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「確かめてみたかったんだよね。」


うちの隣人に、すごい人がいるんです。Kさんとでもしておきましょう。

彼の口癖は「確かめてみたかったんだよね」。何をするにも、とりあえず自分で確認してみないと気が済まないタイプの方です。

彼は羊を飼っているんですが、その理由を聞いてびっくり。いわく、

「日本は家畜の文化がないじゃない?キリスト教は、人間を『迷える子羊』と呼ぶけど、それは日本じゃよくわからないでしょ。

あっちの文化では、人間は「神にとっての家畜」なんだよ。だから、突然神様は人の命を奪うし、人間はその意味を理解できない。でも、総合的にみれば、人間は神の手によって良い方向に導かれていく。

これって、まさに家畜文化なんだよね。子羊は単独では生きていけないから、人間が家畜を導く。その代わりに、その群れから無作為に羊を選んで殺して食べる。」

面白い話ですよね。「肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見」という古い名著があるんですが、この本でも、同じような話が語られていた気がします。

で!

Kさんがすごいのは、ほんとうに、自分で羊を飼っちゃうんですよ。ヨーロッパ的な家畜文化を「確かめる」ために!(笑)

すごいですよね。ぼくは同じような話は、どこかの本で読んで「へー、そうなんだ」と納得しちゃったんですよ。だから、羊を飼おうとはみじんも思わないし、それで「知った気」になっていました。

でも、Kさんは「ほんとかな?よし、じゃあ自分でも羊を飼ってみよう」と考えて、六甲山まで羊を買いにいったわけです。この精神性は、ほんとうにすごいですよね。


ちきりん&ウメハラの対談本「悩みどころと逃げどころ」のなかで、ウメハラさんがこんなことを語ってます。

人間て、自分の本音に気づける機会ってそんなにないんですよ。「金なんて大事じゃない」って言うのは簡単だけど、それが本当に自分の気持ちなのか、なかなか確認できない。

まさに、よくよく考えると、ぼくらは自分の気持ち、本音ですら、確認せずにスルーしているんです。

いやー、すごい、30歳にして衝撃を受けました。ぼくはエラそうに語っているけど、実はほとんどのことを確認していない!

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