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若いうちにMBAや中小企業診断士を取った方がいいと思う7つの理由

マーケターやコンサルタントであれば、若いうち、具体的には20代から30代前半くらいまでにMBA(Master of Business Administration:経営学修士)や中小企業診断士資格を取った方がいいと思う理由が7つある。一時期のブームは終わったが、そんなことは関係ない。

ここでいうMBAは、海外大学院に行くものではなく、比較的通いやすい国内の平日夜間プログラムを想定している。また、MBAでなくとも、経営コンサルタントで唯一の国家資格である中小企業診断士でも同様の効果を得ることができると思う。

1. 基礎的・体系的な学習をすることができる

変化のスピードが早いマーケティングの仕事をしていると、たくさんの本を読むだろう。しかし、最新の動向や情報をインプットする場合、そこにしっかりとした土台があった方が良い。ちょうど家を立てる際の基礎工事のイメージだ。マーケティングの場合、ブランドマーケティングやデジタルマーケティングを学ぶ前に、「マーケティング論」の教科書で学ぶ必要がある。

多くの情報や経験から得た知見は、しっかりとした体系的理論(基礎工事部分)の上に積み上げていった方が強い建物を立てられるし、その後の増築もやりやすい。何よりも、教科書的なマーケティング1.0や2.0を理解していないと、3.0や4.0の話もまったく理解することができない。それはつまり、マーケティングの未来を予測できないということだ。

2. 幅広い分野の学問を網羅的に学ぶことができる

大学院のプログラムやどの科目を選択するかにもよるが、マーケティングだけでなく、経営学、財務・会計、組織・人事・労務、法務、経済学など、ビジネスパーソンとして理解しておいた方が良い周辺学問を網羅的に学ぶことができる。

マーケティングも、プロモーションプランニングやクリエイティブに携わっているうちはいいが、例えば新規事業開発案件が発生した場合、ビジネスプラン(事業計画書)が描けなければならない。投資家や意思決定者が納得する事業計画書は、マーケティングだけでなく、戦略、組織、財務・資金調達、リスク分析など、整理する領域が多岐にわたる。マーケティングバカにならないためにも、周辺領域の知識は必須といえる。

3. 「自分は何を知らないのか」を知ることができる

ひとつの領域において基礎的・体系的な学習をし、さらにその周辺領域も勉強していくと、いままで気付かなかった「自分が何を知らないのか」を知ることができるようになる。いわゆる「無知の知」を得ることができるのだ。

たとえば、国内MBAでも権威のあるGLOBISでは、下記のようなMBAプログラムを提供している。

僕も25歳で中小企業診断士資格を取ったとき、初めてファイナンス(財務)とアカウンティング(会計)の違いを理解したし、そこからようやく財務諸表(損益計算書や貸借対照表)が読めるようになった。

様々な領域の学習は、やればやるほど、いかに自分が狭い世界のことしか知らずに生きていたのかを思い知らされ、(良い意味で)無知の知がどんどん広がっていく。己の知力を俯瞰的・客観的に認識することができるようになると、次の学習テーマが明確になるメリットが得られるのだ。

4. 「知らないことの調べ方や学習法」がわかる

様々な新しい領域の学習は、体系的知識だけでなく、「知らないことの調べ方や学習法」のレベルを飛躍的に向上させてくれるという副産物を与えてくれる。

だから、無知の知を経て、「自分が何を知らないのか」を認識したとき、途方に暮れず、すぐに一定レベルまでのレベルアップに動き出すことができる。実はこれ、ものすごく大きいことなのだ。

僕たちの仕事は、知らないことと対峙することの連続だ(知らないことと日々対峙していない人は、仕事がルーティン作業になっている可能性があるため別の注意が必要である)。そのため、知らないことに遭遇したときに、どのくらい短期間で、どのくらい自己のレベルを向上させることができるかが重要となる。様々な領域の体系的学習は、もうひとつの素晴らしい果実を与えてくれる。それがこの「知らないことに遭遇したときの学習術」なのだ。

5. 情報のアウトプットスピードが飛躍的に上がる

5つ目のメリット。それは、頭の中のあらゆる情報や経験ノウハウが構造的に整理されることによるアウトプットスピードの向上である。

体系的な学習をしていない人の頭の中はこんな感じで雑然と情報が積み上がっている状態だ。

一方、MBAや中小企業診断士などで体系的・構造的な学習をした人は、頭の中に書棚ができるため、こんな感じで全ての情報や経験を通じて得られたノウハウなどが全て整然と綺麗に並んでいる。

新しい情報が入ってきたときは、その棚に格納していけばいいし、必要とする棚に情報が並んでいなければ、それに気づき(無知の知)、新たな情報を計画的に格納して行くことができる。

このメリットは、圧倒的に情報のアウトプットスピードが向上することだ。あなたもAmazonの物流センターを見たことがあるだろう。Amazonの圧倒的な配送スピードは、注文が入ってから、人間(もしくはロボット)が迷うことなく最短・最速で商品をピックアップし、発送するシステムによって支えられている。人間のアウトプットスピードも同じことだ。

よく「あの人は頭の回転が早い」というフレーズを聞くが、そういう人の多くは、頭の中の情報がAmazonの物流センターのように理路整然と構造的に整理されているのである。MBAや中小企業診断士の学習は、必ずこれらの恩恵を与えてくれる。

6. これらの学習を完了させる強制力が働く

新しい学問の習得は大変である。仕事をやりながら、平日夜間や週末に学校に通わなければならないし、学校がない日も予習・復習で一日に2時間くらいは勉強しなければならない。でも、それがいいのだ。

MBAプログラムの修了や、中小企業診断士資格の取得という明確なゴールがあるからこそ、その苦しい道のりを最後までやり切ることができる。僕が中小企業診断士の資格を目指そうと思ったのも、資格が欲しかったわけではなく、資格取得というゴールがないと途中で挫折してしまいそうだったからだ。

人間はゴールや〆切がないとなかなか続かない。自己学習ではなく、学校に通う。資格を取る。意思が弱い人にはお勧めだ。

7. かけがえのない一生の友ができる

最後のメリット。それは(MBAや診断士資格取得者が口を揃えて言う)一生の友ができることである。人脈という言い方をする人もいるが、個人的には(それもあるけれど)辛い思いをしながら、一緒に勉強し、ときに励まし合い、共通のゴールに向かって同じ釜の飯を食った戦友ができることのメリットが一番大きいように思う。

仕事を通して形成される大部分の人間関係は、何かしらの利害関係がある。しかし、MBAや診断士の勉強を通してできる戦友にそんなものはない。まるで高校時代に親友ができたような感覚を得るだろう。僕も診断士資格の勉強中にできた友だちは一生の友人だと思うし、いまでも多くの刺激をもらっている。これはお金では決して買えないプライスレスなプレゼントである。

最後に。

MBAや中小企業診断士の学習を開始するのは、別に若くなくたって構わない。40歳から、50歳から始める人だってたくさんいる。あえてタイトルに「若いうちに」と入れたのは、せっかくこんな恩恵を得ることができるのなら、その後の人生は1年でも長い方がメリットを享受する期間が長くてラッキーでしょ、くらいのものだ。いつ始めるのか。それは、あなたが「始めよう!」と決断したときだ。

ぜひともトライして欲しい。

※この記事は、2015年1月8日のikedanoriyuki.jpエントリーに、一部加筆・修正を加えたものです。


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