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シンセを用いた音作り入門 ITC 部誌 vol.1


はじめに

こんにちは。
この記事では、初心者向けにシンセの概要と音作りの実例・その使用例を紹介します。少しでも参考になれば。
また、基本的にはフリーのシンセサイザー「Vital」を使って説明します。
持ってない人は即ダウンロードしておきましょう。

図0 フリーシンセ「Vital」

Vitalのダウンロードリンク → https://vital.audio

シンセサイザーとは

楽器の一種です。あーだこーだ弄ると自分の欲しい電子音を出せます。最近はシンセで生楽器を高解像度に再現する人もいます。すげ〜!!!(正直高度すぎてキ○い)
まずはどんな音が出るか聞いてみましょう。

シンセ主体の楽曲例

①HiTECH

②謎ジャンル

③Techcore(?)

④謎ジャンル2

シンセを用いた音作りの概要

シンセサイザーでは、基本的な波形(sin波、saw波など)からフィルター・エフェクターを用いて自分好みの音を作ることができます。

図1 音作りのイメージ

例を見てみましょう。

図2 ベースサウンドの設定例

以下のように、 「元の波形→フィルター→FX」 という順に音作りをしています。

図3 元の波形が出るとこ(OSC)
図4 フィルター
図5 FX達

基本的な用語解説

・OSC
・ENV
・ADSR
・LFO
・EQ
・FILTER各種
・MACRO
以上4つを説明します。

・OSC
先ほど記述した、「元の波形」が出るところをOSC(オシレーター)と言います。

図6 OSC

中学物理でやったと思いますが、我々が普段聴いている音は基本振動(sin波)とそのn倍の振動(倍音)が連なってできています。
OSCでは、基本的なsin波、saw波(画像はこれです)、pusle波…などを出せるほか、倍音の取り方によって無限に波形を作り出し音を出すことが可能です。

・ENV
ENVでエンベロープといいます。ここでは、発音の仕方を決定できます。
横軸時間(秒)、縦軸音量(の倍率)です。
例えば、図7の、図8などに設定できます。

図7 ENVの設定例(プラックサウンド)
図8 ENVの設定例(設定なし)


・ADSR
其々、Attack, Decay, Sustain, Release の略です。
横軸t(秒)、縦軸音量(の倍率)として、以下の図のように理解できます。

図9 ADSRの図解
図10 Vitalでの例

まあ、最悪シンセを動かしてればなんとなく分かります。

・LFO
Low Frequency Modulation の略です。自動でパラメータが変化するように設定したい場合に使います。
シンセのほとんどのパラメータに割り当てることができます。
モードがいくつかあり、大体TRGモード、ENVモード、SYNC(OFF)モードがあるかと思います。
VitalでのLFOの挙動は以下のようです。

・EQ
イコライザです。音の倍音(周波数帯域)をピンポイントで修正・変更できるツールです。

図11 FL Studioに付属してるEQ
図12 Ozone EQ

・FILTER
フィルターです。EQのように周波数帯域を操作できるのですが、EQで設定するのには面倒で複雑なアレを設定します。EQをシンプルにした感じです。
シンプルにすることで、LFOやマクロを設定しやすくなってます。すげ〜

図13  VitalのFlg+フィルター 見た目がキモい
図14 Vitalのハイパスフィルター

また、フィルターにはいくつか種類があります。
例えば、LP(ローパスフィルター), HP(ハイパスフィルター), BP(バンドパスフィルター), NF(ノッチフィルター)…などなど、まあ色々ありますが全部試してみてください。

・MACRO 
LFOの手動Ver.です。また、MACROにはオートメーションが描けます。

シンセのレシピ

結局シンセは覚えゲーなんで、どこを弄ったらどういうニュアンスが出るかは覚えていくしかないです。積極的に弄って自分の中で「ここ弄ればこういうニュアンス」という積み重ねをしましょう。
YouTubeで調べれば、グロウルベースでも、プラックサウンドでも、特定のアーティストが出してる音を再現しているものでも大体は作り方が載ってるので調べてみてください。
自分の作っているシンセとは別のシンセでも、参考にできることはあることが多いですよ。

Tips : サウンド別調べ方

・作りたい音がない → LOBOTIX 日本語で解説してくれてます
・グロウルベース → Au5, Virtual Riot
・Mameyudoufuっぽい音 → Mameyudoufuのチャンネルにプロジェクト解剖会あります
・カラべで使われてる音 → How to colour bass で調べるとRushDownのKeroさんが解説してます
・Neuro Bass → Alckemy neuro 
・FM系ベースサウンド → RocketPoweredSound, MOONBOY

・コードシンセ

図15 コードシンセの例

・波形はInit(デフォ)
・UNISON を12x, 46%くらい。好みに変更しましょう
・FIlterの右側のスライダ(Resonance)を下げとく
下のスライダにLFOをドラッグ&ドロップしてアサイン
マクロも同じとこにアサインしときましょう
・LFOの設定はトリガーモード、テンポは8分くらいでいいです
・上のメニューから「EFFECTS」に行き、お好みにエフェクターかけましょう。

・パルス(?)

図16 Pulse bass

ハードベースの一種(?)。LOBOTIXさんか誰かがYouTube Shortsでやっていたやつです。パッチ↓

・グロウルベース

最初からOSCの波形を凝り始める人が多い印象ですが、倍音をたくさん含んでいる波形であればなんでも良いです。
グロウルベースのうにょうにょしたニュアンスは図17のようなレゾナンス多めのハイパスフィルターをLFOで動かすことで得られます。

図17 CUTOFFにLFOを割り当てている

例(Serumという別シンセなのでVitalでは読み込めないです)

・嘘NeuroBass

リースベースに近いNeuroBassです。音ゲーで使われがち。
リースベース(デチューンのかかったリードシンセの低域を流すやつ)にLFOをアサインしたNotchフィルターを掛ければ嘘NeuroBassのニュアンスになります。
(本当のNeuroBassは歪ませてフィルターかけてを繰り返します。詳しくはAlckemy neuroさんのチャンネルへ)

図18 FREQにLFOを割り当てている

余談 一応この嘘NeuroBassでもNEURO NATIONというNeuro系ジャンルを集めたアルバムに受かりました。嘘も極めれば本当に化けます(?)。

↑ この中に入っているnuneという曲がそれです。


著者は誰?どういう人?

ikarun という人が書いてます。ITCの部長らしい。
一応ボカロPです(ボカロ曲作れ)。

SoundCloud

経歴

・2020 Takumi³に曲を奇跡的に入れてもらえる
・2020 全国高等学校選抜ロックフェス 銀賞
・2021 同大会 入賞
・2022 U20全国オンライン音楽コンテスト 金賞
・2023 Refractal "NEURO NATION 01" から"nune"リリース
・2023 from00「ANOTOPIA」にてメジャーデビュー
・2023 Astrantia "Astrantia vol.01" から"Settling Life"リリース

Twitter (X)

フォロワー1000人記念のサンプル・SerumPresetsパックも出してるのでよければ。


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