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優良noteの教科書

そうだ note、書こう。

「大会で結果を残した」「新環境直後で良いデッキが出来た」「画期的なオリジナルデッキを思いついた」「〇〇デッキの回し方やプレイングに自信がついた」…etc
カードゲームをやっていると、色々なタイミングで『情報発信したい!』と思うことがありますよね。

それに適したサービスが、今まさに読んでいる「note」。昨今カードゲームの情報発信で当たり前の文化になっているこれを活用しない手はありません。

ただ、noteを書くときにつきものなのが『なんか大変そう…』『どう書けばいいかわからない…』といったスタートの抵抗感。カードゲームの得意不得意と物書きの得意不得意は別のスキルですから、当然の懸念です。

しかし、それを理由に避け続けるとnoteという発信手段がどんどん遠い存在になってしまいます。どんなに輝かしい実績をあげても、どんなに素晴らしい知見を持ったとしても。それはあまりに勿体無い。

そんな足踏みしている人のために『私のできる範囲でnoteの書き方を伝えよう!』というのがこの記事の趣旨です。

先に予防線を張るのですが、私は別に本職のライターではなく、物書きとも縁遠い仕事をしています。これから語る知見は、私が何度もnoteを書く中で得た経験則の蓄積です。体系的に学んだものではないので一つの考え方として受け止めてもらえると幸いです。

説得力の足し程度に、noteの実績として代表作を載せておきます。noteの実績…?


兎にも角にも『内圧を高めろ』

noteを上手にみせるノウハウは色々あれど、まず根本的に欠かせないものがあります。
それは『自分の意見を世に出したい!!』という強い発信欲求です。ほぼセットで付いてくるのが『その意見に反応してほしい!』という承認欲求。
SNSと変わりません。『自分の意見に「いいね」が沢山貰えるとめちゃ嬉しい』が原動力です。

とある日本の漫画家はこんな名言を残しています。

私は『読んでもらうため』にマンガを描いている『読んでもらうため』ただそれだけのためだ
単純なただひとつの理由だがそれ以外はどうでもいい

R.Kishibe

この境地に至れている人はバケモノです。ですが趣味でnoteを書いているであろう一般の我々はこうはいきません。金やちやほやされるためにnoteを書いています。

しかし、金やちやほやされるnoteには相応の中身が必要です。文才を持つ人やマーケティングがしっかりしてる人はある程度狙ってその「中身」をつくることができますが、普通は難しい。

そんな最初の頃から使える武器が『自分の内からふつふつと湧き出る発信欲』です。
半端な真似事や小手先のnoteを書くよりも、あなたが『書ぎたいっ!!!!』と思っている本気の何かをまず画面に吐き出すのが大事。そこには必ず価値があります。
本気が伝わるものであれば、同じような価値観をもった人がどこかにいて、少なからず刺さるからです。偶然にもそれが多くの人に刺さる内容だったときにちょっと跳ねるかも。最初はそのくらいでいいのです。

例えば私が昔書いたこのnote。

このnoteの動機は、冒頭に書いてる理由が嘘偽りなく100%で『素晴らしく面白いアニメに出会えた。人にオススメしたすぎる』という内圧が昂りすぎた結果なんですよね。ただそれを鎮めるために筆をとったにすぎません。これは偶然にも「読んでもらうため」ただそれだけで書いたnoteでした。

勘違いしてはいけないのが「読んでもらうためのnote」と「書きたいことを書くnote」は全然違います。このnoteだって独りよがりに書くならひたすら名シーンを熱く語ればいいのですが、アニメ未視聴の人に見てもらうための記事で最初から視聴済みの熱量で捲し立てられたら普通に引きます。
どうすればいいかと考えて、『カードゲーマーに普遍的に刺さる心得』という話の軸を通したに過ぎません。

動機はなんでも構いませんが、できれば自分の内から湧き出るものが望ましいです。
『優勝したデッキのこと書いたら売れるらしいから書くかー』というのを否定するつもりはありませんが、動機としては弱く、noteを書き上げる姿勢も受け身になりがち。
書いていくうちに『え、note書くの結構大変だな…面倒になってきた』『いいや、このくらいで出しちゃうか』みたいにモチベーションが下がっていきます。書く義務なんてないわけですから、妥協する理由はいくらでも出てきて当然。ですが、そうやって妥協しまくったnoteの質は読み手にもすぐバレるものです。

