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気候変動を知る 産業革命以前の二酸化炭素濃度は278ppmだった

人為的な二酸化炭素の排出によって、地球環境がどのような変化を受けたのか。その変化の基準となるのは、人為的な二酸化炭素排出が本格化する産業革命以前(pre-industrial era)ということになっている。
 当時の大気中二酸化炭素濃度はいくらだったのか? 過去の空気のサンプルが今でも手に入るのが、Ice-coreである。Scripps CO2 Programに、Ice-coreで得られた過去のCO2濃度(1959年以前)と、1959年以降はハワイ・マウナロアと南極点の観測値を平均したものを全球平均CO2濃度の推定値としてつなげたグラフが掲載されている。

図1. C. D. Keeling, S. C. Piper, R. B. Bacastow, M. Wahlen, T. P. Whorf, M. Heimann, and H. A. Meijer, Exchanges of atmospheric CO2 and 13CO2 with the terrestrial biosphere and oceans from 1978 to 2000. I. Global aspects, SIO Reference Series, No. 01-06, Scripps Institution of Oceanography, San Diego, 88 pages, 2001.

数値データがエクセルでダウンロードできるので、

https://scrippsco2.ucsd.edu/assets/data/atmospheric/merged_ice_core_mlo_spo/merged_ice_core_yearly.csv

を、プロットしてみたのが図2である。

図2. CO2濃度(横軸は西暦)

1600年以前をみると、400年の増減の周期をみせながら、徐々に濃度上昇を示しているようにみえる。多くの文献では、産業革命以前の濃度の値としては、278ppmという数字で代表させて述べている場合が多いので、とりあえずpre-industrial eraにおける二酸化炭素濃度は278ppmということで覚えておけばよいだろう。

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