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農家として暮らすこと~はじめてのWWOOF~/NZワーホリ🇳🇿【22週目】

 どうもニュージーランドでワーキングホリデーをしているのすけです。先週の15日から23日までの9日間、WWOOFというサービスを使って、ニュージーランドにいる方の家に滞在してきました。その日々を振り返っていきたいと思います。
 こちらの記事では、農家として過ごした体験と、それをもとに感じたことを最後にまとめていきます。次回の記事では、今回のホストの方と過ごして思ったことを書いていきます。とっても学びある良い経験ができたので、ぜひ前編・後編共に読んでいただけたら嬉しいです。


そもそもWWOOFとは?

農業に携わるお仕事をしている人や、農家さんがホスト。
そのホストをお手伝いする形でお家に泊まらせてもらったり、食事の提供を受けたりするゲスト(または、WWOOFerウーファー)。
ホストとゲストが繋がって、何日間か共に暮らす体験ができるサイト、サービスをWWOOFといいます。

WWOOF(ウーフ)とは、World Wide Opportunities on Organic Farmsの略で、「世界に広がる有機農場での機会」という意味です。

有機農場を核とするホストと、そこで手伝いたい・学びたいと思っている人とをつなぐサービスで、お金のやり取りではなく「食事・宿泊場所」と「力」と「知識・経験」の交換で成立する仕組みです。

有機農業を営み「食事・宿泊場所」を提供する側を“ホスト”、そこを訪れ「力」を提供する旅人側を“WWOFFer(ウーファー)”と呼びます。

サスタビ
https://sustabi.com/blog/5156/

WWOOFには、年間約25NZ$を支払えば、1年間の中でいつでもホストとやり取りをして、体験をすることができます。サイトはこちらから。

ちなみに日本国内でも、WWOOFは体験できます。

今回の体験

11月後半はWWOOFを体験しようと決めて、10月後半からホストの方を探していました。その中で、以前ホスト側からメッセージをくれていたことを思い出し、その方の住んでいる地域を一度確認しました。

場所は、南島の北部・Nelsonという街付近ということが判明して、丁度南島に行くタイミングで体験しようと決めて、コンタクトを取りました。
1週間ぐらいの滞在を希望していたのですが、ホストの意向もあって2週間の滞在が決まりました。11/15~11/30の15日間、そのホストのお家に行くことが10月終わりに決まりました。

ホストの方は、70代のおじいちゃんとおばあちゃんの二人で住まれているお家で、フランスから移住された夫婦でした。10年以上前に今の土地に引っ越してきて、無農薬の畑で家庭菜園や何種類もの果樹も植えていて、さらにカモを複数羽、ニワトリ1羽、牛3頭も飼育されていました。
基本的に牧畜されている家畜等のお肉は食べず、野菜メインで食されるベジタリアンの方で、たまに食べるお肉はウサギであったりシカのお肉でした。チーズやヨーグルト、さらにリキュールやお酢など自家製で手作りされていました。

お手伝いした仕事は主に畑仕事。
午前中は、8:30~12:30ぐらいまで作業があり、トウモロコシの種蒔き・トマトの誘引・リンゴの間引き・果樹へのマルチ敷き・ガーデン周りの草抜き・野菜全般への水やり・スギの木から大きな枝や小枝を収穫する作業など、本当に毎日色んな作業をしました。
午後は、15:30~18:30ぐらいまで作業をして、午前中の続きと、毎日のルーティーンワークがありました。ルーティーンは、カモたちの餌を補充する・水浴び水飲み場への補給・カモの巣の中にある卵を回収する作業で、これらを行って1日の作業は終わりでした。

トウモロコシの種蒔き
果樹へのマルチ敷き

個人的に、農業は自分で行っていた事もあり、知識と経験を実際に活用する事ができて楽しかったですが、日差しの強いNZで力作業をすることは結構大変でした。さらに、現在春の季節のNZでは花粉が非常に多く、おれ自身も毎日花粉症に悩まされ続けました。

食事の時間では、畑で収穫したお野菜や果実を使って、ごはんをいただきます。
朝は、7:30ぐらいからたくさんのフルーツを食べ、その後チーズをパンに乗せて食べながらコーヒーを飲むまでが、朝ごはんの時間。
昼は、13:30ぐらいからおばあちゃんが作った料理と、またチーズをパンに乗せたものとワインを少しにソルベを食べ、最後にエスプレッソを飲みます。そしてその後、25度前後のリキュールをエスプレッソのカップの3分の1程度飲むまでが、昼ごはんの時間。
夜は、19:30ぐらいからおばあちゃんが作った料理と、自家製のヨーグルトを食べるまでが、夜ご飯の時間。
毎食のご飯プラスでのルーティーンの時間の使い方が、フランスっぽい風を感じて面白かったです。ご飯の食べるスピード自体は、全然ゆっくりじゃなく、むしろガツガツ食べてすぐなくなってしまうのですが、その後のコーヒーを飲んだりちょっとゆっくりする時間が良かったなと思っています。
正直、ベジタリアンすぎる食事にまだわからない自分がいました。オリーブオイルと塩やハーブを使った味付けに、物足りなさを感じることもありました。ただ、お腹が満たされないことはなく、お肉がなくてもお腹は満たされるんだという経験ができました。

