美味しいものを食べるという過ち
美味しいものを食べて生きてゆきたい。きっと誰しもそう思っている。
それほど美味しいものに固執していないはずの私だって、初めましてのお店に気まぐれでふらっと立ち寄って美味しいお店だといいなと思う。それなりに美味しければ、美味しいねって笑って、丸みの増したお腹を抱えて帰っている。
最近、甘いものを食べて「美味しい」と思う機会が減ったなと、ふと思うことがある。
引っ越したらまずは近隣の美味しいケーキ屋さん探しからはじめるし、お昼時にしょっぱいものより甘いものが食べたくなることもあるほどなので、もともと甘いものに対する執着が他人よりも強い。最近では、ネットで買えるスイーツを制覇していくことにハマっている。
今まではファミレスのチーズケーキでもそれなりに満足して笑って帰ることが出来ていたから、カフェのケーキなら満面の笑みで帰れるだろうとたかを括っていた。残念なことに直近で食べたチーズケーキがミスターチーズケーキだったから、ほんのりチーズ風味の甘いケーキでは満足できないからだになってしまった。嬉しいような悲しいような複雑な気持ち。
そろそろこの世に生まれて30年が経とうとしているので仕方の無いことだし、美味しいものを宝探しのように見つけながら生きてゆくのも悪くは無い。そして相変わらず、食べる前のワクワクは途絶えることがない。
それでもふと思うのは、美味しいものを求める生き方は、美味しいものしか食べられない人生の始まりかもしれない。
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