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電源構成における再エネ比率 世界と日本

現在の化石燃料依存の状態から、枯渇しない・二酸化炭素を出さない、すなわちサステナブルなエネルギー源へ、100%移行することを目指して、私たちの社会は急ピッチで進んでいかなければなりません。
発電部門での脱炭素を達成させるためには、再生可能エネルギーを主力電源としてとらえ、電源構成における再エネ比率を着実に高めていくことが求められます。化石燃料による火力発電にくらべて発電コストの高い再生可能エネルギーによる発電割合を増やしつつ、自由競争によるコスト低下をもたらすために、「電力市場の自由化」と「再エネ発電の固定価格買取制度」が各国で、そして日本でも導入されてきました。
 2050年カーボンニュートラルというグローバルな目標設定がありますが、その目標達成を見据えて、電源構成における再エネ比率はどのように推移してきているのかは注視しておく必要があります。
 まず、各国の電源構成における再エネ比率の動向をみてみます。デンマークは再エネ先進国として有名ですが、電力のうち8割を、風力、バイオマス、太陽光の再エネでまかなっています。主要国で電力における再エネ比率が4割と高いのが、スペイン、ドイツ、イギリス。中国は3割。そして日本やアメリカは再エネ比率が2割に到達したところです。

各国の電源構成に占める再生可能エネルギーの割合(Our World in Dataより)

スペイン、ドイツ、イギリスにおける、2017年以降の再エネ割合の増加傾向を見ると、2050年までに再エネ100%を達成するという目標は十分射程内に入っているように見える。一方、日本では電力自由化と固定価格買取制度の導入後、着実に再エネ比率を増やしてきてはいるが、そのスピードは不十分に見える。現在までに日本は太陽光による発電電力量では中国、アメリカにつぐ、世界第三位となっているが、風力発電設備の導入が全く進んでいない。

各国の太陽光による発電電力量の推移(Our World in Dataより)
各国の風力による発電電力量の推移(Our World in Data)

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