憲法記念日の朝刊一面に考える「憲法改正「賛成」61%」
ゴールデンウィークに突入しましたね!お休みの方も多いと思いますが、お仕事の方もお疲れ様です。
さて、我が家で購読している読売新聞の、令和5年5月3日の一面タイトルには
「憲法改正「賛成」61%」 本社世論調査
~露侵略・コロナ影響~
という見出しがありました!
選挙に行く人が統一地方選挙で50%にも満たない中でそんなに賛成している人がいるんだと61%!という数値を最初はびっくりしました。
統一選挙の投票率が低いことことに関して投稿した内容はこちらです。
数値の「見出し」はインパクトが強いですよね!
今回の記事は決して憲法改正に賛成/反対について述べようと思っているわけではありません。この数値
賛成61%
について一言述べたいと思っております。
さらにその新聞3面の記事によると、本社(読売新聞)世論調査を2019年から毎年行っているそうです。
「もっと活発に(憲法に関する議論)行うべきだ」という方が
74%
もいるそうです。この見出しやアンケート等から伝えたいメッセージは
我々の調査によると日本人の過半数の人が憲法改正に
賛成しているんですよ!
ということではないかと思います。
実際にそうなのでしょうか?結論からいうとこの紙面だけでは判断できないと思います。
母数や質問からみても、これは調査というよりある結果を期待した新聞社の社説(主張)を本社世論調査という形で表現したのではないかと思ったりします。。
まず調査方法及び母数の考え方について述べます。
調査方法は?
ちなみにこの調査方法は以下のように記載されています。
「全国の有権者から無作為に3000人(250地点)、層化2段無作為抽出方法を選び、郵送方法で実施した。3月7日に調査票を対象者に郵送し、4月11日までに返送されたのは2105人。
対象者以外による回答などを除くと
有効回答は2055人
読売新聞を読んでいる読者の年代が高齢者がおおいからなのか分かりませんが、年金受給世代だけ41%を占めているというのは偏りがあるように思います。
子育て世代や企業での中堅層の声が十分反映された結果としては十分ではないように思えます。
恐らく無償でのアンケートだと思いますが、子育て世代や企業での中堅層の方が、郵送で送られてきたアンケートに答えて再度郵送するといった殊勝な方どのくらいいらっしゃるでしょうか?
母数への疑問
さらに有効回答者数2055人について掘り下げたいと思います。
日本の有権者数は何人かご存知でしょうか?
総務省が発表している令和4年参議院選挙の有権者数でみると
105,019,203人 です。
この有効回答 2055人の
有権者全体に占める割合は0.000019567%
となります。このような僅かな母数で朝刊一面で「憲法改正「賛成」61%」と打ち出して良いのでしょうか?
朝刊11面には質問内容の記載があります。
質問の内容は大丈夫?
日本の憲法について関心があるものをいくつでも挙げるような質問と選択肢が出ております。
日本国憲法1条には「天皇の地位、国民主権」と見出しがありますが、
この質問では「天皇や皇室の問題」と漠然と「問題」と記載があります。
他の選択肢では「戦争放棄、自衛隊の問題」と憲法の条文の具体的になっているものもあります。
さらに、「生存権 社会福祉の問題」という選択肢もありますが、該当するであろう憲法25条原文では「生存権、国の責務」が正しいです。そして何故か「国の責務」が抜け落ちています。
日本国憲法は103条までありますがかなり割愛されています。
質問の階層や選択肢の作り方についても規則性が、恥ずかしながら読み取れません。せめて、これらの選択肢はどういう基準で選択し、どのような方針で標記したのか明確にした方がが良いかと思います。
さらに他の設問では
これに一面見出しの賛成61%と出ていますが、副見出しの「露侵略・コロナ影響」という確認できませんでした。
さらに「改正」すると言っても、どう改正するのか方向性が分からないのに、正確な回答は得られるのでしょうか?
こんな例で言い換えるのも不躾かもしれませんが、明日からフランスに旅行に行くと決まっていて「変更したいかどうか?と聞かれては代案が分からなければ分からないですよね?A国はいいけど、B国は嫌・・・・みたいに。
さらにさらに質問の中身についてですが
とあります。
そもそも憲法第9条の条文の第1項と第2項の内容について、どの程度の人が読み、理解されているでしょうか?
回答するにしても「」に記載のある””要約!?”に判断が引っ張られてしまうと思います。
私を含めてそういう方のためにご参考までに第9条の条文の第1項と第2項をご紹介します。
ということで、恐らく日本国憲法についていきなり質問しても、一家に一冊六法全書が常備されている訳ではなく、学校で習ったのか習っていないのかも定かでなく、習っていてもほとんど覚えていない可能性が高く、世論調査でこのような調査の結果として定量的な見出しに出すのは無理筋ではないかと思う次第です。
戦争はないことを当然願っていますし、戦争ほど環境に悪く、人権を損ねるものはなく、断じてあってはならないと思います。
東シナ海とか北方領土近海、竹島付近など隣国と日本は小競り合いが続いています。
とは言え、偏りの少ない情報を共有して国民がどうするのが良いかの判断しやすいメディアであって欲しいと思います。
皆さんもネット上や紙面で記載されている世論調査についてはご自分の考察を十分入れられた方が良いと思います。
今回の調査以外でも、例えばネット調査だけだったらシニア層の情報の反映が少ないだろうな・・・というのも考察できますし。
あー書いていたら5月3日憲法記念日が過ぎてしまいました💦💦
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
また次の記事で会いましょう!
いつもありがとうございます。
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