見出し画像

What’s the 前線

今年1月の1st single 「Blur」リリースから約半年。
2枚目のデジタルシングルとなる「前線」をリリースした伊々坂友秋。
自身が22〜23歳にかけて経験した世界放浪のビデオを載せたMVを発表した本シングル「前線」に込めた思いを掘り下げていく。

インタビュアー:大鷹守

ーー2枚目のデジタルシングル「前線」は、前回のBlurとは少し違った雰囲気の曲になりましたね。

(伊々坂):曲の元となるアイデアはBlurをリリースした頃にはありました。ただその時にはセカンドシングルにするつもりは無く、アイデアとして取っておいただけだったんです。

ーー何がきっかけで、この曲をセカンドシングルにしようと思ったのですか?

(伊々坂):今年の春頃に周りの人から「本当はしたい事があるんだけど、色んな理由があって実行するか迷う」、「こういうのやってみたいんだけどどう思う?」みたいな内容の相談を何人からか受けたタイミングがあって。
その話の内容が世界放浪に出る前であったり、本格的に音楽活動をする前の自分に重なる部分があるなって思ったんです。
皆の話を聞いていても、色々懸念はあるけどやってみたい気持ちが大前提にあるのはすごく伝わってきていて。
その時に、ベタですけどその気持ちを後押しできる曲をリリースするのがいいかなと思いました。

ーー決断という意味では前回のBlurに繋がる所がありますね。

(伊々坂):そうですね。他の理由としては、解放というか、、、。
パンデミックも落ち着いてきたタイミングだったので、最後には解き放たれるサウンドの曲にしたいなという気持ちもありました。
あとは、ノエルがeasy now発表してくれた事の影響もあると思います。「そういう曲出すよね〜そうだよね〜」って笑

ーー決断だったり解放だったりというのが、タイトルの「前線」にも表れてるわけですか。

(伊々坂):そうなんですけど、ポジティブに前に進むという意味が第1ミーニングじゃないんです。
簡単にいうと、寒気と暖気が交わる線という意味での前線がタイトルの主になっています。
なんとなく暖気は赤、寒気は青のイメージがあって、赤はポジティブ、青はネガティブっていう感覚があると思うんです。
その二つが交わる線、暖気と寒気のどっちに向かうのかの境目で迷っている時点に、タイトルでも焦点を当てています。
その上で二つ目の意味として、前とかポジティブの意味が、三つ目で「善戦」つまり、よくやってるねって意味での前線を含んでいるイメージです。僕の中では。

ーートリプルミーニングみたいな感じなんですね。MVでは以前からライブのMC言っていた世界放浪時の動画が使われていますね。

(伊々坂):そうですね。logicで曲のアレンジをしている時に、この曲には世界放浪の動画を当ててみようと思いました。
8ヶ月の世界放浪って僕の人生でも本当に大きな経験で、比較的大きな犠牲を払う代わりに得る事ができた本当にいい経験だったんです。
何か決断してやってみて、かけがえの無いないものになった初めての経験だったので、この曲に世界放浪のビデオを当ててみようと思いました。

ーー今回も楽曲アレンジは自分でやられたんですか?

(伊々坂):はい、前回と同様アレンジまで自分で仕上げました。今回は、ベースを前作に引き続き榎本高さんに弾いて頂き、レコーディングエンジニアにも、引き続き岩瀬聡志さんにご協力頂きました。
ギターは自分で弾いて、その他の楽器は全て自分のlogic上で入れました。

ーー楽曲のアレンジ面でこだわったところはどこでしょうか?

(伊々坂):歌詞の内容について考えた時に、曲中でもリアルな実生活でも、前に進みきれない場面って出てくると思うんですよ。
昨日までは「よし!!やるか!」っていう熱量があったのに、一晩寝ると熱が冷めるみたいな。それは大きなことじゃなくても、例えば健康のためにランニング始めよう!って思っても、面倒だからやっぱりやらないみたい事でもいいんです。
進みきれなくてまた元の場所に戻る感覚を曲中のキー変更で表してみました。1番サビで盛り上がっても2番Aメロでまた元に戻る。でも曲の最後はしっかり行ききってるみたいな。
元々は同じキーで進んでいた曲だったんですけど、歌詞を書き直した時に変えました。
演奏とミックスでこの表現にさらに厚みを与えてくれた榎本さんと岩瀬さんには本当に感謝しています。

ーー改めて今回の初MV、良い感じに仕上がっていますね。オリジナリティが感じられます。

(伊々坂):ありがとうございます。ただ世界放浪の動画をつけるだけでは作品として薄いものになってしまう感じがしたので、頭とお尻に今のリアルな生活の映像をつけてみました。本当のバイト帰りに撮影してもらったもので、カメラマンもバイト先のスタッフに撮影してもらいました。
撮影はスムーズで、大体の作品の意図と、こういうカットが欲しいとだけ伝えてあとはすごくセンスのある二人だったので安心して撮影に臨めました。

ーーそうだったんですね。その素材を使って編集したと。

(伊々坂):はい。誰かに頼むお金もコネもないので自分で編集しました(笑)。
とは言っても、良い感じにカットしていく感じで、特に難しいことはしてないんですけどね。

ーーMVの世界放浪シーン、各シーンで何が起きていたのかエピソードも聞いてみたいと思いました。

(伊々坂):本当ですか!需要がありそうなら生配信か投稿か何かでシリーズ化していこうかな(笑)。旅の話聞きたい!という方いましたらYouTubeのMVコメント欄に書いてください(笑)。
でも僕の旅は本当に濃くて人に恵まれた旅だったので、面白い話は沢山ありますよ!

ーー私もいつかインタビューしたいと思います。では最後に一言お願いします。

(伊々坂):今回の前線で何か前向きな気持ちになってくれれば嬉しいです。そしてMVを見て、こんな旅してたんだなって僕のことを知って貰えるとそちらも嬉しいです!
沢山見て、聴いてください!

ーー次のシングルも楽しみにしています。今日はありがとうございました。

(伊々坂):ありがとうございました!


伊々坂友秋/前線

インタビュアー:大鷹守

(プロフィール)
大鷹守:1990年生まれ
大学卒業後、音楽雑誌の出版者に勤めた後フリーの音楽ライターとして活動。
伊々坂友秋のイマジナリーフリーライター。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?