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「コンテンツは有料の方が面白い」に決まってる。その理由を解説しましょう。


某ブロガーが「コンテンツは有料のほうが面白い」と発言し、ネットの世間を賑わせているようです。


アルファブロガーアワード受賞(2011年)の老舗ブログ「LifeHacking.jp」より。

ここ最近、ウェブのどこからか知りませんが「コンテンツは有料のほうが面白い」という奇妙に面白い言葉が漂流してきて、もう何度目になるかわからない思考をめぐらせていました。

最近あんまり記事をお見かけしない、「脱社畜ブログ」より。本業がお忙しいのかな?

某ブロガーがコンテンツは無料より有料のほうが面白くなると書いていたが、それはコンテンツを生み出すために相応のコストをかけた場合にだけ言える話だ。


「某ブロガー」が誰だかぼくにはわかりませんが、ぼくも「コンテンツは有料が面白い」と考えています。

そんなものは自明ですよ。コンテンツ作っててなんでわからないんだろ?という感じ。

揶揄するわけじゃないけど、お二人とも本業が別にある「兼業ブロガー」だからなんだろうなぁ。

あと、ネットを古くから使っている人ほど、「無料信仰」に囚われている気もします。歴史を見れば、テキストコンテンツはむしろ有料が当たり前なんですけどね。


ぼくはほとんど中毒的にコンテンツに課金して、自分でも制作しておりますが、「有料の方が面白い」のは間違いのないことです


なぜか?上記のブログを引用しつつ、わからない人のために、その理由を解説してみましょう。

そう、有料でね!


「課金」することで、体験の質が変わる。

もっとも根本的で、「Lifehaking.jp」と「脱社畜ブログ」が見落としていること。

それが、「ペイウォール(課金の壁)を設けることで、読者の体験の質が変わる」という真理です。


このコンテンツにお金を出したみなさんなら、感覚的にそれを理解していることでしょう。

普通のブログ記事より、しっかり読んでませんか?ニュースアプリで接触するブログとは、読書体験の質が異なることに気づくはず。noteのデザインも相まって、伝わり方が格段に違ってくるんです。

だから、有料の方が面白いんですよ。


これは第一に、ぼくら「作り手」にとって、エキサイティングなことです。課金を経ることで、読者との関係性が大きく変わりますから

有料記事では、みなさんと、膝を突き合わせて話をしているような感覚があります。どうも、こんにちは。よろしくお願いします。


第二に、課金を行うことで、「読者」にとっても、それを「面白い!」と感じる可能性が高まります

らふらく^^」のタクさんがどこかでツイートしていましたが、無料でコンテンツを手に入れちゃうと、人はその中身をスルーしちゃうんですよね。

「とりあえずはてブ」しておくだけで、じっくり読むことはない。それが、本来なら「面白い」と感じたはずのコンテンツであっても。心当たりありませんか?


もっというと、ペイウォールは恐ろしいもので、つまらないコンテンツですら、面白く変える可能性があります。

せっかく高いお金を出したんだから、学ばないと!」という態度を読者に与えるのです。薄い内容だったとしても、そこから多くのことを「学んでしまう」んですね。


「情報商材」なんかは、この力学をうまく使っていると思います。あれはお金を出すことに意味があるのでしょう。与沢翼氏に100万円払えば、否が応でも人は学びます。

「塾」とか「専門学校」とかも同じ。ネットで無料で学べるのに、未だに多くの人は学校に通います。それは、お金を出すことで、本人が能動的に学べるようになるからです。

壺を売りつけるタイプの新興宗教」もそうかもしれない。300万の壺とか買ったら、そりゃあ態度が変わりますよね。教組のうすっぺらいことばに、逐一感動するようになってしまいます。

