ユーチューブ広告と現在のテレビ

 ユーチューブ広告のヒドさは何度も書いてきたが、当初は広告規制を設けるべきだと思っていた。
 しかし見ていると「この動画の下のボタンを押さないと、キャンペーンが終わってしまいます」とか、「ひとりでも多くの人にこの発毛剤の効果を知ってもらいたいので、何と95%引きでご提供」とか、何度でも出て来る「この動画を観た方だけのキャンペーン」とか、信じがたいモノがあまりに多い。
 いくら国民の殆どがバカだとしても、こんなインチキに引っかかるヤツは居ないだろう、というモノばかりだ。

 ユーチューブの商売としては、広告費で稼ぐと共にプレミアム会員を増やして毎月安定した収入を確保したいはずである。
 プレミアム会員は、この「ウンザリする広告を見たくない」人間で構成されている。ならば「反吐が出るような広告を大量に挿入すれば、黙っていても増える」ことになる。
 この荒唐無稽な広告は、ユーチューブ自身が作っているとしか思えない。あんなフザケタ広告で商売になるのなら、日本は既に「民度ゼロ」に落ちていて救いようが無い。

 で、ユーチューブにウンザリしてテレビを点けると別種のヒドさに溢れている。ニュースもマトモに流さずに、Eテレも含めた全局がオリンピック中継である。
 アナウンサーは発狂したかのように絶叫し、レポーターも競技を終えた選手にワンパターンの「感動を教えてくれ」インタビューしかしない。友人の投稿で初めて表彰式を見たら、各国国旗掲揚場面で何故か自衛隊員が整列している。
 これが現在の日本の権力者が望んでいる姿だ。

 愚かな国民がドーデも良いようなスポーツに熱狂し、メダルと日の丸の登場に喜ぶ。
 愚民化政策というよりも、国民をバカにし切っている。2020東京大会の目的は臨海副都心の活用である。

 1995年に青島都知事により「世界都市博覧会」が中止された。フジテレビが移転したり、東京ビックサイトが作られたりしたが、その他は荒れ地であった。
 その「荒れ地」に水泳施設など多くの競技場が建設された。既に膨大な予算が投入され、大会後は維持するのに高額のメンテナンス費が必要になる。
 無観客開催なので観覧席など要らなかったが、仮設で組まれ解体されていく。

 国立競技場ではボランティアが居ないので大量の弁当がその日のうちに廃棄されていく。デンツーのOBが「誰がどのように手渡し、告知はどうするのか?」などと寝惚けたことを言っていたが、そんなレベルの数量ではなく、組織委がその場しのぎで無駄を積み上げているので、最初から間違っている。

 コロナの新規感染者数は倍々ゲームで増加している。オリパラ終了後は地獄が待っている。

 ユーチューブ広告以下の「サイテーな現実」が進行するニッポンである。


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