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課税事業者になるか?

10月から消費税が10%。

1989年、0%→3%の時って、実は同時に通行税が廃止されて、グリーン車が7%くらい値下げになった。それは「趣味的に」知っていたけど、私はグリーン車なんて乗らないから関係ない、と思っていた。ところが廃止された税は通行税だけじゃなかった。廃止された税の一つに物品税があった。やられました。「消費税始まる!」と思って、欲しかったCD、買いだめ(?)したんです。3枚くらい。そうしたら実は「CDって物品税10%かかってました」。3200円のCDが、3000円切ってしまったんです、当時。アナログレコードもそうだった。大ショック。

3%→5%の時、税額で言うと1.66倍。
5%→8%の時には、税額で言うと1.6倍。
8%→10%では、1.25倍。

ただ、5%→8%の時、それまで「5%税込で200円」だったお惣菜が「216円」になったりして、実際材料費が上がっているにしても、これはいくら何でも、と思う「同時値上げ」なんかもあった。しかしその時に「税別価格表示」を認めてしまって、今では税別表示が浸透。今回、同じ手は使えない。

物価が上がっている、特に素材が上がっている。人件費、最低賃金の改定と人手不足が同時に来ている。みんな本心では値上げをしたい。でもそれでお客さんが減るのは怖い。街中の景況感は良くない。「このタイミングで消費税増税で景気真っ逆さまにしてどうする」みたいな意見は多い。

でも、デフレで物価が上がらない、2%の物価上昇率も達成できない、と嘆いている今、私たちは結構幸せなんじゃないか?と思う。すき家に行けば350円で腹いっぱい牛丼が食べられる時代、それが今。ヨーロッパでランチを頼むと、軽食で10ユーロとか珍しくない(今、1ユーロ117円くらい)ご時世に、食料を輸入に大いに依存していながら牛丼350円が実現出来る背景には、1ドル106円という円高の威力が大きいと思う。牛丼だけじゃない。ユニクロのポロシャツなんて、あんなに良く出来ているのに1990円?海外ブランドの数分の一。そりゃ確かにユニクロは「高級ブランド」とは言えないけれど、少なくとも私には「充分な品質の製品を安く売っている」ように見える。

いつのことになるとは判断が付かないけれど、将来、日本円はもっと安くなって、同時に世界の物価はもっと上昇すると思う。1ドル150~200円くらいは行くんじゃないでしょうか?まあそうなったら製造業は笑いが止まらんのでしょうが、庶民生活がきつくなるのは覚悟した方がよさげ。

物価に関しては新興国の台頭による資源や食料の需要増による世界的な物価上昇がありそう。でも円安には別の要因、忘れちゃいませんか?国の借金1000兆円。

日本国債は、日本人が日本円で銀行に預けている資金がほとんどだから安心、と、誰が言い出したのか分からないけれど、将来もそうなんでしょうか?
高齢化して預金を取り崩す人が増えるであろう、そして、少子化と「高給取り」の不要化(ロボットとかAIとか)、中流階層の没落。ますます預金する人が減るであろう今後、いつまで日本人が(間接的にせよ)日本国債を保持しつづけられるのだろう?いずれ生き馬の目を抜くファンドマネージャに買い叩かれて、気付いたら日本国債を持っているのは外資、どんちゃんやって美味しいところ全部持って行かれて、私たちに残るのは「借金の山」。そして恐怖の「預金封鎖&財産税」という話にならないか?

今、マイナス金利で国債が発行できる背景には、一つには世界的な利下げ競争という一面もあるけれど、日本政府が「消費税を上げて財政再建の意思を世界に見せた」というのも大きいと思う。

国鉄末期、政治的事情や国民感情に配慮しすぎて国鉄運賃を無理矢理安くし続けて、結局我慢も限界ということになって、1975年に32%、1976年に50%の値上げをして、まあそれだけが原因ではないにせよ「国鉄離れ」に拍車をかけて国鉄財政は却って悪化してしまった(という説「も」ある)。

それとこれとはちゃうやろ、と言われたら反論できないですけど、その例を思うと、消費税、10年も無理して国の借金増やし続けたら、限界が来て「すんません、次回の消費税増税は10%→30%にします」とかいう話になりかねないのでは?固定資産税の増税とか、高額所得者の所得税増税、相続税の増税なんかも同時に進めれば、こと消費税に関しては、もう少し低く抑えられるかも知れないけれど、そううまく行くかどうか。

そうか、インフレや増税に耐えられるよう今のうちに財産を逃がしておけばいいのか!と言っても、人口減少の局面で不動産投げ売り、世界情勢は混沌、金価格は既に歴史的な高水準。一体どこに逃がせば良いのでしょうか?。
私、ある意味、貧乏で良かった。逃がすも逃がさないも、資産、ない。その代わり一生働かないといけない。でも働けば何とかなる、かも。じゃあ100歳まで働けるのか?というと、それはまた別の話。

人生100年時代、女性は半数が90歳を超えるようになる、と言われていますが、それ、どこまで信じていいのでしょうか?今の医療技術がさらに進化して、難しい病気を治療する技術は登場してくるとは思う。けれど、それを「国民全員が享受できるか?」というと、どうなんだろう?今はかなり高い薬でも健保が効いたりしますが、この状況がいつまで続けられるのだろう?高度な医療技術が実現しても、それが(貧乏な)自分に適用して貰えるかどうか、将来的なことまで含めてみると難しいんじゃないかと。そうしたら人生100年ってめちゃめちゃハードルが上がる。下手すりゃ今より厳しいかも知れない。そういう訳で、幸か不幸か「死ぬまで働く」は、実現できるかもしれない。

30年後の日本って、古代ギリシャや中世ポルトガルみたいに「そういえばそんな国が栄えていたなあ」なんて話になってしまわないよう、財務官僚の皆様には、本当に頑張っていただきたいと思っております。

なんて考えていたら、消費税10%なんて大した話じゃないような気がしてきた。今、うち、免税事業者。でも、いつまでもこの立場に甘んじていないで、2023年以降もきっちり消費税を転嫁できる課税事業者に転換することを考えた方がいいかな、と思う今日この頃です。などと書くと「お前は財務官僚のポチか?」とか問い詰められそうだけど、財務省に知り合いなんて居ません。ただ、現実的に考えたら、やっぱりそうなるんじゃないかなあ、と。

したたかに生きていかないと。

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