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【300部突破!】サラリーマンの教科書〜年収1300万円を達成する仕事術〜


こんにちは、おむすび(@omusubiz)です。

年収1300万円のサラリーマンで、外資系コンサルティングファームに勤めています。

この内定通知書を頂き、入社して年収1300万円を達成しました。

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「年収1300万円のサラリーマンってどんな仕事をしているんですか?」

「どうやったらサラリーマンで年収1300万円も稼げるようになるんですか?」


こういった質問がTwitterで寄せられたので、140字では書ききれないと思い、このnoteを公開することにしました。

私は戦略的に年収をアップさせることに成功しました。現在の年収1300万円というのは世間一般的には高収入だと思いますが、特に胸を張って自慢をできるようなものでもないと思っています。

私よりも若くして年収1300万円を達成した人はたくさんいますし、1300万円以上稼いでいる人もたくさんいるので。

ただ、こういった高収入サラリーマンの実態をなかなか知ることができずに、満足のいく収入をもらえていない方も同じようにたくさんいると思います。


このnoteでは、私の過去を隠すことなくお話することで、どのようにして年収1300万円を達成したのかをお伝えします。

その上で、年収1300万円に達成するまでに感じた「サラリーマンという職業を生き、スキルアップし、年収アップさせる」ために重要な思考法と仕事術をお伝えしていきます。

このnoteを読んでいただくことで、あなたの年収をアップさせるために必要な考え方と明日から職場で使える仕事術が身につくでしょう。


多くのサラリーマンは、この思考法と仕事術が身についていないために高収入を達成できていないのです。

年収1300万円を達成するなんて簡単とは言いません。私自身、相当な試行錯誤と経験をしてきました。

でもサラリーマンで高収入を達成することは誰にとっても不可能なことではありません。正しい手法を知って戦略的に仕事をしていけば、自然と達成できることです。

あなたがこのnoteを読んで、明日から年収アップの最短ルートを走り始めることを祈っています。

【このnoteを読んで欲しい人】
・年収をアップさせたいサラリーマン
・効率的に仕事をしたいサラリーマン
・今の会社に不満があるサラリーマン
・これから会社で働き始める人
・業務コンサルの仕事を知りたい人
・おむすびのキャリアに興味がある物好きな人
【このnoteを読んでもあまり参考にならない人】
・パソコンを使った仕事をしていない人
・インセンティブなど歩合制で給料が決まる人
・フリーランスや起業家
・自己啓発系の話が嫌いな人
・おむすびのキャリアに興味がない人


第1章 おむすびの経歴

まず、私が年収1300万円を達成するまでの約12年間の軌跡を事実ベースで簡単にお伝えします。そのところどころで何を思ったのか、ということについては後述します。私の経歴の全体像を最初に掴んでいただければ幸いです。


1-1 新卒でIT企業に就職

私は2007年に都内の無名大学を卒業し、とあるIT関連の日系企業に新卒で入社しました。いわゆるシステムエンジニア(SE)という職業です。

SEの仕事がどういった仕事か簡単に解説しますと、企業が使っているシステム(たとえば勤怠管理システムなど)を導入するプロジェクトに携わり、大きく以下のような作業を経験します。

・どんなシステムにしたいのか社員にヒアリング
・どのように作るのか設計
・実際に作る
・作ったシステムをテスト
・プロジェクト全体を管理

世の中のサラリーマンが仕事で使っているシステムが、どのような流れを経て作られているのかを経験できます。

なお、「実際に作る」という工程は、自分で作ることはほとんどなく、プログラマー(PG)と言われる人が作ります。SEはPGの作業状況の管理をしています。

こういった作業をしながら4年間を過ごしました。


1-2 外資系コンサルティングファームに転職

4年間SEとしての経験を積んだ後、外資系コンサルティングファームに転職しました。2011年のことです。

SEからコンサルティングファームへの転職。社名はお伝えできませんが、世界的に見ても非常に大きいファームです。

コンサルティングファームでは、今までと業界は関連しているものの、SEで4年間培ってきたスキルではないものが求められます。いわゆるコンサルティング力です。

また、外資系ということで英語を使って仕事をすることも求められました。

この試練をどのように克服したのかは、後述しています。


私が入社したコンサルティングファームで、どのような仕事をしていたのか少しご紹介します。

主に日本の大企業や外資系企業の日本法人向けに業務コンサルやITコンサルをしていました。

もっと詳しく言うと、クライアント企業の業務やシステムの課題を見つけ出し、解決するためのプロジェクトを立ち上げ運営します。

たとえば、クライアント企業から「現場の業務負荷が高いので、なんとか効率化したい」と相談をされたとします。

そうすると、まず私のようなコンサルタントが業務を行なっている現場に実際に出向いて、調査や社員にヒアリングをさせていただき、具体的にどこに業務負荷が掛かっていて何が問題なのかを分析します。

その分析結果から、解決策を提案します。不要な業務は削り、今まで手作業でやっていた業務をシステム化することで業務効率化できるのであれば、システム化プロジェクトを立ち上げます。

システムが稼働し一定期間が経過したら、どれだけ業務が効率化されたのか効果測定を実施します。

ここで費用対効果があったと認められるとクライアントから喜ばれるわけです。

ちなみにコンサルティングは成果報酬型ではないため、基本的には作業の都度報酬をいただきます。準委任契約というやつですね。

よく「コンサルタントなんて口だけだし胡散臭いし高い」という声を聞きますが、現場ではクライアントにとって最大の価値をもたらせるように必死に思考しています。

いくら必死に思考したとしても、結果失敗したら信用失墜です。次の仕事は頂けません。

「自分で手を動かさないのに口だけ出して報酬をもらっている」

ここだけ切り取られてしまうと、胡散臭くて詐欺的に思われるかもしれませんが、そうならないように、現場ではクライアントのために最大限のパフォーマンスを発揮しているのだということをご理解いただけると嬉しいです。


1-3 外資系コンサル2社目に転職

2018年に別の外資系コンサルティングファームに転職します。このファームも世界的に非常に大きな企業です。私は現在、ここに勤めています。

多少取り扱っている事業に差がありますが、ここでもやっていることは、基本的に前職のコンサルティングファームと同じです。

私は3社目の現職にて年収1300万円を達成して今に至ります。


第2章 年収1300万円の仕事ぶり

あなたが気になるのは、年収1300万円貰っているやつはどんな仕事ぶりなんだろうか、どうせ激務の社畜なのでは?ということだと思います。

私が今、1日をどのように過ごしているのかお伝えします。


2-1 出社は風呂掃除して子供を保育園に送ってから

私の1日は、風呂掃除をすることから始まります。

我が家では私が風呂掃除担当です。毎朝起きたら服を脱いで風呂場へ。

風呂掃除をしたついでにシャワーを浴びて目を覚まします。

風呂掃除が終わると、前夜に予約を入れておいた洗濯が終わっているので洗濯物を干します。

ちなみに我が家はドラム式洗濯乾燥機ではなく縦型の洗濯機なので、終わったら外や浴室に干します。これがまた毎日だと大変なんですよね。乾燥までやってくれるドラム式洗濯乾燥機が欲しくてたまりません。


洗濯物を干し終わると、やっとトイレに向かいます。

4歳と2歳の子供を起こし、朝ご飯を作って子供に与えます。朝ご飯といってもトーストやシリアル、納豆ご飯など簡単な一品ですから誇れるものでもないのですが。

妻は洗面所で化粧。

我が家は共働きです。妻もフルタイムで働いているので、家事は完全分担制。夕食を妻が作ってくれる代わりに、風呂掃除と洗濯と朝ご飯は私が担当しています。

子供が朝ご飯を食べている間に自分の支度を終え、私も朝ご飯を食べ始めます。そうすると子供も私も同じタイミングくらいに食べ終わります。

朝ご飯が終わると子供を着替えさせて検温。この時期は保育園に預けるために毎日の検温が必須です。

子供と自分の支度が終わると、子供と一緒に家を出ます。会社に向かう前に子供を自転車で保育園まで送り届けるのです。

年収1300万円だろうが、妻と共働きな以上、家事育児はしっかりと分担してやるしかありません。

子供を保育園に送り届けてやっと出社です。今はクライアント先に常駐しているのですが、遠いので子供を保育園に送り届けていると9時の始業に間に合わず、30分遅れの9時半にさせて貰っています。

クライアントともちゃんと話し合って調整しているので何の問題もありません。

ようやく仕事スタートです。どうでしょう、普通のサラリーマンと変わりませんよね?


2-2 資料作成、会議、メールチェック

出社したら、あらかじめ前日に決めていたスケジュールをこなします。

よく仕事術の書籍などで見かけますが、できるだけ午前中に作業を詰め込むようにしていますね。

黙々とやる資料作成などは、午前中に集中的にやっつけてしまいます。

午前中の方が集中できるという面ももちろんありますが、午前中に自分の作業を片付けてしまうと午後の見通しが立ちやすいんですよね。

どうしても作業を午後に回してしまうと、集中力が落ちるのと突発的な打ち合わせなどに呼ばれてしまった時に作業のコントロールが効かなくなってしまいます。

もちろん午前中にも声をかけられることはありますが、周りの人は朝のメールチェックや、トイレにいったりタバコを吸ったりなど、仕事のエンジンがかかるのが遅い印象です。

午前中は、午後と比較して声をかけられる頻度が少ないと感じています。

午前中に作業をある程度片付けてしまえばこちらのものです。

メールチェックは昼過ぎにまとめて行います。会議もありますが、多少延長したって焦る必要が無くなります。

なお、午前中で終わらない作業があるのも事実です。その日にコントロールしてやりきれる作業量であればもちろんやりますし、そうでなければキリの良いところで終わらせて次の日に回します。


2-3 昼休みは基本1人で

昼の時間が不規則ということもありますが、昼休みは基本的に1人で過ごしています。

午前中に取り掛かった仕事が終わるまでは作業を続けて、ひと段落したタイミングで昼休みを取ります。

そのため、日によっては昼休みが午後3時とかになることもあります。

昼は必ずオフィスの外に行くようにしています。気分転換ですね。

そして基本的に1時間しっかり休憩します。休憩しないと仕事のパフォーマンスが落ちてしまうので。

私が昼休み中にやることはだいたい3つのうちのどれかです。

・1人ランチ
・カフェで読書
・カフェで昼寝

お腹がすいていたらお店でランチ。自分の食べたい物を食べにいきます。

これが他の人も一緒だと、自分が本当に食べたい店に行けなかったりストレスがたまることもあるので、1人でフラッとオフィスを出ていきます。

もちろん人と食べることもありますが稀ですね。前もって予定を組んでいる場合にのみ一緒に食べにいきます。

また、お腹がすいていない場合はカフェに入ります。

疲れていなければ読書をしています。昼休みに外出するときはKindleを必ず持っていきます。コーヒーを飲みながら電子書籍を読むことが多いですね。

疲れていたら潔く寝ます。午後のために体力回復です。

寝る前にコーヒーを半分くらい飲むことで、30分くらいでカフェインが効いてきてスッキリ起きられるようです。

こんな感じで昼休みは1時間たっぷり使ってリフレッシュすることに努めています。


2-4 午後8時までには退社

基本的には毎日定時で帰ることを目指して仕事をしています。

どうしても無理な日でも午後8時までには退社するように心掛けています。

夜は疲れていてパフォーマンスが落ちてダラダラ仕事してしまうことが多いですからね。

なので、キリが良いところまで終わらせて無理やり帰ります。

帰ってからは、家族と一緒にご飯を食べたり、子供を寝かしつけたりしています。

ただ最近は副業でブログやアフィリエイトをするために、帰宅する前にカフェやファミレスに寄リます。

私の人生における「緊急ではないけど重要なこと」にしっかりと時間を費やすようにしています。


2-5 終わらなかった仕事は翌朝自宅で

「仕事が終わっていないなら溜まる一方じゃないか!」と思いますよね。

私は仕事柄、ノートPCを会社から貸与されており、社内にいなくても仕事をすることができます。複数メンバーが関わるプロジェクトワークなので、基本的には社内で作業をしていますが。