折角頭出しの熱量や題材は良いのに、尻すぼみになっていく記事をみかけたとき、私は残念な気持ちになります。折角書くなら妥協せずやり切ること。やり切るためのエネルギーが内圧です。


内圧は高められる

ここまで読んで『いや、そんな急に言われても気持ちが乗らないよ』という人が多数だと思います。わかります。私自身、そこまでnoteの執筆頻度は高くありません。理由は簡単で、書けるだけの内圧が溜まってないからです。
私の中で『もう我慢の限界だ。noteに吐き出さないと!!』となってから筆を取っています。

ひたすらに機を待つのも一つの手ですが、内圧を高めるために精神論ではない実践的なテクニックがあります。それは「小出しにしないこと」です。
私の場合、noteで語れそうなことをX(Twitter)に書かないよう心がけています。

例えば『〇〇対面、これ意識するだけで勝てるんだけどなー』みたいなツイートをしたとします。これに10いいねくらい反応があると、少なからず満たされてしまうのです。発信欲求と承認欲求が。
これがよくない。満たされてしまうから。
「それな」と思える内容は同意を得られるもの。一定のいいねは貰えるでしょうから同じことを何度かやってしまう。そうすると、ずっと内圧が溜まらないんですよ。小出しにガス抜きしちゃって、書くエネルギーになりません。あらためてnoteにしようとすると面倒に感じ、手軽に発散できるSNSに気持ちがいってしまう。

私はこの「小出しにしない」方法を実践しています。この「優良noteの教科書」を書こうと決めたのは2023年の1月ですが、それからnoteに物申す話題になるべく触れないようにしてきました。

やれ「優良noteの値段がどうこう」「有料部分の質がどうこう」など、正直言いたいことはたくさんあったのですが、全部読むだけにしていました。
そうして溜めてました。『noteについて書ぎたいっ!!!!』という内圧を。

それが爆発したからこそこの記事を書けています。
何も一切X(Twitter)で発言するなということではありません。なにか一つに絞って、noteに書きたい内容は小出しにしない。これで内圧は高められます。


一番書きたいことから書け

内圧が高まり筆を取ったあなたに、最初の壁が立ち塞がると思います。『実績ない。自己紹介どうしよう…』『文章構成が思いつかない…』といった話の入りに悩む挫折です。

いやいや、勿体ない。鉄は熱いうちに打て。
折角高まった内圧を吐き出すのに何を些細なことに気を取られているのか。文章の構成なんてあとで考えればいいのです。とりあえず一番伝えたいことを全部文字に書き殴りましょう。

読み手の読む順番通りに書こうとするのは最初にハマる罠です。noteは頭から書くものではなく、伝えたい本題から書くものです。

この方法の何がいいかというと、その時点でそのnoteの良し悪しが大体わかるからです。

『お、いいこと書けてるな自分』ってなったらもう出すしかないですよね、世に。『折角いいこと書いたのにこのままお蔵入りにするなんて勿体ない』この思考になれることが大事。
そうすると『この内容を伝えるにはどう話を持っていったらいいか…』とゴールから逆算の思考になります。着地点もよくわからず頭出しの自己紹介や前置きから書いてしまい、ジワジワとモチベーションを失うよりも精神的に健全です。
逆に『あれ、文字に起こしてみたらそうでもないな…』や『そもそも自分が伝えたい話ってまとまりないかも』となれば、この時点で切り口を変えるとか、もう少し寝かせておこうとか、書き切るのと別の選択肢だって生まれます。

私はこの手法でnoteを書いています。例えば「ワンピカードの教科書」。この記事でまず書いたのは「8キッド攻略」「レストのキャラを利用しろ」「+4000イベントを利用しろ」あたりです。noteの記載順では後半のほうですが、言いたかったのはこの辺。あえて先に書き上げてしまい『これお蔵入りにするの勿体無いな…』と自分を焚き付けることに成功しました。

しかし、その話を伝えるならそもそも前提となる5000アタックの理解が必須。それを理解してもらうには図解がないと厳しそう。『……もうここまで書くなら「教科書」みたいな軸にしてとことんやったるか!』に至ります。
今思うと飛躍が過ぎますが、書けば書くほど妥協で出したくない気持ちが高まり続け、頑張りました。最初から教科書を書こうとしたわけではなく、どういう軸の通し方なら伝わるか考えた結果があの形だっただけです。