高いワインの方が美味しく感じる」という話とも同じですね。人間の感覚なんて、そんなもんなんですよ。


「お金を出す」という行為が、その人にとってのコンテンツの品質を変えるんです。

上記で引用したブロガーたちは、そこを見落としています。無料じゃ、ちゃんと読まれないんです。


広告主もGoogleも無視できる。

有料コンテンツの方が「オリジナリティ」が高くなりやすいのも、ポイントです。

そして「オリジナリティ」は、「面白さ」と言い換えてもいいでしょう。どんな分野でも、オリジナルなものは、面白いんです。


noteや有料サロンは、ユーザー課金であるがゆえ、広告主やGoogleを無視して、コンテンツを制作できます

このマガジンは、現在月商で30万円ほど。現時点の外注費は10万円くらい。月商50万円が見えてきたら、専属の編集者を雇ってコンテンツを制作していくつもりです。

月商100万まで伸びれば、もっと面白いコンテンツが作れますね。考えるのは、それだけでいい。noteの仕様・規約変更と手数料率に気をつけるくらい。

これが、イノベーティブなんです。

ぼくら本業ブロガーは、大なり小なり、Google先生に依存してきました。Googleの評価が落ちると、突如売り上げが半減!みたいなことが普通に起こっていたのです。こんな状況じゃ、いいコンテンツは作れませんって。


そう、有料コンテンツの魅力は、広告主やGoogleの顔色を気にせず、制作に打ち込めることです。

作りたいものだけを、徹底的に作る。そういう集中力を得ることができます。

だから、面白いものが生まれやすくなるんです。


裏を返すと、広告に依存する時点で、制作物はコモディティに近づいていきくんです

このメカニズム、わかりますか?お金のことを考えると、似てきてしまうんですよ。

広告モデルに依存すると、差別化がむずかしくなる、ということです。「無料で書いて、広告で収益化する」という道筋は、創作の幅を狭めてしまうんですよ。



絶望するの早すぎじゃない?w

あとは細かいツッコミをしていきましょう。脱社畜さんの以下の文言。

「良質なコンテンツを作った人が一番儲かる」という世界が作る側にとっても消費する側にとっても理想だと思うのだけど、有料noteが情報商材売り場みたいになってしまっている現状を見ると、そういう世界がネット上に到来する日は来ないのかなと絶望せざるをえない。

早い、早いよw 話はこれからですよ!

なんか、みんなほんとセッカチだな…。なんでもう絶望してるんだw ネットの人たちって、ほんと「待てない」人が多いよなぁ。


コンテンツの力がないと、売れませんよ。

もっとも、一部の人の有料noteは売れているし、結構な利益も出ている。それはたしかに事実だ。ただ、これはもうみんな薄々気づいているだろうけど、これらの売れてるnoteはコンテンツの力で利益が出ているわけではない。

これもウソが混じってますね〜。

うちは2,980円の「ブログ運営の教科書」「ブログで稼ぐ方法を解説します」が売れてますが、これは純粋にコンテンツの力だと思ってますよ。

類書はこの世にないですし、内容も随時アップデートしていきます。初版の時点で、すでにいい仕上がりですよ。どうぞ購入して確認してくださいませ。


いいものを作るのは前提です。そんなもん、ぼくはプロの書き手なんだから当たり前。粗悪品が売れるほど、この世の中は甘くない。

というか、普通に考えれば、いいコンテンツを生み出してきた結果として、「信者」が生まれるんじゃないですかね。

だから「信者がいるからコンテンツ力がなくても売れる」なんてことは、ありえないんです。「コンテンツ力があるから信者が生まれ、なんでも売れるようになる」というなら、まだわかりますけどね。


「制作コストの多寡」とコンテンツの質は無関係。

こちらも脱社畜ブログから。この言い切りは、明らかにウソですね。意外と適当な書き方をするな、この人…。

某ブロガーがコンテンツは無料より有料のほうが面白くなると書いていたが、それはコンテンツを生み出すために相応のコストをかけた場合にだけ言える話だ。
たとえば綿密な取材を行い、時間をかけて執筆し、徹底的な推敲がなされ、さらには編集者の手による編集と校閲が入り……というコストがコンテンツの価格に転嫁された結果、有料になってしまうというのであれば「無料より有料の記事のほうが面白い」というのは正しいということになるだろう。

「コストをかけた場合にだけ言える話だ」とありますが、無数の例外がありますよね。

「小説」とか「エッセイ」「詩」は、ほぼコストゼロですよ。推敲しない作家もいっぱいいますし、むしろ詩なんかだと「どれだけ瞬時に書き上げるか」が問われたりもします。

アートの世界まで踏み込めば、「制作コストがほぼゼロの歴史的作品」もたくさんあります。ジョン・ケージの「4分33秒」とかは好例でしょう。


違うんですよ、コスト云々なんかよりも、現代社会においては「広告主の顔色を見ないで済むかどうか」が重要なんです

前述のとおり、広告ビジネスと紐づくと、コンテンツのオリジナリティが薄れていきます。「バイラルメディア」「アフィリエイトサイト」「ポイントゲット系無料アプリ」なんかは、みんな似ていますよね。


広告はオリジナリティを減ずる。だから、面白いものが生まれにくい。

有料コンテンツは、広告に依存しない。だから、面白いものが生まれやすい。

OK?