終わらなかった仕事は自宅に持ち帰ります。自宅に持ち帰り翌朝出社前にやります。夜ではありません。

朝5時くらいに起きて、妻や子供が起きてくる7時までには終わらせます。

脳がまだ疲れていない起きた直後かつ締め切り効果で夜に作業をするよりも圧倒的に仕事が片付きます。

夜8時頃に、終電近くまでやらないと終わらないなと思った作業でも、朝の2時間をフル活用すれば大抵の作業は終わります。

自宅でも作業できる場合は、騙されたと思って試してみてください。効率の良さに衝撃を受けますよ。

ちなみに、これを書いている今は朝6時です。圧倒的にはかどります。


2-6 週に1度はワンオペ育児

我が家には子供が2人いて、2人とも保育園に通っています。運の悪いことに別々の保育園です。預けたくても預けられないご家庭もあると思うので、運は良い方ですかね。

お迎えは夜の6時に1人、6時半に1人です。基本的には妻が仕事を早く切り上げ、2人の子供を迎えにいきますが、週に1度は私が迎えに行きます。

「妻の代わり」という表現はあえて使いません。家事だけでなく育児も分担なので。「妻が主担当、私が副担当」こう思ってしまうと、いざ育児をしているときに「なんで俺が」という気持ちになってしまうので、分担して育児をするという意識を忘れないようにしています。

話が若干逸れましたが、週に1度は私が仕事を早く切り上げ、子供たちを迎えに行き、その後の育児を全てやります。

今は毎週木曜日と決めていて、ご飯を作り、風呂に入れ、子供の歯磨きをし、一緒に遊んだり本の読み聞かせをしてから寝かしつけます。

こうすることで妻は時短勤務ではなく、変則的ですがフレックス制度や在宅勤務を駆使してフルタイムで働くことができています。

月:9:30-16:30(6時間)@会社
火:9:30-16:30(6時間)@会社
水:8:00-18:00(9時間)@自宅
木:9:30-20:30(10時間)@会社
金:8:00-18:00(9時間)@自宅

ぴったり週40時間をキープしています。これ以外の時間は家事育児ですから、息つく暇もなくて結構大変だと思っています。

時短勤務でも良いと言ってはいるんですけどね。今はしっかりとフルタイムで働きたいようです。

木曜日の夜は、妻にとっての唯一の自由時間です。毎週のように飲みに行っています。

良いと思います。というか推奨しています。気分転換は大切ですから。


2-7 飲み会は一次会だけ

ちなみに、私が飲み会の日も当然あります。ただ、今は本当に行くべき飲み会なのかは考えるようにしています。

同僚で集まって愚痴大会になるような飲み会は、申し訳ないのですが極力理由をつけて断るようにしています。愚痴大会も大事なんですけどね。

今はそもそも、仕事に対する愚痴があまり無いので、他人の愚痴を聞くだけになってしまいます。めちゃくちゃしんどいじゃないですか。

なので、そういう趣旨を察知したら行かないようにしています。その代わり家族と一緒に過ごしたり、副業など「緊急ではないが重要なこと」に時間を費やしています。

それでもどうしても避けられない飲み会もあるのは事実。クライアントの偉い人に誘われた飲み会は、逆に基本的に断りません。

サラリーマンですからね。クライアントとは飲み会で仲良くなれるなら、これほど楽なことはありません。

ただし、必ず一次会で帰るようにしています。どうせ二次会に行っても行かなくてもクライアントの印象は変わりません。だから行きません。

私の場合、二次会に参加しても疲れるだけなんですよね。翌朝に疲れを残すとか、サラリーマンとしてダメだと思うのです。

少人数で一次会から1つの店で時間制限無く飲む場合もありますが、この場合は9時くらいに理由をつけて一人で切り上げて帰ってきます。

「妻が厳しいので」

この一言で問題なく帰れます。妻が厳しいのは本当なんですけどね。笑

周りが二次会に参加している時間に、私はカフェに行って粛々と副業を進めています。


2-8 残業代は出ない

サラリーマンで年収1000万円以上って、残業代の出ない管理職か、歩合制の営業職がほとんどだと思います。

「長時間仕事をすれば残業代が多くなって結果として年収1000万円」という人は少ないでしょう。

私も管理職なので残業代は出ません。年俸制で給料が最初から決まっています。(頑張れば賞与に反映されますが)

つまり、残業していても一切いいことないのです。

成果が全てです。やるべきことをやり、クライアントや上司の期待値を超えていれば残業する必要はありません。

だからこそ、周りがどれだけ遅くまで働いていようと、私は残業はしません。

「周りが頑張っているのに手伝わないのか」と思われるかもしれませんが、ただ残業しているからというだけでは手伝いません。

高い負荷が掛かっているメンバーに対しては、ちゃんとヒアリングします。

「なぜそんなに忙しいのか。どうすれば解消するのか。」

ヒアリングした結果で、分担できるものは分担しますし、明日に回せるのであれば切り上げてもらいます。結果ほとんど残業せずに帰ります。


2-9 年収1300万円でも社畜のつもりはない

ここまで読んでいただけたら分かっていただけると思いますが、私は、毎日土日祝日昼夜問わず働いて家庭を一切省みることができない、いわゆる社畜とは違うと思っています。

仕事以外の時間をしっかり取っていますし、土日はしっかりと休んで家族との時間を大事にしています。


それでも年収1300万円稼げています。


よく「年収1000万円の人より、年収1億円の人の方が暇」のような話を聞きますが、今私がお話しているのは、これとは少し違います。

この話は労働所得と不労所得の話なので。


今私がお話しているのは、サラリーマンの労働所得の話です。

1300万円稼いでいるサラリーマンの中には、めちゃくちゃに忙しい人もいます。これが世間一般のイメージではないでしょうか。

そのため、「サラリーマンは社畜!独立・起業しよう!ブログ書け!」といった声が多くあるのだと思っています。
(ちなみに私は、イ◯ハヤさんの生き方はとても尊敬しています)

やりたいことがあるのであれば、独立や起業をしたり、ブログで生きていくのはとても素晴らしいことです。

ですが、私のような必要以上に仕事をせず、家族や副業などプライベートを充実させている年収1300万円サラリーマンもいると言うことを分かって欲しいのです。


無理してサラリーマンを続ける必要もありませんが、同じように無理してサラリーマンを辞める必要もないと思っています。


私がワークライフバランスを両立できている年収1300万円サラリーマンになれたように、あなたにも私と同じように生きることができるのです。

ただし、それにはしっかりとしたサラリーマンを生きるための戦略が必要です

それを今から私の経験も踏まえて順を追ってお伝えしていきます。


第3章 黙示録

前述した「第1章 おむすびの経歴」と一部内容が重複するところもありますが、私が年収1300万円を達成するまでに、どのように思考し、どのような行動を起こしてきたのかをまとめておきます。

年収1300万円は、誰でも達成できる可能性を秘めていることをご理解いただくためには、私の新卒時代まで遡ることが必要なのです。


3-1 新卒で入社した頃の話

私が新卒でIT関連企業に入社したのは、2007年のことでした。

大学での専攻は法学部。法律を学んでいた文系人間です。

就職活動していた頃の志望先は、銀行や不動産業界が多く、ITのことなどほとんど知りませんでした。

大学のレポートを書くためだけにパソコンを買い、Wordしか使っておらず、PowerPointはアニメーション機能でゴリラの写真を回転させながらフェードインさせることをやって遊ぶことしかできないくらい、コンピュータのことには疎い学生でした。

就職課の人にたまたまこの企業を勧められて受けただけで、他に受けたIT関連企業は皆無です。

そんな私がIT企業に入社したのは、採用担当の言葉に惹かれたからです。


「一緒にゼロからイチを作って行きましょう」


なんかカッコよかった。それだけです。

そのくらいITとは程遠い人間で、就職先に対する思い入れも強くなかったので、入社したての新人研修の頃は本当にひどかったものです。

ほとんどの研修で寝ていました。完全に学生気分が抜けきれていません。

先輩から毎日のように怒られていました。


「考え事していただけで寝てませーん!」


なんてバレバレの言い訳をしたりして、先輩の逆鱗に触れたこともありました。

IT企業なので、簡単なプログラミングやシステムが動く仕組みの理解などは新人研修の必須科目です。

数ヶ月かけて叩き込む研修プログラムだったのですが、本当に理解できなかったのです。

授業を受けていても内容が全く理解できないと読経にしか聞こえずに眠くなるのと一緒です。

本当にやる気が無かったですね。というより、それなりのやる気はあったのですが、理解できなさすぎて早々に心が折れていました。

それでもいつまでも補講をやってくれるわけもなく、期間が来たら研修終了。

現場に配属されることになります。

クライアント先に出向き、先輩の横で仕事を始めます。

仕事を始めると言っても、最初は現場にある資料の読み込みから始めます。

これがまた頭に入らない。

で、眠くなってついつい寝てしまう。

先輩から怒られる。

無限ループ。


新人時代はこれの繰り返しでした。

本当にお世辞にも優秀な新人ではありませんでしたし、伸びシロも感じさせない酷さでした。

こんなひどい有様にも関わらず、仕事が終わったら勉強もせずに毎日同僚と飲み歩いていました。

毎日終電まで学生のように飲んでいましたし、焼酎をボトルのまま一気飲みするようなこともしていました。

当然翌日に響き、午前中はおろか午後4時くらいまで仕事にならないような日もありました。

今考えても新人とはいえ、本当にただの給料泥棒でしたね。


3-2 転機〜元カノとの別れ〜

私の人生のひとつの転機になったのが元カノとの別れでした。

社会人2年目の夏です。

大学生の頃から4年以上付き合っていた女性にフラれました。

めちゃくちゃ好きだったんですよね。結婚するものと思っていました。

彼女はとても優しく、私がどんなに理不尽な扱いをしても文句ひとつ言わずについてきてくれました。

ですが、文句がなかった訳ではなく、溜め込んで我慢していたんですね。

当時独り暮らししていた自宅に仕事が終わって帰ってみると、テーブルの上に一枚の置き手紙がありました。


「ごめんなさい、もう私はあなたと一緒に生きていくことができなくなってしまいました。」


慌てて電話をかけても出てもらえません。やっとのことで話をすることができたのですが、もう一度振り向いてもらうことはできませんでした。

そんな大恋愛の末の失恋があり、早く忘れるためにも仕事に没頭しようと決意しました。

それからは、生活の全てを仕事に捧げました。

帰るのはいつも終電か、終電後のタクシー。

家に帰っても寝るだけ。

寝て起きたらすぐに出社。

会社に寝泊まりすることもありました。

残業代がすごいことになり、最高で月収65万円くらい稼いだのを覚えています。

こんな生活を半年くらい続けました。


3-3 没頭の先

仕事に没頭していると、次第に自分がやっている作業が周りにどのような影響を与えるのかが分かってきました。

「プロジェクト全体の中で、自分が今やっている作業はこういう位置付けのものなんだ。」

それまでは、ただただ与えられた作業を淡々とこなしているだけだったのですが、有機的に理解できるようになり、作業効率も上がり先輩からも褒められるようになりました。

このブレイクスルーがきっかけで、それまでつまらなかった仕事が楽しくなったのです。

そうなると楽しいもので、自分の作業に余裕ができ、周りで起こっていることに目が向くようになってきます。

周りで何が起こっているのか分かると、全体像が分かってきて、先輩や上司が何を考えているのかが理解できるようになってきました。

気付いた時には、30人くらいで組成されたプロジェクトのキーマンのような存在になっていたのです。


3-4 はじめての転職

新卒入社から数年が経過して、仕事がある程度できるようになり、地に足が付いて動けるようになると、自分のキャリアについて真剣に考えるようになりました。

自分のすぐ上の先輩がどんな作業を任されているのか聞いたり、社内の給与テーブルをチェックしたり、上司や課長の年収を調べたり。

そこで実感したのです。


あの役職に上がれるのはあと15年後くらい先で、それでも年収これだけしかもらえないの?