一番書きたいことをゴールに据えて、逆算して話の持っていき方を考えましょう。


構成はまず箇条書き

書きたい本題が決まったら、あとはそこに向けて頭の自己紹介から…ではありません。その書き方は概ね迷走します。早く書きたい気持ちはわかるのですが、もう少しだけ我慢。まずは始まりから終わりまで項目を箇条書きにしましょう。そして、箇条書きにした項目をどの順番だと読みやすいか組み替えます。この時点で話の流れを意識できます。

「ワンピカードの教科書」を執筆する前に私が書いた箇条書きを例にします。

  • なんか掴み(ワンピネタと絡ませる)

  • 自己紹介は掴みのあと

  • ライフではなく手札を削るゲーム

  • 5000アタックと7000アタック

  • レストのキャラを利用して手札を削れ

  • 速攻で速攻アタックするな

  • +4000イベント相手はパワーを下げろ

  • 8キッド攻略のコツ

  • リーサル計算方法

  • リーサル計算から覚えるのはあんまよくない

  • リーサルの温度感

  • 相手を釣る受け方

  • リーサルは常にターンを跨いで考える

この方法の良い点は、箇条書きなら簡単に順番を組み替えられることです。
なまじ本文を書いてしまうと複雑になり、本質的に言いたかった事が自分でもわからなくなる事もありますが、箇条書きならそれが起きにくい。
話が伝わりやすい順番や、どこを盛り上げにするか、その盛り上げまでに話が繋がっているかどうか…など冷静に判断できます。

この時点でうまく繋がらない内容があった場合、本題に立ち返ってください。noteは沢山書けば書くだけ良いものではありません。判断基準は「本題に必要か?」です。脱線しそうなら泣く泣くカットもします。

例えばリーサル関連の話題は元々「ワンピカードの教科書」に含まれている内容でした。ですが、そこまで入れるとシンプルに長すぎて読み手が疲れるのと、主張が分散してしまうデメリットが大きいと思い箇条書きの時点でカットしました。書かないことも大事な判断です。

この箇条書きでいわばnoteの設計図ができました。いきなり書こうとするのは「カッコイイ船をつくろう」というコンセプト(主題)だけ決めて、設計図がないまま船を組み立てだすようなもの。頭の中に図面がある天才でもない限りはやめておいた方がいいでしょう。沈みます。


自己紹介って必要?

カードゲームnoteの文化になってると思うんですよね、自己紹介。これって本当に必要でしょうか?私個人の意見を言うと「書くことに悩むくらいなら書かない」「書くにしてもなるべく短くしたほうがよい」「長く書くなら相応の狙いが必要」です。Yes/Noで答えるならNo寄りですね。

いきなりバサっといきますが、読み手はあなたの書いたnoteに興味があるのであって、あなたへの興味はありません。唐突な自分語り…特に自慢話なんてもってのほか。自己紹介で本当に「自分の話」をするんじゃあない。

自己紹介はそもそも何のためにあるのか?それは記事の質を保証するためです。デッキの解説をする前に、大会等の実績を書くと信ぴょう性が上がります。理論を語るなら、真摯にカードゲームに向き合っている経歴は説得力の助けになります。「社会人カードゲーマーが限られた時間で勝つには」という趣旨なら、私生活の多忙さを語ることは『自分にもできそうかも』と共感を誘うので意味があります。
自己紹介は記事の内容にあわせて使い分けるものです。読み手の感情をどう持っていきたいのか狙いがあって書くもの。これがチグハグだと途端に自分語りになります。

例えば「リーダー〇〇で公式大会優勝!〇〇デッキ解説」ってタイトルのnoteを読みにいって『毎日仕事が忙しくて本当に練習時間がなくて…全然やってないんですよね』みたい導入していたら『知らんけど』『早くリスト貼れよ』『ただの自慢話ですか?』みたいなマイナスなスタートになることが予想される。イラッとして閉じる人がいてもおかしくない。
でも、同じことを「社会人カードゲーマーが限られた時間で勝つには」というnoteで書いたらどうか?途端に掴みに早変わりです。『確かにそれは自分より時間ないかも…それで、どんな裏ワザが?』と興味を引くでしょう。そのくらい自己紹介は主題とセットです。だから取り扱いが難しい。

もしそういう流れが思いつかないなら無理に書かなくてもいいと思います。『はじめまして、IKEです。モネと誕生日が同じです。』くらいで済まして本題へ。中身がよければ読んでもらえるので、早く主題に触れた方がプラスです。変なバイアスがかからずに済みます。絞り出して色々書いてしまったが故に「自己紹介アレルギー」で閉じる人は一定数います。ちなみに私はモネが好きなのですが、モネの好きなところをここで語り出したらキモいだけですし誰も興味はありません。書かないほうがいいことは実在します。


