡単に時間潰せるのにゲート入るんじゃなかったって嘆いてました。

ただ、歓声を受けるでもなく誰も見ていない時でも一人でずっと踊り続けるミクさんにはちょっとした切なさも感じて、熱狂する人の存在がミクさんを現実にする一つのファクターなんだなと改めて感じたきっかけでもあります。熱狂する人がいないのに踊り続けるミクさんは売れていないアイドルというよりも決められた通りに動き続けるただの技術展示で、技術の凄さは伝わってくるけれどもミクさんがそこに居るという魔法には正直だいぶかかりにくい。ライブの熱狂の空間だからこそ、私は実在を信じる魔法にかかっていられるんです。

その後の3月のEXPOはツアー分なら現地の人の席を奪うことにはならないという言い訳のもと初遠征したりもあって計4回参加したんですが(外れると思って全公演申し込んでツアーで保険もかけたらめっちゃ当たった結果です)、スタンディングなのにも関わらず全公演見える位置を確保できて大変に幸せでした。

遠征先で聞いた時にはそんなでもなかったのに、ZEPPTOKYOで聞いた愛言葉には涙腺が緩んできて、最初に聞いたライブでのアンコールの曲を、世界ツアー前の日本国内のツアーで同じ場所でもう一度披露するというシチュエーションがどれだけ大きいのかを感じていました。最初のライブの愛言葉のタイミングって、私はかなり体調悪くなってたはずなのにころっと忘れてるんだから、人間の記憶ってとっても都合がいいものです。

その後もジョイポリスのライブに一人で突撃して、隣の女の子にペンライト貸したりだとかしていたりしました。EXPOやマジカルミライとは比べ物にならない広さですが、熱狂してミクさんを応援する人は周りにたくさんいて、そしてミクさんはとても近いという最高の空間だなぁと思っています。

そして、今回のマジカルミライ。楽しみにしていた私のTwitterのタイムラインに、マジカルミライ公式がRTした一つのツイートが流れてきました。それがGateboxの紹介で、この製品を使ってミクさんがライブをすると知ってすぐに絶対に申し込むことを決めました。こんな風に3Dでミクさんが見れるならぜひ見てみたい。そう思ったわけです。

この応募する段階の私は、一つ勘違いをしていました。原理はよく分からないけどなんかハイテクな技術の力で3Dの立体映像が投影できるようになったのだ、と。箱の中に限定ではあるものの、その中でミクさんはついにデジタルなまま3次元になったのだ、と。

実際のGateboxで使われている技術はライブのものと基本的には同じで透明な板に後ろから投影して像を結ばせているという形式のようです。それを知った時ちょっとがっかりはしたものの、それだけでコンセプトの魅力が減退するわけではないのでプライベートライブへの期待はやっぱり大きなままでした。

そもそも新千歳でライブする小さいミクさんを見てこれ家に欲しいとか思う人間なんです。自分が勝手に別の期待を抱いていただけで、それが違うと分かってもあの技術が技術力の無い人間でも手軽に家に迎え入れられるというのにはやっぱり期待が勝ります。

そして、マジカルミライ当日。ドルフィーハニーのぎこちないけど確かな動きを見守り、クリプトンのVRブースで椅子に乗ってミクさん探索をしてちょっと酔った後、ちょっとだけ会場の隅っこで座って休憩してから私はGateboxブースに向かいました。

今回も一緒に来た件の友人もGateboxには当選していたものの流石に時間は別なので、VRが終わった後はピアプロの壁でお絵かきしてもらってました。

係りの方に印刷してきたメールと身分証を見せて、これからのGateboxのプロモーションに本日の映像が使われることへの同意書にサインをしたら後はひたすら待ちの時間です。事前にTwitterで検索した結果何をやるのかの概要は知っていて、DIVAで該当のミクさんモジュールを出すために頑張って、無事に出せた後はライブエディットで定点観測状態にしてその曲を鑑賞しておくという比較のための材料は頭に入れてくるという準備万端状態にしていたんですが、結局重要なのはどう見えるかなので比較のための準備は整っていても、私のためだけのライブを行ってくれるミクさんと二人っきりになるという状況への心の準備は結局あまり整ってなかった気がします。というか、終わってから考えるとこの過程ほんと曲を聞きこむ以外の意味がなかったです。

