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映画の前にブレイキング・バッドを復習していく シーズン2編

これまで断片的なティザーが公開されてましたが、わりと長めの予告編が公開されましたね。楽しみ。

ということでブレイキング・バッドシーズン2。

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役者が揃う

ソウル・グッドマン、マイク、ガス等、これから全体にわたって重要なキャラクターが登場するシーズン2。ソウル・グッドマンなんてただの軽薄なキャラクターに見えますが、スピンオフ「ベター・コール・ソウル」を見てると、感慨深さすらあります。サモア大学の卒業証書とか、ああ・・・。

怒涛のシーズン2

人物描写もさることながら、展開が激しさが魅力のこのシーズンが、個人的に一番好きです。トゥコの暴走による監禁から始まり、転がるように13話の最後までどんどん展開していきます。

物語の展開の方法として、

主人公に何かが起きる→それに対してのリアクションを起こす→それによってさらに何かが起こっていく。

というのがベーシックな方法だと思うのですが、このシーズンはまさにそれ。何かトラブル(トゥコに拉致される、メスの販売方法でつまずく、仲間の逮捕、など)が解決したと思ったら次の問題が現れていき、物語全体の状況も変化していく。さらにポイントなのが、変化すると、前よりも悪い方向や状況になっていくことです。そうなることで展開することへの必然性が生まれていく。

そうした中、ジャンキーの家に脅迫に行ったら出会う少年とのやりとり(からのATMを使った衝撃的な結末)、ソウルの登場、荒野での、最後と決めたメス製造からの文字通りの孤立、ジェシーの恋人ジェーンの登場など、展開の妙だけでなく、物語の緩急をつけるような特徴的な各話のエピソードや人物描写も達者で楽しませてくれます。アバンで時折挟まれる、プールに浮かぶ謎の焦げたぬいぐるみの顛末など、テクニカルな面での上手さもいい。

このシーズンでは主人公のウォルターの変化の描写も、印象的です。死を覚悟してメスを作り終えた後の、病状の経過が回復の報告を受けた後のトイレのシーン。自らが映っている手を拭くケースをボコボコに、するとケースの反射には歪んだウォルターの姿が映り、映像でキャラクターの変化を見せていく。他にも、パーティーでのハンクとの息子の酒についての意地の張り合いや、かつての同僚に資金援助を断るシーンの、ウォルターが何を重んじているのかを示すシーン、ガスにメスを売る際に娘の出産が重なり、どちらを優先するかでメスを優先するなど、主人公の変化がより顕著になっていきます。

そしてその描写のピークが12話のラスト、ウォルターがジェーンを見殺しにするシーンではないでしょうか。ジェーンが仰向けに嘔吐して窒息するさまを、見殺しにするウォルター。この、殺すわけでもなく、助けるわけでもないというところが、シーズン2のウォルターの変化具合の状況をドンピシャで表しているのではないでしょうか。それほどの名シーンです。そらこんなドラマ人気出るわ。


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