文章力は読んで鍛える

本文の書き方はあまりにもケースバイケースであり、普遍的にやろうとするとただの授業になるのでここでは割愛します。残念ながら私は国語の先生ではありませんので…
『学校の作文をまじめにやっておくべきだった』がマジレスなのですが、今更過ぎるので別のアドバイス。他の人の文章を読みましょう。できれば同じ媒体であるnote。『この人のnote読みやすい』と感じたなら、その人の文章の「構成」を真似するだけでも、読みやすくなると思いますよ。


書いたら必ず読み返す

一通りnoteを書き終えた瞬間『やったー終わった!』と言いたくなります。あの達成感と解放感は本当に気持ちが良い。では早速投稿…したくなる気持ちはわかるがストップ。そのnote自分で読み返しましたか?

読み返してないnoteは味見してない料理と一緒です。人様にはお出しできません。読み返すべき理由は大きく分けて3つ。

①人は間違える
人間が打ち込んだ文章に誤字・脱字・衍字えんじはあって当たり前です。
衍字えんじは脱字の対義語です。余計な文字が混入してしまうことですね。

多分大丈夫という根拠のない考えは捨て『さて、どこを間違えてるかな…?』と間違いがある前提で黙読してください。流し見じゃなくて黙読が重要。誤字脱字の殆どは脳内で読んでない怠慢から発生しています。

誤字・脱字・衍字えんじの何が良くないのでしょうか?「恥ずかしい』からではないですよ?「読みにくい」からは質に関わるので合ってますが、それ以上にダメなことがあります。
それは文章全体の信用度が下がることです。『本当に大丈夫かこれ…?』と思われます。
飲食店に行って、皿の端にソースがこびりついてるとか、盛り付けが汚いとか普通に嫌ですよね?味は変わらないはずですが『大丈夫か…?』ってなりますよね。一緒です。

多少なら『ミスったんだな』『慌ただしかったんだな』で済みますが、あまりに誤字・脱字・衍字えんじが多いnoteは『コイツ、自分で読み返してないな』というのがすぐにバレます。知らず知らず自分の文章の信頼や価値を下げてしまう勿体無い行為です。

こんなことを書くと私のnoteの誤字脱字を探されそうで戦々恐々しています。このnoteに限り当社比2倍は読み返しましたが見つけた方は優しくDMで教えてください。

②読み手の立場で読める
noteにはプレビュー機能があります。これは是非活用してほしいです。特にオススメしたいのが、スマホの画面で読むことです。この時代、noteをスマホで読む人ばかりです。

スマホ環境で意識すべきは、指のスクロール数です。何スクロールで文章が収まるかは読み手の負担に直結します。『めんどくさい』『よくわからないな』とちょっとでも感じさせたらアウト、一気に離脱します。読んでくれるのがあたりまえと思わないこと。
体感、2〜3スクロールするたび話に区切りが付いてると読みやすいです。

また、このプレビューのリンクを共有すれば、公開前のnoteを誰かに見てもらうことも可能です。どうしても文章力に不安があるなら信頼できる人に添削してもらうのもいいですね。

ちなみに「添削」と言いましたが、実際に行う作業はほぼ削だけです。削削です。冗長な修飾語や周りくどい接続詞はどんどん短くして、場合によっては章ごとまるまるカットします

折角書いた文章を削るのはためらわれると思いますが、必須の作業であり、人に読んでもらう文章はそういうものだと認識をあらためて欲しいです。

③話の繋がりを意識できる
noteを一本書き上げるのは大変です。何週間もかけてコツコツ書くこともザラ。ここで起きやすいのが「章ごとには話がまとまっているけど、全体で見たら流れがチグハグ」現象です。

読み返す時はnote全体での起承転結を意識してください。「起」と「結」を間違えることは少ないと思いますが、「承」「転」はかなりグチャグチャになりがちです。特に重要なのが「承」。必ず前の話を「うけたまわって(前の話の内容を受けて)」から次の話を始めてください。

この話の橋渡しができていないnoteは読みづらい。『なんか急に論点が変わったな』『あれ?この話、一個前の話より先にするべきじゃない?』など、流れの違和感は通しで読み返さないと気付けません。