そんな思いを悶々と抱えた中で発生した東日本大震災。2011年3月11日です。

私が勤務していた会社は、数日間の自宅待機となりました。

時間ができたので、将来のことに悶々としていたこともあり、魔が差して転職エージェントに登録しました。

登録するとめちゃくちゃDMが届きます。


「とりあえずお会いして面談しましょう。」


頂いたDMにそう書いてありました。時間があったこともあり、実際に転職エージェントにお会いしてお話を聞いてみることにしたのです。

転職エージェントはすごいですね。1時間ほど面談しただけで、私の強みや弱みを明らかにし、活躍できる業界や企業を提示してくれました。

その中には、新卒では到底手が届かないであろう有名企業もありました。

世界的に有名な外資系コンサルティングファーム。のちに私が転職することになる企業です。


「英語がネックではありますが、採用してもらえればあなたのキャリアを生かした転職ができます。」


まさかと思いました。今まで積み上げてきた現場でのITやシステム開発の経験と関連した業界とはいえ、とても頭が良いと噂の集団です。

さらに私は本当に英語が苦手で、当時TOEICを受けたことすらありませんでした。

そうはいっても、チャンスと言われたら受けるだけ受けてみようという軽い気持ちでエントリーします。

面接は2回行われました。

1回目は現場のプロジェクトマネージャーレベルの人との面接でした。


「今までのキャリアを簡単に説明してください」


これまでの4年間で経験してきたことを時系列で説明しました。面接官は理解してくれて、次の面接に進めていただけました。

後日、2回目の面接。今度は採用されたら所属する部署のトップでした。


「じゃあいつから来る?」


肩透かしを食らいました。もはや面接ではなく面談です。現職の状況などをお話し、採用を前提とした話をしていました。


「あ、ところで英語は大丈夫?」


きた。来ると分かっていたけど恐れていた質問です。なんせ英語は大学以来ですから。


「はい、問題ないです!」


とっさにそう答えました。

大丈夫とはどういう状態か。問題とは何か。

そう考えると虚偽を働いたことにはならないと信じていますが、かなりのグレーゾーン。

どうしよう、試しに英語で会話されたら。


「そう、ならよかった。じゃ、よろしくね。」


全くよくない。ですが結果は採用。今までのキャリアを買っていただき、英語に関しては実力を確認されることもなく採用していただきました。

転職の面接なんてあっけないものです。新卒採用の面接は多くの場合、人事部が実施するので、条件に対して機械的に判断されてしまいます。

TOEIC600点が条件であれば、600点取れていない時点で不採用です。

しかし、中途採用であれば話は違います。条件はあるものの、臨機応変に考えていただけます。

中途採用を募集しているということは、人が足りなくて今すぐ現場で活躍できる即戦力を求めているということです。

企業側としても条件に完全マッチした人材がいれば良いですが、そうも言っていられない台所事情があります。一部の条件に目をつぶってでも戦力になると判断したら採用してくれるのです。

私の場合、英語が足切り状態でしたが、他の部分で戦力と見込んでもらえたのが幸いでした。


3-5 転職のち没頭

2011年。はじめての転職で、世界的に有名な某外資系コンサルティングファームに入社します。

中途採用で入社した社員への研修は、お世辞にも手厚いと言えるものではありませんでした。

コンサルティング業務の経験が無い私に対してもです。

社内の制度や組織編成のことなど簡単に説明を受けていたら入社から4日間が経過し、5日目からプロジェクトへの配属となりました。

最初に配属となったプロジェクトは、外資系メーカーへのシステム導入提案。

今までのシステム導入経験が生きると思ったのも束の間、資料も会議も全て英語という衝撃の事実。

いや、外資系コンサルなので、私が勝手に衝撃を受けただけでした。

同じプロジェクトの先輩に、私の英語のできなさを揶揄されたことを今でも覚えています。


「お前よくそんなんでうちの会社に入ってこれたな」


火がつきました。

ちょっと本気で英語を自分のものにしてやろうかと。

英語の会議に参加して、周りが全然何言っているのかも理解できていないのに、いきなり喋りだすのです。

なぜ喋ることができるのか。

あらかじめその会議で主張したいことを事前に調べて英語にしておいた台本があるからです。


分かりますか?

出席者が天気の話で盛り上がっているところにいきなり、

「私は、安倍政権に反対です!なぜなら、、、」

と言い出す奴がいるようなものです。今思い出してもゾッとします。


当の本人はどんな会話をされているか理解できていないので怖いもの無しですからね。

そんなことをやっていると、ああこいつは英語ができないんだなってことが周りにバレます。

当然ですよね。台本読んでいる喋り方なのがバレバレですし、

「じゃあどうすればいいと思いますか?」

って聞かれても、何も言えないんですから。ただニコニコしているだけ。


でもそうやってなんとか食らいついていこうとしていると、周りがフォローしてくれるんですよね。クライアント側の人間も然り。


「君が言いたいのは、つまりこういうこと?」


などと返してくれたり、日本語でおけーって言ってくれたり。


飛び込んでみると結構優しい世界なんですよね。そうやって数ヶ月も過ごしていると、少しずつ相手が何を喋っているのか理解できるようになってきますし、自分が言いたいことも台本なしでその場で言えるようになります。

チャレンジしてみて本当によかったなと思った瞬間です。


英語にも没頭しましたし、もちろんコンサルティング力を身につけることにも没頭しました。

とにかく社内に情報資産として蓄積されている過去の提案書などを読みまくりました。

この人たちは、どういうことをしてお金をもらっているのか。それをするためにはどのような知識・スキルが求められるのか。

家にも帰らず徹底的にインプットしました。

ここだけの話、私がいた会社だけかもしれませんが、コンサル業界の会社は社内に夜遅くまで残っていても誰にも怒られないんですよね。

周りにも残っている人はそこそこいますし、仕事が終わらないから残っているというより、残りたいから残っていると言った印象です。

いわゆる意識高い系かもしれません。笑


でもそういう人が周りにいたからこそ、私も刺激を受けて頑張れたところはあります。

一緒に戦う仲間の意識というのは、自分の成長に非常に大切です。

今だったら、一発でブラック企業認定されてしまうかもしれませんが。


3-6 データアナリティクス

コンサルタントとしての仕事もだいぶ板についてきた頃、ちょっとした転機が訪れます。

社内で「データアナリティクス」を扱う部署が新設されました。

ちょうど2013年頃でしょうか。

それまで私は、ITやシステム周りの知識も仕入れていたのですが、データを扱うシステムを得意としていました。

いわゆるデータウェアハウス(DWH)やビジネスインテリジェンス(BI)という領域です。

DWHやBIを簡単にいってしまうと、営業管理システムなどで登録されたデータを活用して色々な分析ができるシステムです。現場の成績管理ですとか、経営層が経営判断に使ったりします。

DWHやBIのシステムを得意としていましたし、データそのものを扱って分析することも好きでした。

そのため、データアナリティクスの部署が新設された時は、これはチャンスとばかりに手をあげて部署異動しました。


データアナリティクスとは、様々なデータを使って未来を予測することや規則性を見出すことを言います。

よくいわれるのが「スーパーマーケットでビール売り場の隣にオムツを置いておくと、両方をセットで買っていく人が増える」などです。

何の関係もない2つの商品ですが、統計解析の手法を用いて両者を買う人の属性に共通点や規則性を見つけだすのです。

データを使ったマーケティングですね。

「因果関係は分からないけど、結論はこうだ。だから次の一手はこうだ。」

そんな感じです。

データアナリティクスは、コンサル脳とも違うので面白いのです。

コンサルはゴリゴリのロジックでビジネスをします。

「AはBである、BはCである、よってAはCである。」

こんなのばっかりです。でもデータアナリティクスは、

「AはCらしいよ。知らんけど。」


そのため、また新しいスキル、思考法を身につけました。

気づいたら、コンサル、IT、アナリティクスの知識・スキルがそれなりに身についていました。

この頃には実績もスキルも評価されて、マネージャー(管理職)になっていました。

年収は1000万円に到達します。


3-7 育児休業

実はこの頃には、すでに結婚していて子供が1人いました。

さらに2人目が生まれた直後だったのが、年収1000万円を達成した頃ですね。

役職もマネージャーに上がって、普通の人であれば「ここからまた頑張るぞ!」というところで、私は育児休業を取得しました。

妻が産休・育休中だったとはいえ、とても大変そうでしたし、妻にヘルプを求められてもなかなか突発的に休めない状態が続いていたので、いっそのこと育休を取ることにしました。

当然キャリアアップはその分遅れますが、仕方ありません。

育児休業は3ヶ月間取得しました。

子供は2歳と0歳。2人で面倒見ていても大変でしたね。

これを今まで1人でやっていたのかと思うと頭が上がりません。

復帰した時には仕事に対する気持ちが変化していました。

「無駄なことは一切しない」

無駄な作業や定例会議なんかは徹底的に排除して、早く帰るようになりました。

やってみると無駄って意外と多いんです。

終電まで残らなきゃいけないシーンなんて無いんですよ。

大抵の場合、日中に時間を無駄にしてしまったツケを夜に払っているだけだったということに気づいたのです。

それからは仕事の効率が圧倒的に上がりました。


3-8 戦略コンサルティング

それでもやっぱり仕事でやりたいこともあります。

戦略コンサルという仕事です。

今まで経験してきたコンサルティング領域は、どちらかというと今あるビジネスをいかに事業拡大していくか、またはスリム化・効率化していくかということがミッションでした。これを業務コンサルと呼んでいます。

一方で戦略コンサルは、今無いビジネスをクライアントと一緒に創っていきます。

社内には業務コンサルも戦略コンサルもあります。

戦略コンサルは会社のエリート戦闘集団。めちゃくちゃ頭がキレて、昼夜問わず文字通り寝ずに仕事をしている人たちでした。

時間あたりの創出価値度合いが高く、且つ長時間働くので恐ろしいくらいに成果を出します。


でも私もその集団の中に飛び込んで戦略コンサルという仕事をしてみたかった。

育休明けで仕事の感覚を取り戻してきた私は、戦略コンサルを志望したのです。

家族を大切にしたいとも思いましたが、自分がやりたいと思ったことなので諦めきれませんでした。


ちょっとした社内のつながりもあり、運よく戦略コンサルの組織に異動することができました。

異動によって年収も一気に上がり、1200万円になりました。


しかし当然のように、その年収分の働きを求められます。

今まで業務コンサルとしての働きしかしていなかった私に、またも試練が訪れます。

一緒に働く人たちがエリート戦闘民族に変わったのです。

脳みそも体力もフルパワーで稼働させてもなお簡単には評価されないのです。

でもひたすら食らいついていくしかありません。

寝る間も土日も惜しんで仕事に没頭しました。

育児はほとんどできず。妻には本当に申し訳なかったと思っています。

それでもなんとか戦略コンサルとして1年やり通しました。


3-9 ヘッドハンティング

1年経ってやっと戦略コンサルの仕事にも慣れてきた頃の休日に、知らない電話番号から電話がかかってきます。


「◯◯という会社に興味はありませんか?是非一度お話をさせてください。」


ヘッドハンターからの電話でした。

コンサル会社は、公にはしていませんが、ヘッドハンティングによって他社から人材を獲得することもしています。

◯◯という会社も、世界的に有名な外資系のコンサルティングファームです。

興味がないわけがありません。


実はですね、その会社からお声がかかるように事前に動いていたのです。

キャリアアップする過程で蒔いておいた種が芽を出します。


ヘッドハンターからお誘いをもらう前に、○○という会社に転職した先輩がいて、転職した後もその先輩とは定期的に連絡を取り合っていたのです。

先輩から人事部に、私と一緒に働きたいという要望が上げられ、人事部がヘッドハンターに引き抜き依頼をしたという形です。

(リファーラルという、先輩が直接私を誘うこと制度もあったのですが、色々ありまして、ヘッドハンター経由での引き抜きになりました)


