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「旅」に行ける/行けないの差は何か

コロナ禍の緊急事態宣言中にさかんに言われた「県外への不要不急の移動は控えてください」という言葉も最近あまり聞かなくなった。Gotoトラベルも開始当初は批判はあったが、~東京除外は続いているが~ 徐々に「そんないい制度があるなら利用してみようか」という一般的な(ガチの旅マニアでない)人も増えてきている。

「感染症対策を行ったうえで」「経済を動かしていく」ことの両輪がうまくまわりつつある最近の日本社会であるが、未だに「県外への移動」については慎重な意見も多い。「県外(特に大都市圏)への移動は『職場の申し合わせ』で制限されている」とか「外出したいけど東京には行きたくない」「家族が許してくれない」「感染したら収入がなくなる」といった声も根強い。

ロックダウンを行ったフランスなどとは異なり、我が国のコロナ対策は法律による移動の制限(私権の制限)を行わずここまでやってきた。緊急事態宣言下における「自粛要請」や職場単位での申し合わせ、自分の所属する共同体による「相互監視」による移動の制限こそが、日本のコロナ対策がうまくいった原因なのでは?という声も多い。

「職場で移動をするなと言われている」人はどんな人だろう。例えば、多くの人と接する機会の多い職業、例えば接客業、公共交通機関、飲食店、店舗従業員などは「自分のため」というよりも「お客様」を感染させない必要がある。コロナに感染してしまっても「休めばいいじゃん」と思っているお気楽なサラリーマンとは違って、もしその会社(店舗)からコロナ感染者が出てしまった場合は、営業ができなくなってしまう恐れがあるからだ。

そして、都市部の住民よりも地方在住者にそのような声が多いような気がしてならない。きっと「周囲の目」というムラ社会の相互監視機能が東京よりも、地方で強く機能しているのだろう。

ところで、ある調査によると「旅をあきらめる」理由としては以下のような理由があるようだ。

旅あきらめる理由とは(要因)

①お金がない
②時間がない
③仕事が忙しい
④家族の理解がない
⑤人間関係の理解がない

「旅に出たくない」と言っている人の話を聞いてみると「コロナになりたくないから」と言ってはいるものの、実際は①~⑤の理由によるところが大きくて、さらに「コロナ」が追い打ちをかけているような気がする。出不精な人が「コロナだから」という免罪符を得て、ますます出不精になっている感じもする。コロナがあろうがなかろうがそもそも「出不精」な人が未だにそういっているような気もする。

旅が好きで、旅ジャンキーと呼ばれる部類の人たちは、コロナ禍のこの状況においても、海外こそは行けないがあの手この手で出かけられるところに出かけている。そして、私もその一人である。

そして幸いなことに私は都市部在住で職業もサラリーマン。旅行に関連する仕事をしているおかげて「出かけるな」と言われることも少なく、むしろ積極的に「ポスト・コロナ」の旅のスタイルを追求してこいと言われる立場にある。

旅に出たくても出られない人の事情や気持ちも理解しつつ、旅に出かけることができる環境にある人は「感染症対策を十分にとって」出かけていけばよいし、そのような空気を作っていくのも、僕のできる小さなことなんだろうと思う。旅に出かけることのできる幸せをかみしめながら、県外に出かけようよ。そろそろ。

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