この①〜③を意識して、公開前に最低二回は通しで読み返しましょう。読み返して手を加える箇所がゼロなことはまずないので、書き上がった初稿をそのまま完成とするのはわりと怠慢です。終わりにしたい気持ちは本当にわかるんですけどね…もう一踏ん張り。

私もいまだに①誤字・脱字・衍字えんじはしますし、説明がくどい自覚があるので②はかなり意識して削ります。③で章ごと移動することは少ないですが、話がバスッと切れてることは多いので次に進むときの文章は最後まで調整しています。

ちゃんと読み返しましょう。


タイトルとサムネイルは後決め

ここまで来たらあと少し。後は書き上げたnoteにタイトルをつけてサムネイルを用意しましょう。

タイトルを先に決めて書くことも多いと思いますが、仮押さえぐらいにしておき、書き上げた時点であらためて検討するのをオススメします。というのも書いているうちにタイトルと話がズレたり、色んな話に散らかってしまうことがよくあるからです。

まず本文を書き切る

自分の書いたnote全体を読み返して『結局何が言いたいの?』を自問自答し、一言か二言で抽出

その言葉をキャッチーなフレーズにする

それにあったデザインのサムネイルを用意

この順ですね。では、そのキャッチーなフレーズやデザインはどうすれば思いつくでしょうか?

私が実践してるオススメの方法は「出版されている本の表紙を参考にする」です。通販サイトの書籍カテゴリを適当にザーッと見るだけでも効果てきめん。

「〇〇の教科書」みたいにお堅い空気感を出したいなら本当に教科書とか参考書の表紙をみるといいです。フォントや色使い真似るだけで雰囲気がグッと出る。例えば私の「ワンピカードの赤本」は本当に赤本のデザインを参考にしています。気になった人は見比べてみてください、まんまです。

世の中に出ている本は商業として一定のクオリティが担保されています。書店に並んだ時に「表紙買い」してほしいはずで、当然表紙は凝る。
それら表紙から受ける印象はプロがデザインしてますし、タイトルや帯の煽り文句だってきっとプロのライターが考えているでしょう。学ばない手はありません。

『絵とかデザインとか色のセンスないからなぁ…』と諦めるのは簡単です。なんとなくで決めたフォントを使い、適当に公式絵を切り貼りして終わらせてしまえばたしかに楽です。しかし、noteのタイトルやサムネイルはいわば本の表紙、CDのジャケット、お店の外観。折角中身が良くても見た目が悪ければ記事を開いてすらもらえません。これまでの苦労を無駄にしないためにも、面倒くさがらずもう一歩頑張ることをオススメします。


投稿時間も考えよう

ようやくの公開。noteだけではあまり気づいてもらえないので、SNSを併用した拡散は必須です。大体はX(Twitter)にポストするわけですが、できればその日時にも気を配りましょう。

夜なべして書き上げたからといって、そのまま深夜に投稿するのはイマイチ。多くの人は寝ており、初動の伸びが微妙になるのは想像に難くない。そして、Xのロジックでオススメに上がってくるかどうかは初動が大きく影響します。

無難にオススメなのは、平日の昼12:00。学生でも社会人でも多くの人がお昼休みをとるタイミングなので、ふとXを見てくれる可能性は高いです。自分がXをみるタイミング、ターゲットユーザーの生活サイクルをよく想像しましょう。

なるべく簡潔にそのnoteのアピールポイントを書いて投稿。あとは、みんなの反応にヤキモキしながらXを見ていましょう。この時間も醍醐味です。


有料記事はコース料理

カードゲーム界隈には有料noteの文化が根付いています。

ここまでに説明したように、いろんなことを考え、試行錯誤して時間をかけて書いたnote。その苦労を考えればそりゃ少しくらい儲けが欲しい。美味しいものでも食べて、また次も書こうかなと思う原動力が欲しい。あたりまえの欲求、あたりまえの権利です。

一方でこの時代、「無料でコンテンツを摂取できるのがあたり前」というのも事実です。月額サービスの映画やアニメは人生をかけても見切れないですし、アプリ等をはしごすればずっと漫画を無料で読んでいられます。そのうえで「ピンキリの中身もあやしい素人の文章を買う」という想像以上に高いハードルを越えてもらわないといけません。

いささか厄介な事実ですが、こうした読み手の立場も理解しておくべきです。

ここで重要になるのが「有料エリア指定位置」×「値段設定」。両方の掛け算です。
この組み合わせが適切かどうかで、売れるかどうかは全然変わります。極端な話、これを間違えたらnoteの中身がどれだけ良くても全然売れません。
あたりまえですよね。良い中身を自分で隠してるんですから。