結果的に現在の所属している会社に転職します。


そして、現在に至ります。現在の仕事ぶりは前述の通りです。


第4章 年収1300万円を達成する思考法

さて、ここまで私の経歴をお話しすることで、キャリアアップするためのヒントがなんとなく分かってきたのではないでしょうか。

でも、まだあなたの感覚は「なんとなく」でしょう。

もちろんこれで終わるわけではありません。

ここからいよいよ各論に入ります。サラリーマンの教科書のキモです。

年収1300万円を達成するための思考法と仕事術をお伝えします。


私の10年間のサラリーマン人生の集大成です。


4-1 知識を圧倒的にインプットする

新卒で入社したらまずやってほしいのが、知識のインプット。

仕事で成果を上げるには、知識と経験が必要です。

新卒で入社してまだ経験が無い以上、知識をつけるしか無いのです。


具体的にどうするか。

仕事で必要となるジャンルの本をとりあえず10冊用意してください。10冊は区切りの数字として言っているだけなので、9冊でも11冊でも良いです。

大量に本を読むと、本質的な部分が頭に残りやすくなります。大事な話は多くの本に書いてありますから。何度も繰り返し目にすることになって結果として記憶に残るのです。

読み方は上から順に読んでいくのではなく、10冊を同時並行的にパラパラめくって気になったところをしっかり読むスタイルで向き合うと良いです。

そもそもそのジャンルについて何も知らない状態なので、上から真面目に読んでいってもつまらないんですよ。

つまらないから頭に残らないし、眠くなります。

とにかく広く浅く、どんなことが書いてあるのか把握することに努めてください。最初は目次レベルで良いです。


そういう読み方をして全体をざっと目を通しておくと、

「あれ?これ本に書いてあったな。どこだったかな。もう一回読んでみよう。」

となって本を読み返すわけです。今度は自発的に情報を探しにいきますし、何より仕事と関連づけていますので、理解度や知識の定着度が圧倒的に違います。

仕事中に気になったことをすぐに調べられるよう、本は常に持ち歩くことをオススメします。

そうすることで、圧倒的に知識をつけて、経験したことは知識と関連づけることで有益な記憶として残していくのです。


ちなみに用意する本は、自分で選んで買ってもいいのですが、一度やってみていただきたいのは、周りの先輩にオススメの本を聞いて、持っていたら借りてみること。

人に紹介してもらった本と自分で選んだ本では読むことに対するプレッシャーが大きく異なります。せっかくオススメを紹介してもらって借りた本を読まないわけがないんですよ。

あなたの周りをうまく巻き込むことで、強制的にインプットできる状態にしてしまいましょう。


こいつは経験は浅いけど、知識はなかなかのもんだ


上司や先輩にこう思ってもらえたら、しめたものです。そもそも経験豊富になれるだけの期間を過ごしていないので、こう言ってもらえるということは相当に評価されている証拠です。

このように評価してもらうために、上司や先輩に仕事について議論するようにしましょう。


「今の仕事ってこうですけど、でもこの本にこう書いてありましたし、もっとこうできると思うんですよね。先輩どう思います?」


積極的にこういう議論をして、今抱えている自分の仕事の質をどんどん上げていくようにすれば、上司先輩にも一目置かれることになりますし、一石二鳥です。


「こいつ生意気なやつだな」と思う上司先輩がいるんじゃないかと不安になる方がいるとしたら、言い方を工夫しましょう。

誰だって部下や後輩に、上からマウント取られるような言い方をされたらいい気はしません。なので、本の情報を頼るのです。

「この本にこう書いてあったから」

これは単なる事実です。こうやって「俺はあなたよりできるんだ」という受け取られ方にならないように気をつければ問題ないので、積極的に意見を交わすことを意識しましょう。


圧倒的に知識をインプットすると良いことがもう1つあります。

それは、周りにアウトプットできること。

知識が身について上司や先輩にそのことが伝わると、勝手に伝搬されます。

「あいつは◯◯に詳しい」

そうすると、周りから聞かれたり頼られたりすることが増えてきます。時には研修や講義をしてくれと言った依頼もされたりするでしょう。

誰かに教えるということは、自分の知識をアウトプットすることになり、アウトプットしていると自分の知識の抜けを見つけることができます。

その抜けを補うようにさらに知識を収集していけば、やがてそのジャンルは体系的に習得できるようになります。

まずは圧倒的に知識をインプットして、この状態を目指しましょう。


前述の通り、私は新卒のときに「圧倒的な知識のインプット」をしてきませんでした。

そのせいで、新入社員だった頃は出来の悪い奴という印象を周りに持たれます。特に目立つこともなく、むしろどちらかというと悪目立ち。上司先輩からの評価は最悪です。

でも、元カノにフラれたことをきっかけに奮起して、知識を圧倒的につけた結果、3ヶ月もしないうちに周りの評価が変わってきました。部内の勉強会で講師を頼まれたこともあります。

そのくらい周りには圧倒的にインプットしている人が少ないのです。同じ会社で働く同僚として残念ですが。

早い段階で頭一つ抜け出すために圧倒的知識をインプットしましょう。


4-2 仕事に没頭する期間を決める

仕事で成果を上げるには、知識と経験が必要だとお伝えしました。

知識をインプットする方法の次は、経験値をためる方法です。

結局はこれも物理的に費やした時間に比例します。

毎日8時間仕事している人と、12時間仕事している人では、経験値のたまるスピードは1.5倍の差が出ます。

では、毎日12時間働けというのか。


その通りです。


ブラック発言だと思われるかもしれませんが、私はこれが事実だと思っています。

社畜になれと言っている訳ではなく、自分から能動的に仕事を長時間しましょうということです。

ただ、そんなことがずっと続けられるわけないですよね。いつか過労で倒れていまいます。

なので、仕事に没頭する期間を最初に決めてしまいます。この期間は仕事以外の一切のことを排除して、仕事に集中すると決めるのです。

ワークライフバランスなど、その後でいくらでも確保できます。

12時間って長いと思いますが、休憩含めて9時〜22時勤務です。大したことなくないですか?勤務時間外のプライベートの時間を11時間も確保できるんですよ。睡眠時間を6時間確保してもまだ5時間残る計算です。

覚悟を決めましょう。覚悟が決まったら意外と大したこと無いですよ。

また、12時間の勤務時間と、できるだけ長い休息時間を確保するために、勤務地から近いところに住むのをオススメします。

徒歩10分とかで通勤できれば最高ですね。とにかく生活の全てを仕事にフォーカスさせましょう。


ではどのくらいの期間を確保するのが良いのでしょうか。


業界にもよると思いますが、目安としては3年は見ておくのが良いです。休日を含めたら1000日超えますからね。

ちなみに土日も含めて仕事に費やしましょう。オフィスビルなどで働いていて土日に仕事をするには入館申請だとか、面倒な手続きが必要な場合は別として、そうでなければ土日も基本は職場で仕事をしましょう。

極端だと思いますか?

たった3年です。四大卒で65歳の定年まで働くとしたら、43年のうちの3年です。振り返ってみると本当に大したこと無いんですよ。

それだけであなたは同僚から頭一つ抜きん出ることができ、上司や先輩に一目置かれる存在となれるのです。

考えてもみてください。もし、独立、起業したらこのくらい働くのは普通だと思いませんか?事業が軌道に乗るまでは、昼夜土日問わず働いていますよね。

あなたの活躍が軌道に乗るまでは、仕事に没頭してみてください。軌道に乗ったら3年経たずに打ち切って良いですし。


4-3 仕事に没頭して経験値をためる

期間を決めたらひたすら仕事に没頭しましょう。

仕事に関係しないことは一切シャットアウトする意識です。

どうしても勘違いされがちなのが、社畜、ブラックという批判。

私の中で社畜とは、会社に指示されたことをしていて、自分の置かれた状況を悲観的に感じている従業員のことだと思っています。

社畜の反対は、独立・起業ではありません。社畜と対になるのは、会社を利用して自分の成果を最大化する従業員だと思います。

自ら積極的に仕事を取りにいく姿勢を、没頭すると決めた期間は貫きましょう。

独立や起業は自分でビジネスをやりたいのであれば、大いに賛成ですが、社畜から逃げるようにして独立してもうまくいかない可能性が高いですし、非常にリスキーです。

サラリーマンの仕事にも没頭できな人が、独立や起業をして没頭できるわけがないと思っています。


では、具体的にどうするか。


メンターを見つけましょう。仕事ができる先輩を見つけ、常にウォッチしておきます。

通常の作業はもちろんこなします。その上で、メンターの人が抱えている仕事をどんどん奪っていくのです。


「それ、私でもできますか?」


「その仕事私にも手伝わせてください!」


とにかく仕事を奪います。その先輩がOKしなくても、勝手にやるのです。結果がどうかは問いません。

とにかく奪ってやってみる。そして成果を先輩に見せる。チェックしてもらってアドバイスがあれば儲けもん。

そういったことを繰り返しているうちに、先輩が抱えている仕事をこなせるようになってきます。


私は、クライアントのシステムを開発する仕事をしていました。

システム開発には、様々な役割のメンバーが関わります。

・プロジェクトリーダー
・アプリケーションエンジニア
・サーバーエンジニア
・ネットワークエンジニア

具体的な作業内容は割愛しますが、いずれの役割もその役割に特化した専門的な知識や経験が必要です。

私は、とある大きなシステム開発案件に携わった時にアプリケーションエンジニアとして参画しましたが、優秀な先輩が多く関わっていたので、サーバーエンジニアの先輩からも、ネットワークエンジニアの先輩からも、プロジェクトリーダーの先輩からも、仕事を奪う意識で仕事をしていました。

結果的に奪うのは確かに難しいのですが、先輩方に気に入ってもらうことができます。経験不足だったとしても自分の仕事を手伝ってくれと言ってくる後輩がいたら嫌な気しないですよね。

気に入ってもらって、それぞれの専門的スキルについて教えてもらうことができました。この経験があったからこそ、私はシステム開発全般について苦手意識がなくなり、一転して自信を持てるようになったのです。

まず自分の仕事を圧倒的に早くこなしましょう。その上で、周りにいる学ぶべき先輩方の仕事を積極的に奪いにいくことを意識してみてください。

これが私の「仕事に没頭して経験値をためる」ための思考法です。


4-4 替えが効かない仕事をする

ためる経験値にも良し悪しがあります。

いくら仕事に没頭して経験値をためるといっても、ひたすら議事録を取っているだけだと、あまり良い経験値のため方だとは言えません。

いくらでも替えが効く仕事だからです。

要するに誰でもできてしまうことをやっているようでは、年収アップには繋がりにくいのです。

若い頃は、上司や先輩から与えられた仕事をこなすことが多いので、すぐには難しいですが、どんどん人から仕事を奪っていくことで、多面的なスキルや経験が身につくようになるでしょう。そういった状態を目指してください。

