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April

ああ、本当にこれで終わりなんだな。四月の晴れた空の下で聴くチバの声はやっぱりカッコよくて、もう新しいメロディーが生まれることはないんだっていう事実を受け止めるのは、やっぱり辛い。
 
中学生の娘と、大好きなミュージシャンがいなくなってしまうのは哀しいよね、というような話をした。娘は最近気に入ってよく聴いているボカロPさんで、存在を知ったときには既に亡くなっていた、という人がいるらしい。いつもYouTubeで好きな曲を聴くんだけど、コメント欄に「ご冥福をお祈りします」とか「安らかに眠ってください」みたいな言葉が並んでいて、気持ちはわかるけどなんか嫌だ、好きな曲だからもっと楽しい気持ちで聴きたいのに、そういう言葉を見ると悲しくなる、だからなるべく見ないで曲だけを聴くようにしてる、そんな娘の言葉を聞いて、ああそうだな、と思った。チバだっていつまでもしみったれた面で自分の曲を聴かれてたら鬱陶しいだろう。あの日空いてしまった穴は今でも埋まらないのだけど、もう埋まらなくてもいいや。大好きな曲が山ほどあるんだから。遺されたロックンロールをずっと響かせていこう。悲しみはもう、捨てていいよ、チバもそう歌ってたし。そんなことを考えた四月最初の週末だった。




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