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ゴッホとゴーギャンはいいぞ!

ゴッホとゴーギャン、いいよね!!(突然)
いいよねポイントはいくつかあるんですが、個人的いいよねポイントは関係性を一言じゃ表せないところなんですよね……例えば、マネドガならケンカ友達、モネルノなら親友だったり……大体の関係性っていうのは一言で表せるんですよ
でも!ゴホゴギャは!一言じゃ!表せない!!!!!
友人同士というにはあまりにもゴギャがゴホに対して無関心すぎるし、師弟というにも違う気がするし、赤の他人にしてはクソデカ感情抱きすぎだし、恋人なんてもはや論外だし……キャラが濃い×キャラが濃いなので関係性がこんがらがっていろんなものを煮詰めた闇鍋状態と化しているんですよね
そう、そこがいいんですよ!!!!!一言じゃ言い表せない関係、めちゃくちゃ良くないですか?!オタクは全員ゴホゴギャ好きだと思ってます
ということで今回は布教メインで書き連ねます対戦よろしくお願いします


ゴッホもゴーギャンもキャラが濃い


いや画家といえば全員キャラ濃いんですが、初見のゴホゴギャのインパクトが強すぎたんですよね 
まずはゴホ、耳切って自殺するとかいうとんでもなくぶっ飛んだ人生、まずそこにビビる そこだけじゃなくて性格もなんですけど↓
その一 自己犠牲心旺盛
その二 メンヘラ(自傷しがち)
その三 優しいくせに短気(矛盾)
その四 ストーカー気質
うおおおおお!!!!!こんな人が実在してたまるか!!!!!私は帰らせてもらう!!!!!(どこに?)
ともかくゴホはやばい、性格に難ありすぎて絶対に友達になりたくない画家ランキング1位に君臨してます 最推しなのに……
後世に残るエピソードもどれもぶっ飛んでます 例えば未亡人のケーにしつこく求婚を迫ってケーの家にまで押しかけた挙句ロウソクの炎に手をかざして「この手を炎に入れているだけでいいからケーに会わせて!」と発言……(結局結婚はできなかった)
ゴホのメンヘラ度がとてもよくわかるエピソードですね!なんだこいつ怖い
そんなんなのでゴホの周囲には人がこれでもかというほど居ないです いや、いるにはいます!家族とか弟のテオとか数人の画家とか……でも8割くらいゴホが要因でケンカして絶交してます
そんな、自分のせいだとは分かっていつつも、「仲間」が欲しかった孤独なゴホの前に現れたのが5歳年上の先輩ゴギャだったのです!!!!!!!!!!
ゴギャは一見まともに見えて実はぶっ飛んでいるタイプです そこもゴホとは正反対なのかもしれない……
最初から挫折しまくりなゴホとは対照的にゴギャの人生のスタートは順風満帆!安定した職、しっかり者の妻、たくさんの子供たち……でもゴギャは家庭と職を捨てて絵を選びました(の割にはめちゃくちゃ妻のメットに金をせびる手紙とか復縁迫る手紙とか送っている)
いやなんかもうこの時点でわかると思うんですけどゴギャってドが付くほどのクズなんですよ
妻に復縁迫っている割には愛人めちゃくちゃ作ってるし、仕事の同僚兼画家仲間をこき下ろしまくり、ありとあらゆる人に金をせびり……ゴギャのクズエピソードは数えても数えきれないと思います
あとゴギャはとにかく自信家で自分は偉大な画家(ほぼ売れてない)だと思ってます ゴーギャンのゴーは傲慢のゴーですね(違う)
ゴギャから見れば大体の奴は格下です!!!自分の芸術を理解しない奴は格下!自分より画力が劣っている奴は格下!年下の奴は格下!売れてない奴は格下!!!いやお前の周り格下しかいないんか〜〜〜い!!!!!
さっき同僚の画家をこき下ろしまくってたのはその性格のせいです
そう、そして例に漏れることなくその「格下」に位置するのが売れてない年下、ゴホだったんですよね!!!!!

お互いの温度差がエグい


二人の出会いはゴホが主催した展覧会!(ちなみにロートレックやベルナールもいたとか)
そこでゴギャはゴホの描いたひまわりを発見しこう発言しています『俺はモネのひまわりを見たことがあるが、君のひまわりの方が好きだ』ってね!!!!!(起爆)
もちろんゴホもゴギャの絵が大好きです!!!よし、これで相思相愛だね!……ってなるわけがないのがこの二人
あくまでもゴギャはゴホの「絵」がすごくいいと思ってただけです ゴホ本人に対しては前述の通り、「格下」という認識です!こいつは酷いぜ!!!!!
でもゴホはゴギャの絵もゴギャ本人も尊敬&賞賛しまくってました ゴギャの才能を心から讃えてとにかくゴギャを担ぎ上げるゴホ、もうこの時から崇拝してるレベルで好きだったのかもしれない
そう、この感情の温度差が良いんですよ!!!!!
ゴホ本人からに対してなんとも思ってない冷めまくりのゴギャ、ゴギャを素晴らしい先輩として尊敬しまくるゴホ……何故こうも一方通行の片思い状態になってしまったのか……
それは共同生活してた時もそうなんですけどゴホのことを自分の踏み台としか見ていないゴギャと、ゴギャと「仲間」として対等に接してみたいゴホ……うーん温度差が余計激しくなっている気がする
ゴギャにとって格下のゴホ、ゴホにとって格上のゴギャ、これがひっくり返る瞬間があるんですがそれはまた後述しますハァト