時には、部署を異動するなどして、今までとは異なる経験を積める環境に身を置くのも良いでしょう。

私の場合は、データアナリティクスという当時まだ新しい分野に積極的に手を挙げて仕事を取っていきました。

そうすることで一人の人材として貴重な存在になり、結果として年収アップにも繋がるのです。

価値ある人材になるために、貴重な経験を積むように心掛けていきましょう。


4-5 社内の人脈を広げる

短期間で集中的に仕事に没頭することで、知識と経験が圧倒的に身につき、周りとの差別化ができてきます。

能力を正当に評価し、年収に反映してくれる企業に勤めている場合は、2年目から年収アップが期待できるでしょう。実際私が以前に勤めていたコンサルティングファームでは、私の下についた当時新人だった後輩に、このように仕事に没頭することを教えたところ、2年目に上がるときに最高の評価をもらって通常3年かかるキャリアアップを1年で達成し、年収も一気に跳ね上がっていました。

ですが、数年経つとこのやり方では限界がきます。そもそも何年も継続できるやり方ではありませんし、自分一人で全てのことをカバーするのは物理的に不可能だからです。

一方で、年収を上げるためには、経験したことのない仕事であったり、専門外の領域も、積極的にチャレンジしていく必要があります。


そこで重要になってくる考え方が、社内の人の力を借りるということです。

たとえば従業員が100人の会社であれば、自分で3年間濃い経験をしている間に、自分だけでは300年働かないと得られない分の経験値が社内には蓄積されているのです。

これを活用しない手はありません。目の前に降ってきた仕事が専門外だったとしても、ちょっと周りを見渡せば、朝飯前にこなしてしまう人がいるかもしれないのです。

知識がない、経験がないといった時には、経験がある人にアドバイスをもらったり、手伝ってもらうべきです。そうすることであなたの仕事の幅が一気に広がります。

そのためには日頃から社内の人脈を広げる意識を持っておきましょう


仕事をしていると社内の作業って面倒ですよね。

資産管理、セキュリティ管理、研修やイベントの企画運営。若手にとっても少し見渡すだけで色々と社内作業があります。

普通なら仕事に没頭するためにできるだけ避けて通りたい面倒ごとだと思いますが、積極的に手をあげてやってみてください。

目の前の仕事をしているだけでは関わることのない人と知り合えるはずです。


そこでは是非ためらうことなく自分の名刺を渡してみましょう。

「社内でしょ?」

と思われるかもしれませんが、これが意外と社内の人に覚えてもらうには効果的です。

たとえば、初対面の人と挨拶するときどうするか思い出してください。

「はじめまして、○○です。」

これ、10分後には「あれ?あの人なんて名前だったっけ?」となることがありませんか?

そのくらい人間の記憶は曖昧で忘れやすいので、名刺を渡して自分の印象を強烈に与えておくことが重要です。

ただし、有益な人脈を作るか無益な人脈になってしまうかは、あなた次第です。有益な人脈づくりを徹底してください。

具体的には知り合った人に、自分がどういう仕事をしているのか伝え、相手がどのような経歴の持ち主で、どういうことを仕事にしているのか必ず聞いておきましょう。

「○○のことだったら力になれるかもしれないからいつでも聞いて」

「それだったら知り合いで詳しい人知ってるよ」

こうやって、どんなことで頼ることができるのかを意識しておき、相手にもこういう人間が社内にいるということを把握しておいてもらうのです。

人脈は量ではなく質。そして、質を高めるのはあなたの行動次第です。


4-6 会社の評価プロセスを理解する

仕事をする上で自分ができることを徹底的にこなしたら、次に目を向けるべきは評価プロセスです。

正直に言って社内で年収をアップさせるためには、この観点が最も重要です。しかしながら、この観点が最も軽視されています。というより気づいていません。そのために年収が上がらないのです。


「あなたは年収を100万円アップさせるためにどれだけの期間をかけて何をしますか?」


この質問に答えられるサラリーマンが圧倒的に少ない。

今の年収の低さに嘆き、年収をアップさせたいと言っているのに、上げ方を知らないのです。

社内でどうやったら年収を上げられるのかをしっかりと理解しておきましょう。これは会社によって異なります。


確認しておく観点は3つです。

・社内の評価軸を知る
・評価者を知る
・目標としている年収の人の仕事ぶりを知る

あなたの会社では何が評価されるのか。個人の売り上げなのか、組織の売り上げなのか、結果に関係なくあなたの頑張りなのか。どんなに頑張っても年功序列だから頑張りが評価されないという会社もあるでしょう。

社内の評価軸を知っておくことで、日々自分が何を意識して頑張らなければならないのかということが見えてきます。

また、最終的に評価を決定する人を押さえておきましょう。直属の上司にいくら自分の頑張りをアピールしたとしても、あなたの年収を最終的に決めるのは、直属の上司よりも上にいることが多いと思います。

たとえば、あなたの頑張りは直属の上司に評価され、その上司はあなたの評価を最終的に決定する人に報告します。その上で、最終評価者があなたの評価を決定し、評価にしたがって給与が決まるのです。

最終評価者のことが見えていないようでは効率的な年収アップは期待できません。

評価をする人も人間です。常日頃から直属の上司だけでなく、最終評価者に対しても自分をアピールすることを忘れないようにしましょう。

また、社内の平均的な年収アップのペースを理解しておくことも重要です。あなたが仮に年収600万円を目標としているのであれば、社内で現在達成している先輩をちゃんと見ておきましょう。

何年で達成したのか、それ前に培ったスキルや経験は何なのか。それよりも短期間で達成しようとしていたり、全く異なるスキルを磨いていても現実的ではないからです。

そこに対して不満があるようであれば、転職も視野に入れて考えなくてはなりません。あなたの給与額を握っているのは会社なのです。個人事業主や起業家と違い、何を評価してどのくらいのペースで給与アップさせるのかも全て会社が握っているのです。

あなたの会社の仕組みを理解し、できることを最大限効率的に実施していきましょう。


4-7 会社の年収の現実的なピークを知る

あなたはいくらの年収を目指していますか?

500万円?700万円?1000万円?1500万円?2000万円?

目標はいくらでも良いと思います。大事なのは目標を達成できる会社を選んでいるかということです。

業界選びにおいても会社選びにおいても大切です。

たとえば、保育士としていくら頑張ってもそれだけで年収1000万円を達成するのは、今の日本の構造上非常に困難です。

一方で外資系のコンサル会社であれば、会社から期待された働き方ができていれば割と簡単に500万、700万、1000万と年収アップさせていくことが可能です。

これは、保育士がダメで外資系コンサルが優秀と言っているわけではありません。業界や会社によって年収の価値は様々です。

それは、保育園もコンサル会社も社員に配分できるお金は限られており、その中から配分しなければならないからです。

単純に、5人の保育士がいる保育園が、国から1000万円払われている場合、保育士1人あたりの年収は200万円になりますが、従業員5人のコンサル会社が年間5000万円売り上げていれば、従業員1人あたりの年収は1000万円になります。

コンサル会社の事業の場合、それだけ払ってくれる顧客がいますが、保育園の場合は、どんなに頑張っても国からの支給はあまり増えませんよね。

これが現在の日本の構造なので「保育士で1000万円」という目標は非常に難しいと思っていますが、決してその人自身の価値が低いというわけではありません。

少し脱線しましたが、学生など、会社に就職する前の段階においては、業界や会社ををしっかりと選びましょう。

年収のピークを納得した上で就職するようにすれば、年収で不満が募ることは少なくなるでしょう。

一方で、現在会社に勤務している人は、先輩や上司がどのくらい実際にどのくらい稼いでいるのか確認してみてください。

あなたが先輩や上司くらいの年齢、役職になった時にそれよりも大きく稼げている可能性は低いはずです。

あなたが1000万円稼ぎたいと思っていても、先輩や上司が1000万円稼げていないのであれば、目標を達成することは難しいでしょう。

「役員になったら1000万円稼げる!」

という意見があるかもしれませんが、あなたが役員になれる可能性はどのくらいでしょうか。また、その時期はいつでしょうか。

確かに可能性の問題で、絶対に不可能というわけではありませんが、あなたの目標としているステージは、非常に狭き門であることがあります。

私が新卒で入社したIT関連の会社は、平均年収は700万円程度。しかも社内で聞くところによると30代後半で達成できる年収とのこと。

毎年目標設定して、達成できるとボーナスに影響するものの、年功序列が評価のベースにあるため、なかなか年収が上がりにくいという構造になっていました。


頑張ってもなかなか年収上がらないし、上がっても40手前で700万円


これが最初に転職を決意した理由でした。

社内の評価プロセスと年収のピーク、そしてピーク時の年齢層を意識しておくことで、このまま頑張れば報われるのか、それとも頑張っても報われないのか分かるようになるのです。


4-8 外の世界を知る

多くのサラリーマンは、社内での自分への評価に不満を抱き、居酒屋で同僚と上司の愚痴を吐いています。
(少なくとも私の周りはそうでした)

その気持ちはとてもよく分かります。会社でどんなに頑張っても上司は正当に評価してくれない。評価してくれても年収が上がっていかない。どうにもならないこのストレスを、どうにかして発散したい。

こういったストレスを、同僚と飲みながら上司の悪口を言うことで、発散しているのです。

ですがこれは、所属している会社しか知らないから溜まるストレス。

社内しか知らないので、正当に評価されないことが普通だと思ってしまうのです。

私も最初のIT企業では同僚と飲みながら会社の愚痴を言い合うことが多くありました。年収が上がらない話で盛り上がるんですよね。解決しないのに。

ですが、結論から言うと私は転職して変わりました。

正当に評価される環境があるということを知りました。評価に応じた報酬をもらえるということを知りました。


世の中に会社はいくらでもあります。今の会社で年収の限界が見えたり、自分の実力・実績に対して正当に評価されていないと感じるようであれば、外の世界に目を向けてみてください。

転職エージェントに登録するだけで十分です。それだけで今まで見ていた世界が狭すぎたことに気づくでしょう。

外の世界には、あなたを正当に評価し、その評価に見合った給料を払ってくれる企業は必ずあります。

どうか、現状を愚痴らず、突破口を見つける行動を起こしてみてください。


4-9 自分の市場価値を知る

転職エージェントに登録したら、実際にエージェントに面談をしてもらいましょう。

転職エージェントに登録すると、あなたが登録した条件にマッチする求人情報が大量に届きます。これを1件1件吟味して、自分でエントリーするのは適切ではありません。

勝手に届く求人情報は、条件にマッチしたものを機械的にマッチングしているからです。あなたが転職しようと思った背景を何も考慮せずにです。

だからこそ、あなたの個別具体的な事情を認識してくれるエージェントに会って話を聞いてもらおうというわけです。

エージェントはあなたがどんなキャリアを持った人なのかを見てくれます。

これが本当にオススメで、できればある程度社会人を経験した人全てに受けていただきたいと思っています。

それくらい、転職エージェントとの面談は有益です。

なぜなら自分の市場価値を客観的に評価してくれるからです。


今の自分の実績は世の中から見てどうなのか。

今もらっている給料は低いのか高いのか。

自分により適している企業はあるのか。


色々な視点であなたを見てくれます。この視点は1つの会社にいたら絶対に分からないことです。

今まではそれでも良かったかもしれませんが、働き方がどんどん変わってきていて、一社で定年まで過ごすことの方が難しくなってきている今、転職しないにしても、自分の市場価値を客観的に評価してもらっておいて損はありません。


転職エージェントは、何社もの企業を熟知しています。現在どんな企業がどんな人材をどんな待遇で募集しているのか。世の中の労働力に関する需要が手に取るように分かる状態です。市場に出回らない求人情報まで持っています。

また、毎年何人もの転職希望者を見てきています。優れた実績の持ち主、実績はまだ少ないもののポテンシャルの高い人材、会社経験は豊富なものの市場のニーズとマッチしない人など色々でしょう。

