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欧米なの?「カップル文化」の高知で考えた、田舎で消耗しないための処世術


東京から単身・高知に移住したライター・小野好美さんの連載です。テーマは高知特有の「カップル文化」について。


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独身には打撃が強かった「カップル行動」

アメリカの映画やドラマを見ていると、

時おり出てくる〈友人の結婚式やパーティーに誰を伴って参加するか〉というテーマ。

カップル文化の欧米では、大事な席に連れて行く=「あなたが本命よ」と、暗に本人や周囲にメッセージを送る構図ができているようです。

私が東京から高知にやってきて、直面したのも、この「カップル文化」でした。
高知って欧米なの…? ラテン気質なのはそれ故? という疑問はさておき。

私の周りの高知人たちは、ほぼカップル(含む夫婦・家族)ぐるみで行動します。

単身で移住した当時の私はいつも、カップルに囲まれてちょっと切なかったものです。
でも、その何倍も「素敵だな」と思ったのです。

というのも、東京では、友だちの彼氏や夫(彼女や妻)と一緒に遊んだ経験がほとんどなかったから。

友だちのパートナーに会うことがあるのは、

・本人たちの結婚式
・フェス等(趣味が合うカップル限定)
・夫婦同伴の会社の集まり

といった極めて限定的なシチュエーションのみ。
なんなら友だちのパートナーに会ったことがないのも普通でした。

でもそれってちょっと寂しいな、と今は思うのです。

外で女友だち同士、どんなに盛り上がっても、
彼女たちは家に帰ったら、パートナーや子どもにしか見せない顔に。
大げさに言えば、家族といる女友だちは、私の知らない人なのです。

かく言う私自身も同じでした。

もともと仲間内・グループ内で付き合い始めたなら、
その仲間同士で彼氏を交えて会うのは自然なことですが、
それ以外のセグメントの友だちに彼氏を紹介する機会は
ほぼなかったように記憶しています。

それって、結局「対彼氏」「対友だち(セグメントA:大学時代の友だち)」「対友だち(セグメントB:趣味の友だち)」等と
人格を使い分けていたことに他ならない。

そんなのは自然なことなので、別にいいのですが、
でもやっぱり誰といる時もそのままでいられたら単純に、自分自身がラクだと思うのです。

ではなぜ、高知の人びとは常にカップルぐるみで行動するのでしょうか。

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