正反対な部分が多い


お待たせしました!オタクが大好きな対比のコーナーです!!!!!ゴホゴギャはとにかくありとあらゆる点で正反対、それがまたお互いのキャラを引き立たせてますよね〜〜
まずそもそも出身も育ちも違いますゴホは生まれも育ちもオランダ、ゴギャはフランス生まれ南米育ちというゴギャはかなり特殊な育ち方をしてます
あと成功経験は前述しましたがゴホにはないけどゴギャにはあります 恋愛に関してもゴホは恋人0人なのに対して、ゴギャは妻も愛人もいるというモテっぷり(ゴホ曰く娼館で大モテだったらしい)生活力もゴホは一切ないのにゴギャはすごくあります(料理上手)
まとめてて思ったんですけど大体ゴギャにはあってゴホにはないものばっかですねつらい
それはともかくとして、彼らが2ヶ月で共同生活を終えるきっかけとなってしまったのが二人の性格と絵に対する考え方です
ゴホの性格はとにかく他人に尽くすタイプなので優しい……わけでもなくとにかく短気で気難しくて、何よりも自分と意見が違うと自分の意見を否定された気持ちになってめちゃくちゃ怒り出すんですよ 怒らなければ優しいんですけど口を開けば敵を作るので、うーんよくない
その性格がゴギャと相性最悪だったんですよね……
ゴギャは本当に他人のことを気遣わないタイプで、自分が気に入らなければ批判しまくり、父親がジャーナリストなのもあるのか自分の意見をズバズバいうタイプでした
人の心というのを知らんのかお前は……
言うてゴホも気に入らないものはあったんですがそこまでズバズバ批判しないんですよ
どちらかと言うとすごいすごいって言いまくる賞賛タイプ
はい、仲違いしないわけがないんですよね
お互い画家だからか(?!)我が非常に強いのでケンカしても絶対に自分の意見を変えないのでもう大変
あと絵に関してもゴホとゴギャでは好きな画風も違うっていう地獄 あと自分たちの絵の描き方も違う(地獄Part2)
ゴホは自分の見たままを描く描き方(なので速筆)なんですが、ゴギャは自分の記憶を頼りに想像しながら描く描き方(なので遅筆)のためまぁ描き方に関しても対立するわけですよ ゴギャの絵は好きなのに製作過程が気に食わないゴホ、矛盾すぎて面白い
ケンカしまくりの毎日、ゴギャはゴホとの共同生活に限界を感じてパリに帰ると言い出す始末…… 地獄のような空気の黄色い家、しかしゴホはまだゴギャと一緒にいたかったんです
嫌々だったけど共同生活に応じてくれた、短い期間でも肩を並べて製作し、芸術に関して熱く語り合った……そんな「初めての仲間」が去っていくのを黙って見ているほどゴホのゴギャに対する感情は軽くはありませんでした
つらいね!!!!!!!!!!!!!!!!(クソデカボイス)
さぁそんなこんなでクリスマスの前日、美術史において有名な事件は起こりました
ゴギャが散歩している時のこと、なにやら自分にぴったり着いてくる足音を聞きます
ストーカー気質じゃなくてもうほぼストーカーだろとゴギャもツッコミたくなったことでしょう その足音の正体はもちろんゴホです
ただその手に持っていたのは、キャンバスでもなく、絵筆でもなく、一本のカミソリでした
この時点で初見の時、ゴギャ刺されるんか?!?!?!って思いましたね、まぁ刺されなかったけど(でもゴギャは刺されそうな男ではある)
結局、精神錯乱状態のゴホはその場を逃げ出したあと、自分の耳(耳たぶだけとも言われている)をカミソリで切り落とします
これがかの「耳切り事件」です!!!!!!
そしてこれは紛れもない史実です 
この時点で頭が狂いそうですね
ゴギャはホテルで一泊したあとすぐにゴホにとってのユートピア「アルル」を発ち、その後二度と二人が会うことはありませんでした