そういった、企業も個人も熟知したプロがあなたと面談して客観的に市場価値を評価してくれるのです。

また、そんなあなたに適した企業も紹介してくれます。企業側のニーズとも合致する可能性が高いため、こんなはずじゃなかったと思うことは少ないでしょう。

是非一度面談してみてください。あなたの現在地を知ることができ、正当な評価と年収を勝ち取るためには、どう動くべきなのか、何が足りないのか色々なことを指南してもらえます。


4-10 条件未満でも転職チャレンジ

転職エージェントと面談すれば、あなたに適した会社を紹介してくれます。ただ、当然ですが、人材を募集している企業側にも募集の条件があります。

英語必須、プログラミング経験、プロジェクト管理経験、会計スキル、など色々です。

では、その条件に満たしていないとそもそも応募できないのかというお話です。


結論から言うと、全くそんなことはなく、条件未満でもチャレンジすることはでき、大いに転職チャレンジすべきです。

その根拠は、企業側の事情を考えてみると分かります。企業側も転職エージェントにわざわざお金を払って募集をかけているわけです。それほど人材不足ということ。

条件を満たした即戦力を採用したいのは山々ですが、実はそんなに都合の良いことは無いのです。これは私が所属する会社で採用面談をしていても実感します。

もっとはっきり言ってしまうと、条件に完全マッチした人材が面接を受けに来ることはほとんど無いです。

お分かりでしょうか。これが現状なのです。マッチしていない人でも応募してきますし、そんな人でも結果採用もします。人がいないからです。

実際に私は前述の通り、1社目の外資系コンサルティングファームにエントリーした時、英語が絶望的にできませんでした。募集条件にはもちろん英語がありました。

転職エージェントに相談したところ、TOEICだと最低600点は欲しいとのことでしたが、実務の実績があるのでもしかしたら今の状態でも可能性があるかもしれないと言われ受けてみた結果、採用していただくことができました。

英語なんか入った後でも身につけることができるから、それを差し引いてでも採用したい、と思っていただけたのでしょう。

就職氷河期と言われていた頃やリーマンショック後では状況が違っていたと思いますが、求人が出ている以上、先方は喉から手が出るほど人材を欲しているのだという理解でいて良いです。

そんな中で多少募集条件に達していなかったとしても、面接くらいはしてくれます。全ての条件を満たしていないのではさすがに厳しいですが、英語はまだ勉強中とか、まだ実績が乏しいといったことであればエージェントに相談してエントリーだけでもさせてもらいましょう。

条件を満たすまでのタイムラグが勿体ないです。条件未満でも挑戦してみて、それでダメだったら条件を満たしてから再挑戦すれば良いだけです。

「一度落ちたら、二度目はないんじゃないか」

と心配になるかもしれませんが、心配無用です。募集条件に満たしていないから落とした場合であれば、それが満たされれば良いわけですから、一度目の結果に左右されることはありません。

また、募集条件以外の部分で不採用となった場合は、二度目も難しいでしょう。それは募集条件に満たしているかどうか以外のところで判断されたからです。

自分が目標とするゴールを達成できそうな企業を見つけたら、条件未満でも果敢にチャレンジしてみてください。

そうすることで、効率的に年収アップを狙うことができます。


4-11 安定という幻想

「安定を求めて今の会社に所属し続ける」とか「安定を求めて転職する」という考え方。こういった考えは捨てるべきです。

良く言われていることですが、私がここで本当に言いたいのは、

会社を軸にして安定を思考するな

ということです。逆に結論から言えば、

個人として自律すれば安定する

ということになります。

この議論は、会社員とか企業とか、転職すべきだとかそういった論点になりがちですが、私は個人としての知識・経験を戦略的に積んでいれば、身の振り方はどうにでもなると考えています。

貴重な経験を積んだ個人として存在できるのであれば、起業するも良し、サラリーマンでいるも良しです。万が一、所属する会社が倒産やリストラをしてきたとしても、採用してくれる会社はいくらでもあるでしょう。
(そういう人材なら倒産はあっても、リストラは無いでしょうけど)

結局のところ、安定を求めるとしても、知識や経験を積むことが必須なのです。しっかりと自分で鍛えた足で立てば、そこが大企業でも自分で興した会社でも結果的に安定するのです。


4-12 外部に種を蒔く

年収アップさせる方法は、他にもあります。

会社の外に、自分の生きられる道の種を蒔いておくことで、花が咲くこともあります。

ヘッドハンティングという転職のあり方です。

ヘッドハンティングは、会社の外部に自分の存在と価値を知ってもらうことで話がやってきます。

これは会社の中で仕事をしているだけでは絶対に可能性としては生まれません。

では、どうするか。いくつかあります。

・LinkedInに実績登録
・顧客に紹介依頼
・退職者とのネットワーク

私の周りで効果があると感じているのがこの3つの手法です。

LinkedInは、ビジネスに特化したSNSで、企業の採用手段としても良く用いられています。

特に外資系企業が活用している印象で、募集条件に合致する個人にダイレクトで求人を持ちかけるのです。

あなたも実績やスキルを登録しておくことで、条件の良い転職話が向こうから舞い込んでくる可能性が出てきます。

次に顧客に紹介依頼というのは、仕事上やりとりしているクライアントに自分を売り込み、クライアント企業やクライアントとやりとりのある別企業に紹介してもらう方法です。

クライアントに対して、高い価値提供をしたことで、

「うちに来ない?」

という話になります。また、クライアント企業そのものじゃなくても、

「うちと繋がりのあるあの企業に、君のこと紹介してあげるよ」

となることもあります。

最後に退職者とのネットワークも捨ててはならず、定年退職でない限り、退職者は別のところで仕事をしています。そこから、

「君もこっちに来なよ。」

と言われて話が降ってくるパターンです。

私はこのパターンでヘッドハンティングを受け、今の会社に至ります。

これも退職した人と定期的に連絡を取り合い、繋がっていたから話が舞い込んできたことです。仕事のできる上司や先輩に対しては、在職中に自分の仕事ぶりをアピールし、退職した後も繋がり続けておくと良いでしょう。


4-13 価値を最大化する

あなたが仕事をする社会的意義は何でしょうか。

それは世の中に価値をもたらすことだと、私は思っています。

あなたが仕事をした分だけ、世の中がより良い状態になるべきです。

逆に言うと、世の中に価値提供できないような誰も幸せにならない仕事などするべきではありません。ここまでは前提。

生み出した価値を享受する対象は何でも良いです。

社会全体、クライアント、自社、社内の関係者。

その仕事を達成することで、クライアントの増収に繋がることはもちろんのこと、先輩の負荷が下がるといったことでも良いです。

価値を享受する対象をしっかりと認識できたら、徹底的にその価値を最大化することを考えて仕事をしましょう

やっつけ仕事でやるとか、時間が来たから終えるだとか、そういった考えだと価値を最大化しているとは言えません。

他者から与えられた仕事であっても、どうしたら自分が生み出す価値を最大化できるのかを考えていると、自然と評価も年収もアップしていくものです。

本来、生み出した価値の対価が報酬ですから。

当然のことなのですが、意外と意識できていないものなので、常に価値にフォーカスし、どんな仕事であっても価値を最大化させることを考えてみてください。


4-14 働き方改革に対する考え方

ここまでお話してきて、非常にストイックな考え方だと思われたかもしれません。

「働き方改革がうたわれている中で、そこまでやるのは難しい」

では、働き方改革とは何でしょうか。

ワークライフバランスを保つ?

月間残業時間を○時間に抑える?

定時で帰る?

生産性を上げる?

どれも非常に大切なことだと思いますが、私の意見を言わせてもらうと、全て知識と経験を積んだ人だからできる「結果」です。

単純な話、新卒で入社してきた新人サラリーマンが、働き方改革だと言って、生産性を上げることができるでしょうか?

私は難しいと思います。工夫をすれば生産性を上げられると言いますが、知識や経験が無い状態では、工夫のしようが無いのです。

そのため個人的には、若手の頃はワークライフバランスを無視して仕事に没頭する期間があるべきだと思っています。

サラリーマンでは、こういった考え方に難色を示す人がいますが、独立・起業する場合、毎日8時間で週5日作業しているだけでは、事業が軌道に乗らないのではないでしょうか。

そう考えるとサラリーマンも一緒で、一個人として自分の仕事をコントロールし、働き方改革の名の下にワークライフバランスを保てるようになるには、短くても仕事に没頭する期間が必要だと考えています。

一度知識や経験が身につき、年収もアップしたならば、そこからいくらでも生産性を上げ、ワークライフバランスを保ち、仕事以外の時間を充実させることはできるのです。


第5章 年収1300万円を達成する仕事術

ここまで年収をアップさせるための仕事に対する考え方をお伝えしてきました。これらの考え方を取り入れていけば、必ず年収アップさせることができるでしょう。

では、明日からでもできるテクニックは無いのかということで、この章では私が仕事をしている中で実際に使っている具体的な仕事術をご紹介します。

色々と取り入れられる内容はあると思うので、明日からの仕事のために是非参考にしてみてください。


5-1 議事録の取り方

あなたは、議事録を取ってくれと頼まれた時、どのように対応していますか?

会議に参加して、パソコンのメモ帳に喋っていることをメモして、会議が終わったら正式な議事録フォーマットに清書。こんな感じでしょうか。

これでは時間が勿体無いです。1時間の会議に3時間くらいの議事録作成時間が必要になったりしていませんか?半日潰れてしまいます。

「議事録は会議終了後5分以内に送る」

これが私のルールです。後輩や部下がついた時には必ず徹底させています。

「無理に決まってるだろ。」

という反論が出てくると思います。後輩や部下に言うと必ず最初に無理と言われるので、その反論が出てくることは分かります。私も最初は無理だと思っていました。

ですが、コツを押さえればあなたにも必ずできます。考え方を変えてみてください。

「議事録は会議前から書き始められる」

このことに気づく必要があります。会議前にできる準備は色々とあるのです。会議の主催者および参加者に下記の4点を事前に確認しておきましょう。

・議題を確認する
・資料を確認する
・論点と落とし所を確認する
・参加者の意見を確認する

まずその会議でどのような議論が予定されているのか確認しておきましょう。そうすることで、会議の議題をあらかじめ議事録書いておくことができます。

どのような話が会議でされるのか想定しておくことができるので、会議中に心の準備をしておくことができます。

そうすると、想定した会話内容なので、焦らずに大事な要素を記録していくことができるのです。

また、会議で使用する資料にも事前に目を通しておくようにしましょう。会議で議論される内容について、現在わかっている事は何なのかを資料で把握しておくことができます。

そうすることで、会議の中でメモしなければいけないことと、資料に書いてあることの識別ができるので、会話の記録を効率的に行うことができるようになります。

さらにその資料から、会議主催者の思い描いている論点と、どのような結論に着地させたいのかを推測しておきます。必要に応じて主催者にも実際に確認しておくようにしましょう。

これで会議進行の流れを把握することができるようになるので、圧倒的に効率的に議事を記録できます。

最後に参加者に事前ヒアリングをします。と言ってもわざわざ時間を取ってもらってやるというよりも、立ち話ついでに聞いたりする程度で十分です。いわゆるエレベータートークのような気軽さで聞いてみるのです。

「今度○○という会議がありますが、どう思いますか?」

このくらいの軽い聞き方で、各参加者の思いを聞いておきます。

注意したいのは、各参加者にも本音と建前があるということです。本音ではそう言うものの、会議の場では全く逆のことを言っているということも、残念ながらサラリーマンの世界ではよくあること。

その良し悪しは別の場で論じるとして、議事録を取る立場としては、その人の立場を考慮した上で、意見を受け取る必要があります。

ここまで情報収集することで、議題、参加者の意見、(主催者が描く)結論が会議前に揃うので、議事録を書き始めることができます。

これが「議事録は会議前から書き始められる」と主張している根拠です。

あらかじめ論旨を理解しているため、会議中に話が脱線してもすぐに気づくことができ、無駄な話を記録することが無くなります。最小の労力で重要なことだけを記録していくことができるので、会議中に議事録を完成させてしまうことができるのです。

