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映画の前にブレイキング・バッドを復習していく シーズン4編

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ゲイル殺害直後から始まるシーズン4。

クリフハンガーまるだしの終わり方をした前シーズンの直後から始まるシーズン4。

ウォルターとジェシーに対して、ガスが目の前での部下殺しを見せつけたりと衝撃的なシーンのある1話から始まりますが、全体として、物語は緩やかに立ち上がっていきます。
ウォルターはガスの暗殺を企みますが、ジェシーに別の仕事が与えられガスに懐柔されていくと、ウォルターとジェシー、二人は距離的にも心理的にも徐々に離れていきます。スカイラーは上司のテッドの不正が明らかになったり(「ファーゴ」さながら、ちょっと抜けてるチンピラがテッドを脅した結果、テッドが自ら事故ってしまう展開が最高)、洗車場の買い取りを企てたり、ガスは敵対組織との緊張が高まり、サラマンカとの過去の因縁も明らかになる。ハンクはハンクで徐々にガスに近づいていきます。

と、シーズン4は群像劇のようにそれぞれのキャラクターのストーリーラインが設定されています。緊張感を保ちながら時には交差しつつ、いつか起こるであろう爆発の予感でヒヤヒヤしながら見つつ、物語は進んでいきます。

ここまで物語が進むとウォルターとジェシーの関係も、もはや疑似親子のようで、お互いに疑い、憎み合い、かと思うと必要としあう。40話近くかけたドラマならではの、独特な関係性を生んでいます。

そして物語が動くのは10話。ガスが毒で敵対組織の幹部たちを皆殺しにします。このシーズンではガスのキャラクターの掘り下げが印象的です。自らも毒を飲みながらも殺害をこなす、(トイレで毒を吐く時もガスは所作が丁寧です)この壮絶なシーンからはあとはあっと言う間です。孤立したウォルターは自らが危ないことを察知し、逃げようとしますが、お金がスカイラーの上司の件で無くなってしまう。床下で笑い出すウォルターの壮絶さの11話。ジェシーのガールフレンドの息子に毒が盛られる事件からのウォルターとジェシーのやりとり、それからガスの暗殺を試みますが、失敗してしまう12話。そして全てがここにつながる、文字通りの最後の爆発。工場を焼き払い、ウォルターの勝利宣言。さらに最後の最後に見せる、「市民ケーン」的なネタバラシ。やっぱりウォルターやってたんじゃん・・・。と底知れぬ恐怖を覚える最終話。と、前半こそ停滞気味ですが、最後はやっぱり度胆を抜いてくる、凄みのシーズン4です。


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