『レオン』な夜

 宣言解除後の風景が見たくてテレビを流していた。無意味な自粛だったので、ヒトが街に繰り出すのは当然である。
 しかしアナウンサーなどのコメントが不愉快である。「自粛要請でしかないのに、キチンと対応した日本人はスゴイ」とか、バカも休み休み言え、と腹が立った。
 奴隷根性が染み付いているだけである。以前、三浦カズあたりが「日本人のスゴさを見せてやろうじゃないか」と発言したのは許容できる。スポーツ選手など、しょせんバカだから構わない。
 なぜいちいち「日本のスゴさ」に触れなくては気が済まないのか。日本人など、どこにでもいる島国の住人である。その地理的特性と歴史によって形成された国民性くらいは持っている。
 安倍晋三が「解除会見」で語った「日本スタイル」など、政府は何もせず、国民がアタマを丸めて引き籠っていたら、この程度で収まった、というだけの話である。
 検察の処分が生ぬるい、とかもうドーデも良い。安倍晋三を筆頭にした現在の権力層を追い落とさないと、何も変わらない。
 まず手始めは7月の都知事選だ。小池百合子は安倍以上のファシストである。
 宇都宮健児が立候補を表明した。彼はサラ金武富士と戦った弁護士で、武富士サイドの顧問弁護士が現在の大阪府知事の吉村である。「維新の会」など、自民党以上に悪どい利権屋集団のハキダメに過ぎない。
 しかし、東京都は人口が多いので著名人しか戦えない。石原慎太郎、猪瀬直樹、舛添要一、小池百合子というメンバーを見れば分かる。
 N国党の立花が勝手に「ホリエモン新党」を申請して選管には受理されたらしい。ホリエモン自身は、タヌキに対して「オマエ、選挙運動を独占したくて、解除にステップを付けただろう」とケンカを売っているが、立候補は明言していない。N国の立花が悪質すぎるせいもあるが、都知事選にはカネが掛かる。
 安倍と小池では、カップラーメン戦争にしかならないが、小池とホリエモンなら「みどりのタヌキvs太ったタヌキ」の令和・狸合戦になる。
 小池の選挙戦は、都の「ステイホーム要請コマーシャル」にみずから登場するなど着々と進められている。
 いまや「解除を進めた功労者は自分である」とばかりに、呼ばれてもいないのにデシャバッテいる。
 「都民ファーストの会」などもはや死に体で自民党・東京都連に吸収合併されそうだが、タヌキ本人は健在である。コイツは「希望の党」で野党を騙して分断した、安倍政権・別動隊の役割を全うしている。
 都知事選の投票日は7月5日(日)なので、すでに選挙戦が始まっている。宣言解除ステップ論で他候補の選挙活動を縛りながら、タヌキが独走態勢に入っている。
 この短期間で戦えるのは、知名度のある人間に限られる。山本太郎は衆院選での国政があるので、まあ悩ましい。
 ネット選挙を前提にして小泉今日子あたりに出てほしいが、その気は無いだろうなあ。
 解除後の風景がツマラナイので、DVDで『レオン』を観ていた。
 全身にダイナマイトを巻き付けて、タヌキを「一人必殺」するテロリストは居ないのだろうか。

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