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樹木希林さんに想う、人を愛するということについて。




美しさは感染する。


誰か特定の人を愛しているとき

その呼吸をしている生き物がただこの世にいるだけで

存分に受け取っているものがあるということなのだと思う。



もしその受け取っているものに

疑問や違和感を感じるなら

潔く違うものを受け取りにいくか

あるいは

自分がすでに受け取っているものを

生き方に活かしきれていないのだ。



すでに受け取っているものを

ありのままに観ることは難しい。



手に握りしめ過ぎた石はどんどん輝きを失っていくからだ。



握りしめすぎたから輝きが澱んで見えるなら

離せばいいと思う。



離せばその瞬間、

その石は生命力を取り戻し蝶に変わり飛んでいき社会に美しさを拡散する。



もちろんこの時、蝶になり拡散していくのは愛した他者というより

自分自身であると自覚しておくのは大切だ。


そうじゃないとこの人生を美しく構築する表現者や監督という立ち位置を

他者に委ねることになってしまうからだ。




熱狂的に人を愛した時の悩みというのは

この部分が大半を占めるからこそ、

私たちは強制的コントロール力を持つ

子宮を蹴り破り生まれてきた

ただ唯一無二の自分に回帰する必要がある。





私たちが誰かを美しいと思ったその瞬間にその他者の役割はほぼほぼ完結していて

後はそこからどんなものを受け取るのか、そしてどんなカタチで分かちあっていきたいのかに正解はない。



正解か不正解かではなく

美しいと感じるか感じないか。


またその美しさを生きていきたいかどうかだけだと思う。



今日の美しさは

壮大な何億年という年月が畳みこまれた創造物であり表現物。



とても暗い雨にも人の死にもまた

あからさまに惹かれる圧倒的な他者の生命力にも

純粋な自分を思い出すための美しさを

脳ではなくこの目という感覚器から

受け取りたい。


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