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05.Fiction Girl

言い表せられない憧憬がずっと先にある
十月の雨に仄暗くなっていく 

名前を知ってしまったら実体を持ってしまうかな
意味を持たない所作で通り過ぎていく
君を見つけた

打算のないリズムに合わせ雨を避ける君の表情が
ステージ上 地明かりを再現している
屋根のないバス停に立ったら
「乾かない」と笑った
そうやって君は瞬間を体現し続ける

赤い季節を告げて透明な姿になっても
歳月が重くのしかかろうとする
名前をなくしてしまえたら
どれだけ楽になれるかな
その手に意味を見つけてしまって窓 遠景が揺れる

些細な傷 陰る日々では遠くを見る君の横顔が
ステージ上 絶対を象徴している
見慣れない街に降り立ったら「潮の街」と笑った
そうやって君は瞬間を費やしてしまう

忘れなくてもいい?
仄暗い中に微かに見える夕の色
どこかに繋がると言う君を
街を海を

打算のないリズムに合わせ
呼吸をする波を見た君が
踏み出して境界を探っている
あてもなく水底に立ったら振り返って笑った
そうやって君は曖昧の中に居続ける





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