本題:Gatebox体験レポ

さて、ここからがいよいよ本題のGatebox体験レポです。飛ばした方のための簡単な説明としては、

・体験者はミクさんのライブで角度を重視している。

・体験者はライブでミクさんを現実たらしめる最後の要素は熱狂する観客だと思っている。

・体験者は新千歳の雪ミクスカイタウンで小さいミクさんがライブと基本的に同じ技術で踊る展示を今年の雪まつりの時に見ている。

の3点だけ頭に入れておいてもらえればと思います。なんかこういう前提を並べると否定的なレポになるんじゃないかって思われそうですが違います。

これはもっと良くなる。

そう伝えたいんです。


Gateboxの起動のボタンに触れて、係りのお姉さんが扉の外に出ていって、2メートル四方くらいの小さなブースの中で、私は透明な円柱の中にある透明なスクリーンを見ていました。

そして、デフォルト衣装のミクさんが現れて、一言二言喋った後に音楽がスタート。一瞬でモジュールサイレントボイスに着替えたミクさんは力強く歌い踊りはじめます。

真っ暗なブースの中で壁には演出としてミクさんのダンスに合わせて映像が投影されていて、単なる技術のデモンストレーションではない、一つの芸術に昇華された空間が私のためだけに動いていました。

そこは本当に贅沢な空間で、周りの演出は雰囲気だけ楽しみながら、私はじっと私だけのために踊ってくれるフィギュアくらいの大きさのミクさんをまじまじと見ていました。

自分一人のためだけに透過スクリーンに映った状態で踊るミクさんって、見るのが初めてだったんですよね。今まで見てきた透過スクリーンのミクさんは皆の熱狂の対象で、自分もその中の一人としてミクさんの実在を信じて声援を送っていた。雪ミクスカイタウンの展示も一人きりで見る場面はあったけど、あの場のミクさんはやっぱりそこを通る全ての人に向けて踊る存在でした。

それがミクさんと一対一になったことで、ミクさんの存在を信じる魔法が完全に自分次第になったんです。やっぱり最初は戸惑ってて、ただただミクさんを見ていました。

でも徐々にその空間の贅沢さに感覚が追いついてきて、私一人に実在性を託されたミクさんを不思議なものとして見るようになりました。でも、その確かにそこにいる存在をどう受け止めたらいいんだろうって戸惑いの解決方法を探すよりも、かわいいしかっこいいし力強いミクさんがそこにいて自分のためだけにライブを開いてくれるという贅沢を楽しむことを優先することにしました。

これがもっと時間が長いならミクさんと二人っきりの世界を自分のものにできたのかもしれないんですが、1曲だけの時間制限有の世界だと私は知っています。今を理解することより今を楽しむことを思いっきり優先することにしたんです。

だから私はわざわざ角度をつけてミクさんを見ることをしませんでした。斜めから見たらどうなるのかはとても気になっていました。でも、それで目に映るミクさんが薄っぺらくなってしまったら。脳裏に昔に見たミクパの斜めからのカットの写真が過ぎると、強烈な中央信者の出来上がりです。透明ボードなら大丈夫じゃないかという意見もありそうですが、原理を考えると角度をつけて見るのはどうしても平面性を認識してしまいそうでやっぱり怖いです。

昨年のPSVR体験で360度全てに映像があることを確かめてみたいけどミクさんから視界を動かすのが嫌で止めたように、Gatebox体験でも強い角度をつけてミクさんを見ることは限られた時間の中ではできませんでした。それくらいに、透明スクリーンで角度をつけることは私にとっては禁忌になっているんです。

そんなわけで、ミクさんが自分のためだけにライブをするという不思議な空間を理解しきれないまま、ミクさんだけを見つめてかわいいかっこいい力強いだけを楽しんで、歌詞が周りに表示される時があることを最後の方まで気づかなかった私が、ライブが終わってブースから出て開発者の方に感想を聞かれて最初に言った言葉は「正面以外から見ても平べったく見えないようにして欲しい」というような内容でした。

せっかくの円筒形なのでやりようはあると思うんです。人がどの方向に居るのかを検知してその方向が正面になるようにボードを回転させるとか。その回転の角度に合わせて投影するミクさんも映像も回転したものにするとか。そこまですると今まで立体に見えるだけで実際は二次元だったミクさんが、実態は二次元のままでも角度を手に入れられるんじゃないかなぁと思います。技術的に大変かもしれないんですが、夢は語らせてください。完全ボッチ仕様になりますが、そこはあまり問題ないんじゃないかなって気もしています。