立場が逆転


話は飛びに飛びまくりゴホが死にます(唐突)ゴホは自分で自分を撃ったとされているんですがそこまで追い込まれた理由もまぁ辛い でも今回はゴホゴギャに焦点を当てて語るので省略します テオゴホもすごくよくて布教したいんですけど内容がごちゃごちゃしてしまうので……それはそうとテオゴホ本当に辛いです あの二人は兄弟愛じゃ片付けられない 
さぁゴホが死に、その半年後にテオが死んでからゴギャの人生は狂い出します
なんとゴホの作品がゴホが死んだ途端人気が出まくり売れまくります
どちらかといえばゴホの狂人伝説(耳切り、精神病、自殺)が一人歩きしてたせいなんですが、とにもかくにもゴホは大バズり 展覧会も開かれオークションでも高値が付き出しました
それをゴホを「格下」として見ていたゴギャはどう思っていたか、想像に難くないですね!!!!!!!!!!
はい勿論!!!!!!ゴホの才能への嫉妬です!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ゴホが死んだ後ゴギャはすぐにタヒチに行ったのでしばらくゴホの活躍は知らなかったんですよね それどころか自分の絵は今度こそ売れる!と信じてやみませんでした でもパリに帰った途端、自分よりも無名だった「あいつ」が人気を博しているのを目の当たりにしちゃうんですよつらいね
対して、自分の作品は売れ残る始末 ここが自信家のゴギャが「自分は格下のゴホに劣っている」と自覚した瞬間だと思いますね
立場はここで大逆転 ゴホは一気に大成功、ゴギャはゴホの人生の悪役というレッテルを貼られた上に、自分の絵が売れないという事実も重なったことで自分の方が格下に成り下がったことに気づいちゃうんですよ!!!!!!!!!!!つ"ら"い"ね"!!
今まで見下していた奴が死んだ後に大成功、その才能と成功に嫉妬して、でもどう足掻いても追いつけないことは明確で……
今まで家庭、仕事、友人、人望……とありとあらゆるものを捨ててきたゴギャ
今になって助けてくれる人はほぼ誰もいない
今更ゴギャに味方をする人なんて、もうどこにもいなかったんです
タヒチから一文なしでパリに帰ってきたのにあまりにも可哀想すぎる まあ全て自業自得なので同情の余地がないですね……
ゴギャはその状況に絶望したのか、今度は「逃げるように」タヒチに向かいました

ゴギャからゴホ宛のクソデカ感情


第二次タヒチ渡航でも病気やら金欠やら不幸な目に遭いまくりのゴギャ!もはや踏んだり蹴ったりすぎてここら辺で可哀想になってきます
ゴホの最期はぱたっといきなり終わる感じですごく辛いんですが、ゴギャの最期はもうじわじわ追い詰められるように終わるので神様もゴギャを見放したのかもしれない
自殺しようとしたけど未遂に終わったりもう人生のどん底すぎる
あの自信家傲慢のゴギャが『自分を解放してくれるのは死しかない』とか書き残してるのも本当につらい
それでもゴギャは多くの作品を制作しました
ゴホとか他の画家もそうなんですが、どんなに自分が辛い状況に置かれても画家は描き続けるんですよね……もうこの時点でしんどくないですか?
そんな晩年ゴギャが描いた問題作がこの絵!!!!!!!!!!!ドン!!!!!

題名は「肘掛け椅子の上のひまわり」です
この絵に関してはもう「ゴッホとゴーギャン展」(2016)の図録を見てほしい 確実に死ぬので
この絵の何がしんどいかってゴギャがゴホの花だと言っていたひまわりを自分で描いている事なんですよね これはもうゴギャがゴホを描いているも同義です(言い切るな)
え?じゃあわざわざ肘掛け椅子に乗せる必要ないのではって?いやいや肘掛け椅子の上に乗っていることが重要なんですよ!!!!!
肘掛け椅子、といえば同居時代にゴホが描いた「ゴーギャンの椅子」という作品があります

実はこの椅子はゴホがゴギャのために用意した高級品なんですよね つまり肘掛け椅子=ゴギャ……ひまわり=ゴホ……な訳で「肘掛け椅子の上のひまわり」はゴホを抱きしめるゴギャを描いてます!!!!!!!!!!嘘じゃないです図録に似たような記述あるので嘘じゃないです信じてくだ(以下略)
ともかく、モチーフに意味を込めて絵を描くゴギャが何も考えずに肘掛け椅子の上にひまわり置いて描くわけがないんですよ
ひまわりの種もわざわざフランスから取り寄せて自分で育ててるし……
あと、その図録の最後の方にありがた〜〜い論文が載っているんですがそこに「ひまわりをゴーギャン自身(肘掛け椅子)と一体化することで、その花をファン・ゴッホから取り上げ、我が物にしようとする意図が垣間見えはしないだろうか」っていう記述があるんですよ
つまりゴホゴギャ(ゴギャゴホ)は公式ってことですね(違)
クソデカ感情の矢印の向きでさえ逆転するの怖すぎるんですが……それほどゴホに対する思いが(マイナスであれ)強かったんだね……

ということで私のゴホゴギャ語りは以上です
ゴホとゴギャのクソデカ感情のぶつけ合いがいかに激しいものだったかがわかると思います!!!!!
いや他にも語りたいことはあるんですがこれ以上内容を詰め込もうとするとただでさえガバガバな構成が死ぬのでやめます
さあ、皆さんもゴホゴギャを推しましょう😘

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