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本の速読力を上げる5つの方法(ファイナルアンサー)

みんな「私、本読むの遅いんですよ~」と言う。そして、「もっと早く読めるようになりたい」「速読とか練習してみたい」とも。

大量の本を読もうとすると、誰もが自分の読書スピードの遅さに辟易してきます。

「こんなスピードじゃあ全部読みきれない。よし、速読の練習をしよう!」

だいたいこうなります。

でも、速読法って、なんだか怪しいじゃないですか。眼球を早く動かすとか、写真のようにシャッターを押す感覚とか、無意識に訴えるとか。

ということで、悩める(ビジネス本の)読書家の方々に、20代のときに年間100万円分の本を読んでいた僕が、ファイナルアンサーを授けます。

世の中で「速読術」「速読法」として提唱・販売されている方法論は、すべて嘘です。

大事なことなのでもう一度言いますよ。すべて嘘です。

今日この時点から、眼球を早く動かす方法や、写真のようにシャッターを押すような読書術は、1億%実現不能なものとして、人生の選択肢から完全に削除してください。

これらの速読法がやろうとしていることは、「誰でも簡単に月収10万円!」「仮想通貨で資産を倍にする方法」などといった情報商材や、「何もしないで腹筋が割れる!」「聞いているだけで英語がしゃべれるようになる」といった眉唾商材と何ら変わりません。

読んだことのない小説や専門書を、1冊5分や10分で読めるわけないじゃないですか。僕らは、書いてることを目から入れ、意味を理解し、頭の中で反芻(はんすう)、咀嚼、解釈して行きます。その一連の作業を、1ページ1秒でできるわけがありません。

ということで、いまこの瞬間から、「いつか速読法を身につけたい(それさえ身につければ読書スピードが劇的に上がる)」という淡い期待と選択肢は完全に抹消してください。

抹消しましたか?

では、スッキリしたところで、再現可能な速読法を教えます。最初に言っときますが、読書法に「そんな方法があったんや!」「これは世界の大発明だ!」なんてものはありませんので、当たり前のことしか書いてありません。予めご了承をば。

1. 読書前

・読書の目的を決める(この本を読むことによって何が得たいのか、ゴールを設定する。これによってヒントや正解を探すように読むようになります)
・著者略歴を見てどんなバックボーンの人が書いたものなのかを把握する
・「はじめに」を読んで全体観を把握する
・「目次」を読んで全体の流れと論理構成を把握する
・「おわりに」を読んで読後感の想像を広げておく
・最初から最後まで、1ページ2~3秒くらいでめくりながら、本当におおざっくり、全体的に、だいたいどんなことが書いてありそうか、雰囲気を掴む

※ここまでがだいたい10~15分くらいです。この読書前のひと作業が劇的に読書スピードを上げるポイントです。漫然と1P目から読み始めることはやめましょう

2. 読書中

・気になった所に赤線を引く(この際、どこに強く共感したのかがわかりづらい「ページへの付箋」よりも、赤ペンで当該箇所に線を引いたほうが良い
・感じたことがあれば、そのページの余白に赤ペンでメモをどんどん書いていってしまう

※蛍光ペンも良いですが、それだと余白にメモを書き込む際、別のペンに持ち替えなければならないので、筆記用具は赤ペン一本に絞りましょう

3. 読書後

・できれば、読了後の感想やメモをnoteなどにまとめていく(言語化しながらアウトプットすることで知識の粗熱が取れ、情報が染み込みます

※公開前提のnoteはハードルが高い!という人は、非公開のEvernoteでもOKです

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ね?

ぜんぶフツーことでしょう?

世の中なんてそんなものです。甘い言葉には罠がある。基本に忠実に、愚直に読書道を極めるしかありません。

ポイントは、本を綺麗に残そうとしないこと。

読書の目的は本に書かれている内容をできる限り多く体内に摂取すること。本を綺麗に残すことではありません。だから、琴線に触れたこと、疑問、自分なりの解釈は、どんどん当該ページの余白に書き込んで行きましょう。メモ程度でも、書くことによって記憶の定着も良くなります。

最後に、もっと読書スピードを上げる方法を教えます。

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4. 併読する

併読:複数冊をあわせ読むこと

たとえば、行動経済学について学びたい場合、一冊だけ読むのではなく、少なくとも3冊、できれば5冊くらいを一気に読破します。

併読することによって、「あ、この内容はさっきの本にも書いてあったな。きっと普遍的な重要ポイントなんだろう」とか、「ここは5冊とも主張が違うな。著者によって言ってることが違うということは、まだ明確な正解がない部分なんだな」などがわかってきます。

併読は、客観的な知識を身につける上でも重要ですが、なによりも、同じテーマの本を一気に5冊くらい読むと、だいたい同じことを言っているパートが察知できるようになり、飛ばし読み、斜め読みができるようになります。

つまり、飛ばしても良い(流して読んでも良い)場所の土地勘が身についたんです。

これにより、読書スピードは格段に早くなります。

5. 圧倒的な読書量をこなす

たとえば、行動経済学の本を5冊併読したあとに、社会学、社会心理学、マーケティング理論など周辺領域の本をそれぞれ5冊ずつ読んでいくと、「あ、ここで言ってるXXは、この前読んだYYのZZとつながっているんだな」と、知識が横につながり始めます。点が線になる瞬間です。

こうなると、さらに読書スピードが早く、かつ深くなります。また、目や体(頭)が活字慣れしていくので、本の読み方そのものがうまくなっているはずです。

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ということで、安易な速読法に心を惑わされず、あなたはあなた独自の読書術・読書道を極めて行ってください。

みんな、本を読もうぜ!

※本エントリーは、ビジネス本の読書を対象としています。小説など楽しみながら読む本にはまったく向かないので、そこんとこよろしくお願いします。

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