この記事はGYOMUハック/業務ハック Advent Calendar 2019の3日目の記事です。

今年に入ってから、NPO業務ハック勉強会を2回実施しました。
業務ハックという言葉自体は、GYOMU Hackers Guildのイベントに参加したときにピンときて拝借しました。
そして勉強会を通してNPOにも業務ハックって重要だよね。ってことに気づきました。
今回はそのことを記事にしていこうと思います。

▼業務ハックとは？
社内SEやBPR、ITコンサルなどビジネス要件に対して社内のシステム構築・業務改善・課題解決を行う人たちの総称です。業務ハックとも言われますね。
http://mirygoaround.hatenablog.com/entry/2019/03/14/164801

NPO法人って何？

▼NPO法人とは？
"ボランティア活動をはじめとする市民の自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進することを目的"とした法人です。

▼特定非営利活動とは？
"不特定かつ多数のものの利益に寄与することを目的"とした活動です。
https://www.npo-homepage.go.jp/about/npo-kisochishiki/nposeido-gaiyou

感覚的に「社会課題の解決を目的とした法人」が多いです。

NPOの財務モデルとシステム投資

株式会社の目的が「利益の拡大」だとしたら、NPO法人の目的は「社会課題の解決」です。株式会社は、投資家が利益のために資金を投じますが、NPOは寄付がメインになります。寄付者には直接的なリターンがないので、資金集めは難航します。
また、システム改善するにしても大きな利益を生めない性質があります。

株式会社は資金調達の手段も豊富で、システム投資のための費用も捻出できます。そして、株式会社の目的上システム投資で「利益」が生まれやすい性質があります。

一方でNPOは資金調達の手段が少ない上に、NPO法人の目的が「社会課題の解決」であるため、利益が生まれにくい性質があります。

まぁ、要するに社会課題を解決したいのに、お金もなければ、システム投資に十分なお金を投入できない。しかもシステム投資をしてもお金を生みにくいという問題があるわけです…

社会課題解決にひたむきに向き合うために

さて、本来NPO法人がリソースをかけるべきは「社会課題の解決」だとしたときに、実際にどのくらいリソースをかけられているのでしょうか？

管理部門の工数は財務諸表を見ればわかりやすいですが、現場はどうでしょうか。
現場のスタッフも事務業務をします。
受益者の活動情報を入れ、成果が出ているか分析もします。

そのあたり実際結構な工数がかかっていると思います。
なぜなら専用のシステムが入っていないことが多く、アナログ対応がほとんどだからです。

そしてもうひとつ、現場は現場で手がいっぱいなので、業務改善・課題解決に対してもあまりリソースをかけられていないのが実態です。

これらを解決するのに、まさに「業務ハック」が必要になってくると思います。

業務ハックを通して、
・事務業務や管理部門の仕事を効率化・削減し、より必要な場所にヒトモノカネといったリソースを割り当てること。
・システム間の連携をすることにより、事業の成果や、財務の結果をスピーディに情報収集/レポーティングすること。
・業務プロセスを見直すことによって、現場の業務を改善し、社会課題に向き合う時間を増やすこと。
などなど多くのことが実現できます。

そして業務ハックの成果は、社会課題解決までの時間を縮めることにつながると思っています。

おわりに

NPO業界では、STO（Social technology Officer）を創出しようという動きがあります。
STOには社会課題を直接的に解決するテクノロジーの提案が求められる役割もありますが、業務ハック的な役割も求められています。

こういった動きがあることからもNPO業界にも業務ハックが必要になってきていることがわかります。

NPOでは小さな業務ハックから、社会課題に影響を与える業務ハックまでできることがたくさんあります。未開拓領域が多いので本当に面白いです。

もし興味があればTwitterなどでご連絡ください。一緒に楽しみましょう！

また、NPOでなくてもこれから業務ハッカーは増えていって欲しいです。コミュニティに参加して思ったのは、「自分でもやれるかも？」だけではなく、「頑張るぞー！」的なモチベーションにつながったからです。
興味がある方はGYOMU Hackers Guildに！そしてそこでお会いできること楽しみにしています。