リビングとは空間的には繋がっている、ロフトの空間で滞在しました。電波は通っているものの、Wi-Fiは繋がらなかったです。お家には2つバスルームとトイレがあって、片方のバスルームとトイレはゲスト用として、自分一人で使うことができました。
リビングではいつもホームシアターのように、今まで撮った写真をスライドショーでずっと写していたり、パソコンからオペラや昔の洋楽を垂れ流している空間でした。そして、前回Workawayで泊まったホスト同様、シアタールームがあって、たまに仕事終わりに映画を一緒に見たり、ドキュメンタリーを見たりする時間もありました。

Workawayの体験をまとめた記事はこちらから▼

農家として過ごしてみて感じたこと

こんなリアルに農家さんとして暮らしてきた中で、色々と感じたことがありました。その中でも特に強く思ったことをまとめておきたいと思います。

①早く自分で畑をやりたい

やっぱり、自分で自分の畑をやるのが楽しいだろうなと思った。
今回特に、今まで自分が学んできたこと、実践していたことを、ここの畑でもやっていたのをみて、自分のやっていたことは間違っていなかったなと改めて思うことができた。

それに加えて、今までやっていなかった工夫や、やり方に出会えた。
トイレットペーパーの芯やペットボトルを切り抜いて、虫の侵入を防ぐとか、畑の中に木の板を置いて足場にするとか、雨水をあえて溜まるところを作ったり、新しい知識も得ることができた。

自分で考えて、デザインして、野菜育てられたら楽しいだろうな。

②毎日大変すぎる

午前、午後と作業をしたが、とても大変だった。
毎日筋肉痛だし、暑くて体力も奪われる。
それに加えて花粉症。。
(結果的に、この花粉症の症状から脱するためにホストに相談して、15日間から9日間に滞在期間を短縮してもらった。)

自分たちで畑作業をすることは楽しいし、自然と触れられているから、なんだかストレスもなく過ごせる。
ただ、毎日外での作業はとても大変だ。
野菜や果樹は、天候や土地の環境にとても影響を受ける。
だからこそ、少しずつ丁寧に毎日の手入れが必要にもなってくる。
70代のおじいちゃん・おばあちゃんにとって、それはめちゃくちゃハードだろうと思う。
実際、おじいちゃんは後半の3日間ぐらい外で作業ができないぐらい疲れていた。

環境問題やプラスチック問題、家畜の問題、など様々な社会問題に対して疑問を持ち、反対して、自分たちの生活を自分で作っているのは素晴らしいこと。ただそれに対する、生活がとてもとても大変すぎると感じた。
だから、WWOOFerを募集しているんだろうなとも思った。

外での作業をしたら、食事の準備もしないといけない、
チーズ作りもしないといけない、もちろん洗濯や掃除の家事もある。

野菜は美味しいし、外で作業できるのも楽しく、毎日健康的に過ごせる。
それが良いところであるのは間違いないのだが、
実際に数日間生活してみると、この暮らしはめっちゃ大変だとわかった。

③生と死が身近に存在している

初日、早速衝撃的なことを見た。
庭にウサギが数匹死んでいた。
結局何が原因かはわからなかったのだが、たまにウサギが死んでいることはあるようだ。

その後も、カモ用の餌場でスズメが死んでいたのも何回か見た。

”死”をこれほどたくさんみることもあまりない。
結構衝撃的だった。
けれど、よく考えると、自分の食事の周りにはいつも死があると思う。

「いただきます」
と言って、家畜のお肉を食べているし、魚もいただいている。
卵も割って食べているし、牛乳だって飲んでいる。
本当は、野菜も生命だと捉えると、本当にキリがない。

普段当たり前に接しているのに、
なぜか目の前で死を目撃すると、衝撃的に写ってしまった。

後日、鶏肉だと思って食べたお肉が、
実はウサギの肉だった時があった。
チキンだと思って食べ進めていた時は、なんとも感じていなかったそのお肉に対して、何か命をいただいている感を初めて感じた。

もしかしたら、あの時見た、亡くなったウサギだったかもしれない。
そう思うと、有り難く頂きます、と思えた瞬間だった。

だから普段の生活の中で、何かを変えようということにはすぐに繋が理にくいと思う。
でも、この体験をしたからこそ、家畜の問題だったり、漁師さんの声だったり、牧畜産業・漁業産業で存在する問題もなんでそんなに問題だって言っているのか、何となく耳を傾けられる気がしている。
おれはまだまだ肉を食べたいと思うし、魚も食べたい。今はまだどんな行動が取れるかわからないけれど、できることができるようになったら良いな。

後編へ続く

後編では、ホストの方と過ごして感じたことを書いていくので、続きももし良かったら読んでみてください。
Podcastで感想も語っているので、こちらもチェックしてみてください。


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