会議終了後の5分間で、結論とTo-Doを整理して送ることができるようになります。

ちなみに議事録展開用のメールも事前に準備しておくことができますよね。

準備にかける時間が30分程度、会議終了後に5分で合計35分の作業です。

最初はここまで完璧にできなくても、このやり方を意識するだけで圧倒的に議事録作成にかかる時間が短縮できるので試してみてください。

また、場合によっては議論が白熱して、結局結論は何だったの?ということがありますが、主催者の意図と大局的な議論の展開を汲み取って結論を書き切ってしまうようにしましょう。

そして思い切って展開してしまうのです。認識が間違っていれば、議事録を展開した時に参加者から指摘が入るはずですから。

指摘がなければそれが決定事項になります。自分一人で悩んでいても解決しないのに、悩んでいつまでも議事録を展開できない人をよく見かけます。

これは本当に改めるべきです。議事録はあなた一人で仕上げるものではなく、参加者全員で最終化するものと心に留めておいてください。

ちなみに、会議内容をボイスレコーダーに録音して、後で聞き返しながら議事録を作成する人もいますが、これも私は反対です。

時間が掛かりすぎるからです。

ボイスレコーダーで聞きなおしながら議事録を作成していたら、会議の倍以上の時間が掛かってしまうので、止めるべきです。

会議は録音しない

これが大前提。録音に頼ってしまって会議中の集中力が薄れてしまいます。どうしてもという人は、万が一聞き逃した時のためと肝に銘じ、基本は録音しても聞かないという意識でいてください。


5-2 会議スキル

議事録に次いでお伝えしたいのは、会議スキル。

クライアントが開催する会議に出席していると、要領があまり良くない会議に遭遇します。

参加者として出席していても、要領の悪さに不満が募ることもしばしば。

会議も効率的に運営することによって作業時間を減らしていくことができます。

会議を効率的に運営するコツはこちらの4つ。

・会議のゴール設定
・必要十分な参加者の確保
・事前資料の共有
・ホワイトボードの使用

まずは何と言っても会議のゴール設定。

そもそも何のためにその会議を開催するの?と言うところが抜け落ちている会議に遭遇することがまだまだあります。

その会議が終わった後にどうなっていることを期待して開催するのかを強烈に意識しましょう。

また、設定したゴールを達成するために必要な人物の参加は必須ですが、その人だけ予定が合わないけど他の人が参加できるからと、

「とりあえず情報共有の場として執り行なおう」

といった強行開催した結果、目的がそもそもズレてしまうこともあります。

必要以上に人を呼ぶのもNG。会議というのは会議時間×参加者分の時間を奪っているのだということに気づきましょう。

役職の高い人を集めれば集めるほど、高コストな会議になってしまうのです。

さらに事前資料の共有も確実に実施しましょう。予定を押さえるだけ押さえて情報提供せず会議当日を迎えるとどうなるでしょうか。

まず、参加者が開始早々資料の読み込みを始めます。

そんな中で主催者としては結論にたどり着きたいために、何らかの判断を扇ぎます。その場で情報を与えられ、読み込みきれていない情報から判断をすることになるので、良いことは一つもありません。

遅くとも会議の前日には参加者に資料を送付し、一読してもらうようにしましょう。

最後に、ホワイトボードの使用。

こちらは会議中のテクニックなのですが、ホワイトボードは必ず使用すべきです。

今何を議論しているのか、ゴールは何なのか、その場で出てきた意見は何なのかをホワイトボードがあれば、全て可視化することができます。

そうすることで、全員が同じ土俵に立てるので議論がスムーズに進むのです。

そして、結論もホワイトボードに書き出し、スマホでパシャっと撮影し、メールで参加者に送付することで、議事録の代わりにすることもできてしまうのです。

私はよくこの手法を使って作業を効率化しています。

パソコン+プロジェクターで投影でも良いでしょうが、このスピード感には勝てません。

もしプロジェクター投影する場合は、投影している資料の中にその場で出てきた意見を打ち込んでいくのです。そうすることで、議論内容や結論が資料に残るので、会議終了後にその資料を送って事後作業完了となります。

ぜひ試してみてください。


5-3 段取りスキル

サラリーマンとして企業に勤めている以上、段取りスキルは必須です。

決めたいことがある時に、いきなり必要な関係者を集めて、内容を説明して決断を求めても、意図した通りにコトが運ぶことは少ないですし、あるとしたらそれはラッキーくらいに思っておいた方が良いです。

スムーズに仕事を進めるために、段取り力を鍛えましょう。

たとえば、決めたい事がある場合、必ず水面下で関係者への情報共有や、決断できる人への事前相談などをしておきましょう。

その際には、「こうだと思うのだがどうか」と自分なりに仮説を立ててから相談しにいくと、判断してもらえる可能性が高くなります。

極端な事を言えば、会議は形式上必要な儀式くらいにいると良いでしょう。

これをもっと汎化させて言うと、「関係者がいきなりこの事を持ち掛けられたらどう思うだろうか」というような視点に立てると、事前に段取っておかなければならない事が分かってきます。

私が周りをみている限り、仕事ができる人は総じて段取り力があります。

状況を自分の思うままにコントロールできるのですから当然です。

仕事をうまく回し、年収アップさせるために段取り力を上げていきましょう。


5-4 資料作り

あなたは資料を作る時、どうしていますか?

いきなりWordやExcel、PowerPointを立ち上げて作り始めているのでしょうか。

もしそうであれば、即刻やめてください。非効率です。

効率的な資料作りの観点は2つあります。

・フレームワークの使用
・資料の設計

まずは、今から作る資料と同じものが、別案件などで既に作られていて使い回せる資料が無いかを確認してください。

イチから作り始めないということです。情報を整理するための資料などは特に当てはまります。

自分の思いを込めて一生懸命資料を作っても、

「なぜそれで情報が足りていると言えるのか」

というツッコミを受けるからです。このツッコミに対する答えを用意しておかなければなりません。

この問題に対するシンプルな解決策が、フレームワークを使用することなのです。

たとえば、事業戦略を立てるための資料を作成する場合、

「これとこれとこれを鑑みると、こうすべきです!」

という説明をされるより、

「3C分析の観点で考えると、こうすべきです!」

と言われた方が納得感は断然ありますよね。

3C分析とは、顧客(Customer)、自社(Company)、競合(Competitor)の頭文字を取った分析手法で、事業計画やマーケティング戦略を検討する場合に使います。

この違いは、フレームワークに当てはめているかどうかです。

前者の場合、なぜ提示されたそれらの情報だけで足りるのかが聞き手としては判断できませんので、「それらの情報だけで必要十分な理由」をちゃんと説明しなければなりません。

一方で後者の場合、3Cというフレームワークに当てはめているので、顧客と自社と競合の3つの観点に沿って状況が整理されていれば、情報としては必要十分であると納得できます。

このようにフレームワークを使用した資料というは、説得力という点で非常に強力です。

ただし、どんな資料でもこのような世の中に出回っているフレームワークがあるわけではないので、過去に同じような資料を使っていれば、それを流用するのです。

過去資料というのは、それが実績となっているので、コンテンツはそれに当てはめて収集すれば良いのです。

資料の目次をイチから作らずに、過去資料の目次をパクれば良いというイメージです。

それだけで納得感のある資料を作れますし、圧倒的に作業時間短縮につながります。

また、2点目の資料の設計という部分も意識すべきです。

先ほどの3C分析の例でいうと、3つのCについてや、その結果導き出される結論や、結論からどんな判断をしてほしいのかといったメッセージラインについて考えずに資料を作り始めるべきではありません。

まず紙とペンを持ってどのような資料にするのか思考するのです。

思考して、構成と内容が紙面上で固まった段階で、初めてパソコンで書き始めます。もはやただの清書ですね。

本当にそのくらい、紙とペンを使って資料の設計に時間を費やし、パソコンでは清書するだけといった意識でいると、資料作成時間が大幅に短縮できます。

最初は手間がかかって非効率と思われるかもしれませんが、やってみると本当に効率的なので、是非試してみてください。


5-5 データに強くロジカルに

主張はデータで語らなければ説得力がありません。

とにかくロジカルに、定量的に物事を語れるようにしましょう。

そのためには数字やデータに強くなる事です。

「これをやれば人件費○百万円分コストカットできるのでやりましょう。」

と主張したところで誰が信じるでしょうか。

根拠がマルっと抜け落ちているから説得力が全くありません。

「これをやれば、年間○時間だけ掛かっている作業ステップ10個のうち、6個を省略する事ができるので、作業時間が40%になります。この作業に従事している社員の役職は〇〇なので、1時間あたりの人件費を○円とすると、年間で○百万円の人件費が削減でき、これをやるコストは○億円ですが、○年間で回収できますのでやるべきです。」

これでも単純化して表現していますが、一定の説得力はあると思いませんか。

事実と主張はしっかりと分けて語らなければなりません。

「事実を積み上げるとこうである。よって私はこういう主張をするのである。」

このように主張は事実の上に成り立たせる必要があり、事実を裏付けるのがデータなのです。

常日頃から自分で資料を作るときや、他者が作成した資料をみるときに、根拠になる部分が主張になっていないか、その事実を裏付けるデータがあるのかといったことなどを意識するようにしてみると良いでしょう。


