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「Xをやっている編集者の会」に参加した話

僕は書籍編集の仕事をしています。
といっても、漫画や小説ではなく、おもにビジネス書とよばれるジャンルの本を作っています。

ビジネス書は扱うテーマが幅広いため、なじみのない方にとってはどんな本を指しているのかイメージしづらいかもしれません。

例として、直近では「マーケティング」「言語化」をテーマにした2冊のビジネス書を編集しました。

世界はマーケティングでできている | 三宅 宏 |本 | 通販 | Amazon

頭の回転が速い人の言語化のコツ | 金山 拓夢 |本 | 通販 | Amazon

「Xをやっている編集者の会」は、ビジネス書に限らず、児童書、学習参考書、人文書、エッセイなど、さまざまなジャンルの編集者が参加し、総勢80名以上集まりました。すごい数ですね。

この会の主催者はダイヤモンド社の種岡さん。
『リーダーの仮面』シリーズ3部作など、数多くのヒット作を担当された方です。
出版業界で知らない人はいないのでは、と思うくらい有名な方です。

さて、「Xをやっている編集者の会」。
雰囲気としては、立食パーティーのような感じでした。
お酒を片手に近くの人と話しをしたり、気になる人を見つけたら話しかけに行ったり、感覚としては街コンに近いものがあります(1回だけ街コンに参加したことがある)。

これが街コンだったらコミュニケーション能力やスペックが問われるところですが、編集者の集まりだけあって、会話の中心はやはり「本」。

どんなテーマの本を作っているのか。
これまでにどんな本を作ってきたのか。
本を作るうえでどんな悩みがあるのか…。

そんな話をしていたら、あっという間に10分、15分と時間が過ぎていきました。80名以上いるので、当然全員とお話しすることはできません。
僕は近くにいた10名ほどの方とお話しをさせてもらい、そこで3時間経過し、会はお開きとなりました。

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帰り道、ぼんやりと「編集とは」「本作りとは」みたいなことを考えていました。

本には編集者の考え方や問題意識、本作りに懸ける想いが反映されます。

そう考えると、「これまでにどんな本を作ってきたのか」という質問は、編集者にとって「これまで、あなたはどうやって生きてきたんですか?」と聞かれるのと同じくらい、自分の存在意義を問われているように感じました

同じテーマ、同じ著者であっても、編集者が違うだけでその本の表情、伝わり方は大きく変わります。
タイトルのつけかた、見出しのつけ方、どんな雰囲気の本にするか、どんなキャッチコピーをつけるか、どこを目立たせるか、デザイン・イラストはどなたにお願いするか…。

挙げるとキリがありませんが、本の裏側には編集者がいて、その全てに編集者の態度が反映されます。

そこまで考えて、僕は改めて編集者という仕事が好きだなと思いました。

僕はほかの人に自慢できるような能力はありませんが、それでも、それすらも、本作りは強みに変換してくれる。その懐の広さが好きだから、僕は編集の仕事を続けていられるのでしょう。

それでは。


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