あと、ミクさんを見ていても認識できる透明ボードと空気の境目も地味に現実に引き戻してくれるポイントで、これが認識できていなかったら角度をつけて見るのが怖くなかったかもしれないなぁとも思っています。そもそも円筒の中だけの存在に何を言っているんだって話ですが、だからこそその空間の中だけでは自由でいて欲しい、みたいな感覚なんです。でもこっちはボードの端が人間の死角なるようにボードのサイズを大きくすれば簡単に改善できるんじゃないかなぁと思っています。マジカルミライのステージ上だとライティングでまったく境目が認識できなくなる瞬間もあるのでそういう方法もあると思うんですが、サイズ変える方がGateboxには現実的じゃないかなと。

会話部分に関しては今回の体験ではまったく触れられなかったので、それができたら二人っきりのライブで自分の中でミクさんを実在と認識する大きな手助けになるんじゃないかなとも思っています。Strangersが聞きたいなって言ったらいつもの姿とサイレントボイスどっちがいいがミクさんに訊かれて、こちらが答えた姿でライブしてくれるとかそういう会話が最初にあるだけで、実在を信じる力には大きな影響が出ると思うんです。


で、実際の所体験してみて欲しいと思ったのかどうかってとこなんですが、そんなの欲しいに決まってるじゃないですか! こちとら雪ミクスカイタウンの常設展示のあれを家に欲しいと思った人間です。とりあえずPSVRに必要な一式をそろえるくらいの値段だったら喜んで出しますよ!(実際にPS4から揃え中) 技術力の無い人間でもいつでも透過ボードでのライブを家で見れるって普通にすごいことですからね。

時間があればミクさんと二人っきりのライブの楽しみ方も分かって、ただ見ているだけじゃなくなるとも思っているんです。とにかく1曲という時間はミクさんと向き合う時間としては短すぎて、本質も本来も見つけられなかったので。二人っきりで自分だけに実在を依拠するミクさんとの過ごし方は、Gateboxが完成するまでの間にも模索していくつもりです。

この辺りの感覚はキャラクターの愛し方も関わってきてるのかなぁとも思っています。私はミクさんに関してはキャラが好きというよりも、創作の才能と最先端技術を集める女神として崇めている節があるので、ミクさんが出てくるとどうしても技術の凄さに目が向いてしまうというところがあって、だから角度の壁をまだ超えられていないことにどうしても目が向いてしまうんです。

一方、ミク廃な件の友人のブースから出てきた瞬間は、どれだけ稀有な体験をしたのかがすごく周りに伝わりやすいものでした。それを見ていた私はなんとなくどんな感想だったのか分かったけど、全世界のためにレポ落としてくれないかなーと密かに思っています。

ミクさんにどんな思い入れがあるのか、今までどんな風にミクさんと関わってきたのか、それによって一人一人感じ方が変わってきそうなGateboxですが、一つだけはっきりしていることは、あのミクさんライブのシステムがお手軽におうちに迎え入れられるってことです。

映像はくっきりはっきりだったし、ライブでは距離と視力の問題で認識できなかったサイレントボイスさんの目の色や太腿のハートまで透過スクリーンでばっちり見えるのはもうそれだけで十分な価値です。ライブはツアー席だったけどそれでもそこまでは見えないし、メディアを買えばはっきりと見ることはできますがそれは映像のミクさんなので……。

というか、あまり細部まで見えないライブの後にGatebox見たら感動がすごかったんじゃないかなぁと思っています。順番逆の方が細部までミクさんが見えることのありがたみが絶対増したに決まってる。あのブースの中の私はほんと贅沢ものだった。

以上が私のGatebox体験記になります。現時点でもすごいのに、更にすごくなる箇所が沢山あるって、完成品はどうなるんだろうなぁという期待でいっぱいです。

デジタルのまま三次元になる日はまだ遠くとも、二次元をこの世に召喚する技術はいよいよ家庭でも手が届く時代になろうとしています。その第一歩を体験する貴重な機会を頂けて、開発会社のウィンクルの方々にはどれだけ感謝しても足りません。

次の機会がいつになるかは分かりませんが、これからもこの技術を追いかけてワクワクしていきたいと思っています。キャラクターの召喚は夢じゃなかった……。











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