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趙治勲先生に原稿をチェックしてもらった!

『令和版 ひと目の定石』を書き上げ、趙治勲名誉名人に原稿をチェックしてもらいました。

治勲先生と待ち合わせするときは前日から緊張します。
治勲先生はスマホを持っていないのでちょっとのミスが命取り。
『明日は13時集合。
絶対に遅刻しないように気をつけよう』
と思いながら本因坊戦第1局のユーチューブを見ていました。
治勲先生は第1局の立会人です。
『明日会う人をユーチューブで見るのはちょっと妙だな』
と思っていた5月19日(金曜日)に僕のスマホが鳴りました。

かけてきたのは週刊碁の編集者。
金曜日に連絡があるのは珍しいです。
とりあえず出てみると
『趙治勲です。
明日は早く帰ってもいいらしいです。
俺は早くしたいけど、お前が大変だから10時待ち合わせにしよう』
と治勲先生は一気に言いました。

情報量が多すぎて大変です。
スマホの表示と実際に電話してきた人が違うだけでも厄介。
とりあえず整理することに。

タイトル戦では電車の切符を遅めに予約。
もし早く帰りたい場合は自分が帰りたい時間に変更することが多い。
今回の本因坊第1局もそのパターンだったおでしょう。
治勲先生は10時ではなく、もっと早くに帰りたいんだと思います。

治勲先生はとても偉大なので
『8時に変更だ』と言われたら僕は従うしかありません。

しかし治勲先生は優しいので10時集合に緩めてくれたのです。

こんなことを理解しながら
『はい。10時でお願いします』と返答して終了。

当日は遅刻しないように気を配り、しっかり待ち合わせできました。

原稿チェックが順調に終わり、雑談へ移りました。

最近の治勲先生は引退で悩んでいるらしいです。

5月20日時点の治勲先生は高勝率だったので引退する必要はないように見えます。

しかし治勲先生はずっと前から
『情けない碁を打つぐらい年老いたら、潔く引退するべき』
という信念を持っていました。

自分の碁がネット中継されることに我慢できず、
『俺が予選Cで打つ時は恥ずかしいから中継しないでくれ』
と日本棋院へ頼んだらしいです。
でもけんもほろろに断られました。(本人談)

治勲先生は話を盛るのでどこまでが本当のことかわかりません。
僕が聞いたのは本当ですが、
治勲先生の創作かもしれないのでご了承してください。

若い頃の治勲先生は『潔く引退するべき』と言っていましたが、
現在は『ほかにやることもないので現役を続けたい』
と気持ちが変化しているので悩んでいるらしいです。

『あと2、3年で引退できなかったら、
ズルズル最後まで続けちゃうかもな。
恥ずかしいって感覚が薄れちゃうから』
とおっしゃっていました。

治勲先生はどんなタイミングで引退するのでしょうか?

本の最後に治勲先生の紹介文があります。
『テイケイ杯レジェンド優勝を追加しますか?』
と僕が確認したら、
『いや。いらない』ときっぱり断る治勲先生。

全棋士が参加する棋戦で活躍しなくては
という想いが強いようです。

治勲先生におごってもらったステーキはとてもおいしかったです。

別れ際『いい本を書けたな』と笑顔で言ってくれたのもうれしかった。
この一言を聞けば原稿を書く疲れなんて吹き飛びます。
もしよかったら買ってください。
令和版 囲碁 ひと目の定石 | マイナビブックス (mynavi.jp)




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