そもそも「面白い」ってなんだろう。

こちらは「Lifehacking.jp」さん。

でも常に変わらないのは、「これは面白いかどうか」というコンテンツに対する判断を下すのは、読者なのだという点です。

反論というわけではないんですが、ぼくはこれ、真逆の態度です。

違いますよ、クリエイターとして、「面白さは読者が決める」なんて思ってはいけない。

そうなると、コンテンツはむしろつまらなくなります。より正確にいえば、他と似てきてしまう


「これは面白いかどうか」を決めるのは、ぼくら作り手です

間違っても、読者が決めるとは思ってはいけない。

なぜか。それは、「読者のほうが、クリエイターより常に遅れている」からです。

あまりにも新しすぎるものは、読者がついてこないんです。これはアートの歴史が証明していますね。


ぼくは読者が面白いと思うかどうかは、気にしません。結果的に、彼らが面白いと思ってくれれば、まぁそれはそれでいいでしょう。

それよりも何よりも、ぼく自身が、自分のコンテンツについて「これは面白い!」と自信を持てることが大切です。

雑にいえば、このぼくが「有料コンテンツは面白い!」と言っているんだから、有料コンテンツは面白いんですよ。俺がルールだ!


ぼくらは後ろ(読者)を見て、それに合わせてコンテンツを作ってはいけないのですよ。そんなものは、クリエイターの仕事ではござらん。癒されたいなら、いいですけどね。

クリエイターなら、新しい時代を切り拓く方向に進むべきです。その道が正しかったかどうかは、歴史が証明します。ヒリヒリとした「賭け」のなかに、自らを投じてはじめて、面白いコンテンツができるんです。


余談ですが、「面白さは読者が決める」という態度は、広告ビジネスとは相性がいいと思います。

「ABテストでバリバリ記事タイトルを補正する」「クリック率が上がるように、美女の画像をサムネイルに使う」とかは、この発想ですよね。

それが悪いとはいいませんが、似てきちゃうんですよねぇ。んで、似ているということは、面白くないということです。


まとめ。

ポイントをまとめましょう。

・お金を出すことで、人は「ちゃんと読む」ようになる。

・お金を出せば、つまらないコンテンツですらも、面白く感じることが往々にしてある(「高いワインはうまい」理論)。

・有料コンテンツが面白いのは、広告ビジネスと無縁でいられること。

・広告への依存度が高まると、コンテンツのオリジナリティは落ちていく。広告に依存しないで済むのなら、それだけオリジナルなコンテンツを模索できる。

・コンテンツの質が高くないと、売れることはありえない。信者が生まれるのは、コンテンツの質がそもそも高いから。

・コンテンツの質と制作コストの多寡は無関係。カネをかければ面白い、ということはない。その逆もしかり。

・「そのコンテンツが面白いかどうか」を決めるのは、第一に「作り手」であるべき。読み手は必ずしもついてこない。


虎視眈々と、時代を作り、大波を待て。

ぼくは本能レベルで、こっちに賭けてます。

が、多くの方には、まだ早すぎて理解できないのでしょう。

ぼくは独立してから4年以上、毎日大量のブログを書き続け、広告ビジネスだけで月商100〜150万円作っているんですよ

マジで、そういう人間のいうことだから、ある程度信じた方がいいと思うけどな…。まぁ、兼業でやっているとなかなかわからない世界なのでしょう。


最後に、もっとも有望な若手編集者、鳥井さんのことばを引用しておきましょう。こういう才能が、新しい時代をつくるのです。

粘ることは、タイミングと同じぐらい重要。粘れないと必ず失敗する。「成功するまでチャレンジし続ければ、決して失敗はない。」というあの言葉に似ている。
「ここに必ず波が来る。」という確信が持てたなら、そこで“自分たちらしく”ずっと待ち続ければいい。
その波がくるまで淡々と粘り続ければいい。なにも焦ることはない。ここに必ず波は来るということはもう知っているのだから。
引用:粘れ。 | 隠居系男子

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