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『UMAJOに魔法をかけられて』〜プロローグ〜 イカる競馬小説

真冬と言う言葉がふさわしい1月末
コンビニエンスストアの前に
1人のスーツ姿の男が立っていた

そのビジネスマンのような男は
何やら深呼吸を何度もしながら
店に入ろうとはしなかった


邪魔だったのでビジネスマンを
よけて俺はコンビニに入った


入り際、ビジネスマンを見たが
俺には気付いちゃいない
まったく迷惑な野朗だ

俺が真っ先に行くのは決まって雑誌コーナー
『おっ!あったあった!』
お目当て雑誌を手に取りレジに向かおうとすると


入り口の扉が開き


さっきのビジネスマンが店内に入ってきた


ビジネスマンは俺とレジの間に無理やり
割り込むように入ってきた


強引な割り込みにムカっとしたが
イライラは運気が落ちる‥
怒らない怒らない‥

俺は小さな深呼吸でイライラを抑えた‥
横入りビジネスマンは胸をドンドン叩きながらまた深い深呼吸をしていた


そして、そいつは何やらスーツの内ポケットから名刺を取り出し


店員からマジックを借り、名刺に何か書き込んでいた


なんでもいいから、とりあえず何も買わないならどけて欲しかった


すると、商品の棚入れをしていた無表情な店員が俺に気が付き隣のレジを開けてくた
おかげでやっとお目当ての雑誌を購入する事ができた


「さぁ!コイツで勉強して!今日のシルクロードステークスの負けを取り返すぞ!」


俺は気合を入れ
お気に入りの赤い帽子を
深く被り直しコンビニを出た


この時の俺の
気合いが入った顔はおそらく
さっきのビジネスマンのような
顔をしてただろうな

例えて言うならば‥

そう‥

"一世一代の大勝負の顔"

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