では、具体的にどうやって有料エリアを決めれば良いか?それは


ご安心ください、この記事は全文無料です。自分ならこの辺に入れそうです。

有料noteにおける無料部分は、ゲームでいう基本プレイ無料、漫画アプリでいえば序盤数話の無料、ドラマやアニメなら一話無料、そういったお試し部分です。つまり無料部分は、そのnoteの「記事の質」を担保し、信頼を勝ち取るためのフェーズともいえます。
『このクオリティが続くなら価値があるか』と思ってもらう必要があります。口コミ等がない限り、買う前にその記事の質は判断できません。いきなり有料エリアに入るnoteは、買う側にとってただのギャンブルです。それでも売れるのは、作家自体が有名でその人が書いたこと自体が質の保証になってる場合だけです。殆どの人は当てはまらないですよね?

私は有料noteが「コース料理」に似ていると思います。しかも、最初の数品が無料で食べられる異例のコース料理。

コース料理は一般的に7、8品目からなりますが、例えばそのコース料理をみて「5000円」と書いていたとします。一回の食事としては『高い』と感じる人もいるでしょうし、初めて入る店なら警戒しますよね。

『店名(noteのタイトル)もキャッチーだし、店の看板(サムネイル画像)も綺麗。メニュー(冒頭の文章)も良さそう。無料ならとりあえず頼んでみるか…』と、一口目を食べてもらうまでが鬼門。ここを越えて席にさえついてもらえれば、あとは味で唸らせるのみ。オードブルやスープ、場合によってはポワソンまで出して胃袋を掴む。

お客さんが舌鼓をうっているところに、店主から告げられる『すみません、コースの続きは有料でして…』これこそ有料エリアです。
『この味があと4、5品続くなら5000円は安い!メインディッシュもまだなのに。是非お願いします!!』この流れをスマートに狙いましょう。

noteの内容によるので、規則的に有料エリアは決められませんが、慣れないうちは全体の4割無料で6割有料がオススメです。当たり前ですが、無料部分でメインディッシュまで出して『残りのデザートが有料です』なんて言っても、『あ、もう無料で満足したんで。大丈夫です』とドライに返されてしまいますからね。

この「全体でコース料理」「気持ちを乗せてからお金をいただく」感覚は是非持ってほしいです。残り9,109字で値段が500円のとき「9,109字を500円で売る」ではないということです。先ほど説明したように無料分も含めた全体のコース料理です。

「有料部分が500円」という切り分けた価値観だと、極論メインディッシュにフレンチの肉料理を用意しておきながら、無料部分に和食みたいなチグハグな構成が起きてしまうわけです。

何度もコース料理の順番通りに味見(自分のnoteを何度も上から順に読み返す)し、読み手の感情をしっかりシミュレーションしましょう。『あ、ここで続き読みたくなるな』と感じるその位置。胃袋をつかみ、次の料理が欲しくなったタイミング。そこが有料エリアです。

ここまでの説明がわかれば値段設定は簡単。胃袋をつかむ自信に応じて変えてください。

現状カードゲームの有料noteの相場は300〜500円です。コース料理の3000円がnoteの300円くらいで大体合うかと。

例えばですが、1000円のコース料理なら誰が見ても『安い』ので、最悪外れてもいいかで多少ガードが下がります。100円の有料noteとかですね。

繰り返しになりますが、有料noteは「有料エリア指定位置」×「値段設定」。両方の掛け算です。どっちか片方だけで決めるものではありません。自分の感覚に自信がなければ、試作品を他の人に食べてもらうなど客観的な意見をもらうのもいいかもですね。


最後に

最後に文章量についてですが、体感7000~8000字が丁度良い。長くて1万字かと思います。

体感だけだと説得力に欠けるので軽く調べました。
個人差や内容によりますが、一般的に1分間で読める文字数は400〜600字ほどらしいです。スマホはサッと流し読みしやすい媒体なので、1分間で600字読めると仮定します。ここから考えると6000字は10分で読めます。昼休みや通勤電車などでサッと読むには適した時間ですし、読み疲れもしない範疇かと思います。

ちなみにこのnoteは約1万1000字です。長くてそろそろ胃もたれしてきましたよね…?なので、しめます。

この記事が少しでもカードゲーム界隈noteの底上げになってくれれば、私の目的は達成です。みなさん、よきnoteライフを〜


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