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ヨーロッパ滞在記・イタリア編 2015年3月30日・「帰国」

 イタリアでの生活の最後の日がやってきた。ルフトハンザ航空の2回のストライキのためイタリア入りが3日遅れたのもあるけど、何だかあっという間に過ぎていった感じだった。それでも授業や観光など貴重な体験をしたので、濃密な時間を過ごした。

 朝方、ニコーラ校長先生が車で迎えに来てくれた。寮兼食堂の前では生徒たちが見送りに出てくれた。ニコーラ校長先生が「お別れの挨拶はイタリア式で」と言った。

 生徒たちは20歳前後、それが次から次へとハグしてくる。上の写真のあるような健康的なイタリア娘が立て続けにハグしてくるものだから、何だか頭がクラクラしてきた(^^;)。あ、もちろん男子生徒ともハグしたけど(^^;)。

 生徒たちとの別れを惜しみつつニコーラ校長先生の車に乗る。そして車はピサの「ガリレオ・ガリレイ空港」に向かう。
 次にニコーラ校長や学院に人たちと会うのは、半年後の9月、彼らが日本への研修旅行にやって来るときだ。そしてまた僕がイタリアに来るのは1年後になる。

 イタリアから日本に帰るのには直行便もあるけれど、今回はドイツ、イタリアと周っているので航空券の予約の関係上、ピサ空港からミュンヘン空港へ、乗り継ぎで羽田空港というルートになる。今回は付添い人が誰もいないので、たった1人でピサ空港からミュンヘン空港で乗り継いで帰国しなければならない。カメラも保護者も見ていない状態で「はじめてのおつかい」をやるようなものだ(^^;)。海外渡航初の僕が全部やらなければならない。

 イタリアから日本までの所要時間は12~13時間、結構な長旅だ。果たして僕は無事に帰国することが出来るのか?(^^;)。

「ガリレオ・ガリレイ空港」から「ミュンヘン空港」へ向かう飛行機の中から撮影したもの。間近で見る雲は綿のようで、触ってみたくなる。
 航空力学によって飛行機が空を飛ぶことは理屈としては判っている。しかし実際に飛行機に乗ってこういう景観を見ると「こんな鉄の塊が空を飛ぶなんて信じられない」と思う(^^;)。

 考えてみれば、ここから上は「宇宙」だ(^^;)。

 機内食のサンドイッチ。気圧の関係で袋がパンパンになる。

 飛行機が雲を突き抜けて下降していく。雲を突き抜けると眼下にミュンヘンの街が広がっている。飛行機でしか味わえない景観だ。

 「ミュンヘン空港」到着。ここでANAに乗り継いで羽田空港に向かう。

 「ミュンヘン空港」に到着したものの、ANAのカウンターが見当たらない。あるのはルフトハンザ航空のカウンターのみだった。
 仕方なくルフトハンザの係員に尋ねてみた。どうやら日本語が通じない。拙い英語で尋ねてやっと聞き出した。時刻表を見ると、僕が乗る羽田空港行きのANAの便の発着時間が変更になっている。危ねー!ちゃんと係員に聞いて確認してよかった(^^;)。

 羽田空港行きの飛行機の発着まで時間があったので、夕食を摂ることにした。

 僕がイタリアに来るときに、ドイツ最後の食事をグラフィック社のSさんとした、アジアの麺類の店。「トリカララーメン」を食べた、あの店だ。

 今回は「トリカララーメン」ではなく「天ぷらそば」を注文した。海老天が2本入ったワイルドなそばだった(^^;)。

 「天ぷらそば」と一緒に注文した「コカコーラ・ライト」。ラベルに「Jennifer(ジェニファー)」と女性の名前が書かれている。

 レシート。「天ぷらそば」が12,90ユーロ(約1613円)というのは外国だし空港値段として割高でも仕方ないかなと思うけど、「コカコーラ・ライト」が4,50ユーロ(約563円)って何なんだよっ!?500mlペットボトルなのに高っ!(^^;)。

 唐辛子の代わりの「チリペッパー」(^^;)。

 何かの香辛料。試しに少しだけそばに入れて食べてみたら、咳込んでむせるほど辛かった(^^;)。

「キッコーマン醤油」!手のひらに少し垂らして舐めてみた。約3週間ぶりの醤油の味。美味ぇっ!(^^)。自分は日本人なんだなとつくづく感じた。

これから飛行機に搭乗。日本まで約12時間!。

ミュンヘンから羽田まで約9000km。

 ドイツでは夜だけど、羽田には昼過ぎに到着予定。

 ユーラシア大陸を横断して、日本に入る。

 新潟から入り羽田に向かう。

 羽田空港到着。約3週間ぶりの日本だ。

 入国手続きを済ませゲートを出る。約3週間のドイツ&イタリア行きが終わった。今まで海外旅行したことの無かった僕にとっては夢のような3週間だった。

 羽田空港からモノレールに乗る。当たり前だが、周りはほとんど日本人。飛び交う言葉も当然日本語。今まで僕にとって当然だった日常が何か違うもののように感じた。頭で言葉を翻訳する必要が無くストレートに入ってくることがどんなに楽なことか。そして日本語に対しても、表現がデリケートに感じるようになっていた。適切な言い回し、論理的で簡潔な表現、感情を表現するための語彙について深く考えるようになった。

 「レインボーブリッジ」が見える。ここはもうイタリアではない。日本だ。

 「秋葉原」に到着。ここから「つくばエクスプレス」に乗って地元埼玉まで帰る。秋葉原は僕のホームグラウンドのようなものだ。
 漫画やアニメで溢れかえっている街、イタリアの人たちが憧れる場所だ。僕がイタリアに憧れたように、イタリアの人たちもここに憧れて来ることもあるだろう。
 「ヨーロッパ漫画学院」の人たちが日本に研修旅行に来るのは半年後の9月。そして1年後の2016年3月に、また僕はイタリアに行くことになる。

*次回から「ヨーロッパ紀行・イタリア編 2016年」になりますが、データ整理と仕事に集中するため、しばらく更新は止めさせていただきます。
 後日、時間の余裕ができたときに再開いたします。ご了承ください。

(続く→)
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