5-6 早期の承認者確認

資料作りは、必ず承認者を巻き込むようにしましょう。

それだけで効率が数倍異なります。

ここで言っている承認者とは、あなたが作成した資料をチェックして最終的にOKを出す人のことです。

大抵の場合が上司かクライアントになるでしょう。

多くの人は、この流れで作業をすると思います。

①資料を作る。

②承認者が確認する。指摘を出す。

③指摘を反映する。

④承認者が確認する。OKを出す。

この場合、②と③を何度もやりとりする事が多くなります。

私が推奨するのはこちらの流れです。

①資料の目次を決める

②承認者が確認する。指摘を出す。

③指摘を反映する。各目次のメッセージを決める

④承認者が確認する。指摘を出す。

⑤指摘を反映する。各目次に取り入れるコンテンツと構成を決める

⑥承認者が確認する。指摘を出す。

⑦指摘を反映する。全て書き上げる

⑧承認者が確認する。指摘を出す。

⑨指摘を反映する。

⑩承認者が確認する。OKを出す。

今回は提案書を作成する時をイメージして表現してみました。

ステップは非常に多く感じますが、早い段階で承認者との認識を合わせておいた方が、修正が少なくて済むのです。

資料全体の構成を考えて目次立てをした状態のものを、コンサル業界では「スケルトン」と言ったりします。文字通り骨組みだけの状態です。

この状態で承認者に確認を取り、認識を合わせるのです。

骨組みが間違っている状態で肉付けしてしまったら、修正の範囲がそれだけ多くなってしまいます。

「承認者は何度も取られてたまったものじゃない」

と、フローだけをみると思いがちですが、1回1回のチェック観点が限定されているので、承認者側になってみると意外と負荷にならない事がわかります。

逆に、早い段階で資料を確認することができるので、イメージしていたものと違うものが出来上がっては来ないだろうかという不安を抱かなくなるので、とても良い方法です。

資料を作るときは、早いタイミングから承認者を巻き込んで確認してもらうことを心がけ、効率的な資料作成を意識しましょう。


5-7 メール術

「メールは即レスを心掛けましょう」と、色々な仕事術の本でよく見かけますが、本当にその通りだと思います。

メールは時間が経てば経つほど、返信が億劫になるんです。

そうでないなら見たその場で返せますからね。

では具体的にどうするか。2つあります。

・作業をしているときはメールアプリを落とす
・メールを読んだら3分以内に返信する

大前提として、作業中はメールを見ないようにします。

作業の途中でメールを見ていると、その都度集中力が途切れてしまうため、どうしても作業効率が落ちてしまいます。

メールアプリは、作業がひと段落したタイミングで立ち上げてチェックし、チェックが終わったらまた落としましょう。

その上で、メールをチェックしたら3分以内に返信することを心掛けるのです。

メールを送った相手にとってみると即レスにはなりませんが、このやり方が最も作業効率が良いと私は考えます。

「中には、検討が必要で即レスできないメールもある」

という意見があると思います。どうするか。

「メールを受け取った」ということを即レスするのです。

それだけで相手は安心します。あなたがメールを見てくれたのかということが一番の心配なので、まず安心させてあげましょう。

そして、即レスのメールの中で、用件に対する正式な回答ができる見込みを伝えるのです。いつまでに回答するかを伝えます。

これで良いのです。とにかく即レスすることで、相手も自分も安心できる状態を作るように心がけてください。


5-8 タバコ部屋コミュニケーション

これは賛否あるかと思いますが、私はタバコ部屋コミュニケーションはまだまだサラリーマンにとって重要であると思っています。

ちなみに断っておくと、私は生まれてこのかた、タバコを吸ったことが一度もありません。火のついていないタバコをくわえたこともありません。

幸いなことに、そのくらいタバコとは無縁でここまで生きてくることができました。


タバコ部屋コミュニケーションの話に戻すと、私の場合ですが、今まで直接の評価者や人事権を持っている私にとってのキーパーソンにタバコを吸う人が多かったのです。

その人たちは、よくタバコを吸いにタバコ部屋に行きます。

そこで私はどうするかというと、一緒についていきます。タバコを吸わないのにです。コーヒーやお茶を持ってタバコ部屋に入るのです。

タバコを吸う人は、タバコ部屋で気が緩んで何でも話してくれるようになりますし、寛大になる傾向があります。

そこで、私の仕事上の希望を進言したりすると、明らかに無理なことでない限り、比較的通りやすいですし、関係性も良好になれます。

「そんなことはタバコ部屋の外でやれ」

と批判される人もいると思います。それに関してはおっしゃる通りです。

ただ私の場合、比較的平気だったので、ついていきます。

楽なんですよね。普通にコミュニケーション取るよりも相手が寛容になっているので。

これに関しては、積極的にオススメしません。本当にタバコがダメな人もいると思いますし。

昭和か!という印象ですが、残念ながらまだまだこの文化は根強いので、平気な方は取り入れるようにしてみると、社内での過ごしやすさが変わるかもしれませんよ。


5-9 昼休みの過ごし方

昼休みの過ごし方にも私なりのこだわりがあります。

・昼休み時間にこだわらない
・1人で過ごす
・外で美味しいものを食べる

まず、可能であれば昼休みの時間帯は自分でコントロールしましょう。

職務規定によっては昼休みの時間を12時から1時と決められてしまっている方もいるかもしれませんが、自由な時間で取れるのであれば、午前中に予定していた仕事の区切りがついたタイミングで取りましょう。

理由は集中力です。

せっかく集中力が高い状態で作業している時に12時だからといって作業をストップして休憩するのは勿体無いです。

そのまま集中力が高い状態で作業を継続し、ひと段落したタイミングで昼休みにした方が1日の成果は高いはずです。

その時間が14時だろうが15時だろうが良いと思っています。

自分で行こうと思ったタイミングで昼休みを取ります。昼休みは1人で過ごすと良いです。

自分のパフォーマンスを回復させることに専念できるからです。

たとえば一緒にランチする人がいると、楽しいかもしれませんが、1人で過ごす場合に比べると回復力で劣ります。

ランチの場所を好きに決められなかったり、色々と気を遣うでしょう。

気兼ねなく休憩時間を過ごせるように1人で過ごし、好きなように過ごして午前中で疲れ切った脳と体を休ませましょう。

ランチはどうするか。私は外で美味しいものを食べるようにしています。単純に美味しいものを食べると、モチベーションがアップするからです。コンビニのパンで簡単に済ませるより、午後圧倒的に気合が入ります。

やめた方が良いのは、デスクでランチを取ることですね。全くリフレッシュできないのでオススメしません。時間が無かったとしても意識的に昼休みを取るようにした方がその後のパフォーマンスが良くなりますよ。

また、どこかのカフェに入って睡眠を取っても良いと思います。本当に疲れているときは私も數十分寝たりします。寝ると決めたらデスクで寝るのも良いでしょう。

とにかく、午前中に疲れ切った自分へのケアのために目一杯時間を使うようにしてみてください。


5-10 気分転換の仕方

仕事をする上では適度な気分転換が必要です。

デスクワークでずっとパソコンに向かって何時間も作業していると、集中力も落ちてきますし疲れも溜まりやすいです。

少なくとも2時間に1回くらいは小休憩を取るようにしましょう。

私のオススメは散歩です。オフィスの外を10分くらい散歩するのです。

近くのコンビニまで買い物という形でも良いですが、できれば何も考えずに深呼吸しながらゆっくり散歩して、気持ちをリフレッシュさせることに注力してください。

散歩することで運動不足解消にもなります。

また、YouTube動画やオーディオブックを聴くのも良いです。何も考えずに散歩することと同じくらいオススメです。

YouTube動画といってもエンタメ動画を歩きながら視聴するということではなく、ビジネス系の聴くだけで頭に入ってくる動画を画面を見ずに耳だけで聴きます。

この時に重要なのは、ビジネス系の動画といっても本業とは関係ないテーマを選ぶことです。

本業に近い動画ですと、どうしても気持ちのリセットができずに、気分転換にならなってしまいます。

私が最近聴いているのは、リベ大の両さんの動画を2倍速で聴いています。お金に対する考え方や人生観について、とても良質なインプットになっています。オススメです。

勤務時間中ずっと仕事しているよりも、こまめに小休憩として散歩をすることでリフレッシュでき集中力が回復してくるので、仕事の生産性も上がります。是非取り入れてみてください。


5-11 作業効率アップ!おすすめツール3選

仕事術とは違いますが、私が作業効率を上げるために重宝しているツールをご紹介します。

まず1つ目。「方眼紙」です。

普通のノートを使っている人が大半かと思いますが、私は方眼紙を使っています。

最初の外資系コンサルティングファームに転職した時に会社の備品として常備されており、それから使い始めました。

方眼紙だと普通のノートと違って、図解がしやすいのです。

頭の中で悶々と考えていることを方眼紙に落としやすく、情報を整理するのに役立っています。

また、PowerPointでスライドを作る際は、必ず方眼紙に下書きをしてから作ります。方眼紙なので、スライドのどの位置にどのような情報を入れるのかなど、構成を検討するのに非常に役に立つのです。


次にオススメするのが「ペン」です。

私はもう何年も三菱鉛筆のジェットストリームというボールペン1本を替え芯を買って使っています。とても書き心地が良いのでオススメなのですが、ここで言いたいのは、自分が書きやすいと思ったボールペンを使い続けるべきということです。

書き心地が良いと文字を書きたくなりますし、なぜか綺麗に書きたくなります。

この辺は個人差があるかもしれませんが、自分のお気に入りのペンを見つけると、メモや紙にアウトプットしたくなる習慣が身につきやすいでしょう。


最後に紹介するのが「耳栓」です。

私が作業に集中したいときは必ず耳栓をしています。

物理的に周辺の音がカットされるので、周りでしている会話に気を取られることなく目の前の作業に入り込めます。

また、耳栓をしていることで、多少の声掛けに反応しなくなります。どうしても今話さないと、ということ以外は周りの人も自粛してくれるようになります。耳栓をすることで、この効果も狙っています。笑

音楽を流している方が集中できるという方もいるでしょう。その辺りはそれぞれに合った集中できる環境を作るようにしましょう。


第6章 年収1300万円のその先

さて、年収をアップさせる思考法と具体的な仕事術についてお伝えしてきましたが、年収1300万円の私はどこまで年収アップさせる予定なのかということについてお話します。

結論から申し上げると、もう自発的に年収を上げるつもりはありません

1300万円も稼げたら十分です。

これ以上稼げる役職に上がってしまうと、社内の管理作業が非常に多くなり、会社側の人間に近づいてしまうのです。

会社側の人間に近づいてしまったら、仕事をする上でも支障をきたします。「これはクライアントの価値向上に貢献しない」といった仕事があったとしても、「自社の売り上げのために作業を継続する」という判断をすべき立場になってしまうのです。

こうなったらもう企業側の人間で、いくら年収が高いからといってこのような判断をしなければいけない役職にキャリアアップしたいとは思っていません。

また、売上に貢献しない社内の管理作業が重くのし掛かってくるので、現場の前線で仕事ができなくなるのも本意ではありません。

もちろん一方で企業経営のスキルが身につくといった面もあると思います。

しかし、そのようなことをやりたいのであれば、いっそのことサラリーマンとしてではなく、起業してしまえば良いと思っています。

役職が上がらずに勝手に年収が上がってくれる分には大歓迎ですが、これ以上は仕事の負荷を変えない、または抑えるようにしてワークライフバランスを保っていきたいと思っています。

サラリーマンの年収なんて、外資系投資銀行員とか上を見たらキリがないですからね。

1000万円超えても生活が圧倒的に楽になるという訳ではないですが、そのくらいまで稼げれば、サラリーマンとして頑張るのは十分です。

仕事を頑張ることに対するコスパが悪くなってくるので、私はプライベートの時間を充実させたいと思っています。

もちろんサラリーマンを辞めて個人事業としてやっていくことも考えています。


最終章 年収がアップしたら

最後にサラリーマンとして頑張って年収を上げることに成功したら、ということについてお話して、このnoteを閉じたいと思います。

年収がアップしたら、サラリーマンとは別の事業や投資にお金を回していきましょう

いくらサラリーマンの年収を上げることができるといっても限界があります。もっと頑張れば2000万円くらいは稼げるようになるでしょう。

実際に私の先輩でもそのくらい稼いでいる人はいます。

しかしながら、その先輩のようになりたいかと聞かれたら、答えはNoです。

生活の90%くらいが仕事になっているからです。コスパが非常に悪い。

そのため、生き方の選択肢を広げることに注力していきましょう。

そういう意味で、副業に時間を費やしても良いですし、投資の勉強をするのも有意義だと思います。

私は副業として、ブログやアフィリエイトをしており、これからも継続していくつもりです。

投資も以前からやっており、色々な投資先の情報収拾をしています。

このように、ある程度稼げたら自分の労力を分散させていきましょう。

そうすることで、収入を下げることなく、今より自由な人生を手に入れる可能性が高くなってくるのです。

それに副業や投資と合わせれば、年収3000万円など本業だけでは稼ぐことがほぼ不可能な収入を稼ぐ可能性も見えてきますので、積極的にあなたの人生に取り入れていってください。


若い頃は、サラリーマンの本業に全力投球して自分の仕事をコントロールできるようにする。そして本業が軌道に乗ってきたら、少しずつ本業を頑張る割合を下げていき、副業や投資に割り当てるようにしていきましょう。

あなたが年収をアップさせ、人生をもっと自由に生きていくことを祈っております。

私もまだまだ道半ばですので、一緒に頑張っていきましょう。


おまけ

このサラリーマンの教科書は、2週間という短い間で本業の合間を縫って書き上げました。

腰を据えて考えたら、伝え足りないことがまだまだ出てくるかもしれませんので、気づいたら加筆修正していきます。

また、読んでいただいた方のご質問にも答えられるものは、このnoteに追記する形で答えていきたいと思っていますので、ご質問や書いて欲しいことがあれば、こちらのTwitterアカウント(@omusubiz)までDMいただければと思います!

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