誰とも重ねない朝

国道を走る まばらな車の音
まだ眠っている隣室から聞こえる 間抜けな寝息
走り抜けるバイクは 新聞配達ではない
曇りの日に似た あわい朝

ふと目覚めて ぬくぬくとした布団からするりと出る
観葉植物に葉水をシュッシュして
お湯が沸くのを待つ間に窓をあけよう
朝一番の空気を丸ごと部屋に呼びこんで今日を始める

氷に落とす珈琲の香り
珍しく早起きの日は、少し何か読んでみようか

おはようと 誰にも言わない朝だけど
そっと始まる今日よ おはよう

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