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キラキラな着付師さんからもらった、お花のような言葉

少し前に着物を着る機会があり、美容室で着付けをお願いしたのですが、その時にお世話になった着付師さんのお話が素敵だったので、忘れないうちに書き残しておこうと思います。

今日は少しお話してみることにした

着付けスタート後の着付師さんとの会話は、その時々で場所も人も違えどいつも何となく似ている。その日の天気の話から始まり、私が「着付け習ってたんですけど自分で着るのはブランクもあってやっぱり難しくて〜」と言って、着付けの話が一瞬膨らんで、他には「きつすぎないですか?」「大丈夫です」といった着付け上の会話が時々あっておしまい。

その日も、天気の話、私が着付けを習っていた話と続いて、いつものように終わりそうになったのだけど、今の自分がキャリアの岐路というか過渡期にあるからか、色々な人(特に女性)の働き方や、なぜその仕事を選んだのかに興味があるので、その方の醸し出す話しやすい雰囲気にも後押しされ、思い切って色々お話を聞いてみることにした。

「着付けのお仕事は、何かきっかけがあって始められたんですか?」

「楽しいことしかしたくないので♡」

お話によると、元々着付けは習い事として習っていたものの、しばらくはそれを活用する機会の少ない日々が続いた。そんな時、保育士をしている娘さんやその同僚の方が仕事で出席する卒園式のために、沢山の人に着付けをしてあげたのをきっかけに、他装(自分以外の人に着付けをすること)の楽しさに目覚めた。そして、元々花屋さんで働いていた期間が長かったけれど、このことをきっかけに着付けの仕事も始めた、とのこと。

「着付けの仕事をしてる人はパートとの掛け持ちの方もいるけど、私はお花も好きだから、お花屋さんと掛け持ちしてるんです。そういう人はちょっと珍しいかも。」と。

私もお花も着物も好きなので、「へえ〜いいですね〜!」と興奮気味に言うと、

「お花屋さんも着付けもそうだけど、私はお祝いに関わるのが好きみたいで。それでどっちもやってます。楽しいことしかしたくないので♡」と。

のちに会話の流れの中でお年を教えてくださり、私の親と同じくらいの方だったけれど、「楽しいことしかしたくない」と言ったその目は子どものようにキラキラしていたし、語尾にはかわいいハートがついていた。

「手を止めなければ見つかる」

自分が今の親の年齢になってキラキラと好きなことをしているなんて、今でこそそういう理想はうっすらとあるけれど、少し前まではかけらも想像していなかったので、自分にはとても眩しく映った。けれど、目の前でキラキラと話す着付師さんから少しキラキラした気持ちを分けてもらえたのか、不思議と自分にもできるんじゃないかという気もした。

そんな2つの気持ちで「そんな風に好きなことをして生きるのってすごくいいですね。理想です…!」と、今の自分は好きなことを仕事にするために色々なことを勉強中だという話、何にでもなりうる状態だという話を添えて言った。すると、

「私も色々やってみたけど、手を止めなければ見つかりますよ。」

と言ってくれた。今大事にしたい言葉だし、ずっと大事にしていきたい言葉だと思った。

今の自分は、理想の仕事と働き方に辿り着くために模索している。お金になるかは一旦は考えず、興味のある色々なことに飛び込んだり、何かを始め続けてみたりしている(このnoteもそう)。ただ、これだというものはまだ見つかっていないので、今はこういう時期なのだと冷静に捉えつつも、たまに心もとない気持ちにもなる。

だから、今色々なことにチャレンジし継続してみている自分の先に、この着付師さんのようにキラキラした自分がいるのかも、いや、いるのだろうと思えて、そして、なんだか未来のキラキラした自分がもう祝福され、お花をもらっているような気持ちになって、すごく心強かったしうれしかった。

自分もこれからこんな風に、「楽しいことしかしたくなくてやってます♡」と言えて、頑張っている人や迷っている人の未来を祝福できるような存在になりたいな。

あの時の着付師さん、お別れ際にも言いましたが、とっても楽しくて元気が出る時間でした。ありがとうございました♡





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