妻は財布を盗まれた。
法務局に行ってきたのですが、なんと、妻が財布をコンビニのトイレに放置し、そのまま盗まれてしまったようです……。傷心の妻に話を伺いました。
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イケダ:お疲れ様です。無事に法人登記はできそうですね。
ミキ:うん。
イケダ:よかったよかった。心は穏やかになったかい。
ミキ:うん……。穏やか……。
イケダ:心中穏やかではない。
ミキ:いや、別にそんなことはないけど「戻ってくればいいな」と思っちゃって。それが心に残っているから気持ち悪いね。
イケダ:残心。
ミキ:お金は別にいいんだけど、その他いろいろなものが戻ってきたらいいのになぁ……と。
イケダ:そりゃそうだね。免許証とか再発行面倒だしねぇ……。この願望を振り払うのは難しい気がするね。実際、見つかる可能性はあるからね。
ミキ:「どこかにぽいっと捨てられて、明日あたり連絡がくるかもしれない」と思って、さっきから携帯が気になっちゃってる。
財布を持たない。
ミキ:でもまぁ、そんくらいだね。
イケダ:立ち直りが早いね。
ミキ:はっくんだったら、しつこいだろうね。
イケダ:うん。しつこいよ、俺は。ぐちぐちとダメージを引きずるよ。
ミキ:負の感情を撒き散らし続けるよね。そして社会に対して文句を言い続けるよね。その結果、財布を持たない男になったのか。
イケダ:そうです。いいことでしょう。財布を持たなければ、盗まれることも、なくなることもないのだ。
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