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アルバイト

 最近人生で初めてのアルバイトを始めた。アルバイト先は徒歩二分で着き、なおかつ全く興味のないカフェにした。興味のない店を選んだ理由は私はアルバイトをしようと考えた一番最初に自分の好きな店(古本屋、ゲームセンター)などにしようと思っていたが、そこでアルバイトを始めたらどう考えても通常の利用がしづらくなるためやめた。古本屋で働いたら絶対に立ち読みができなくなる気がするし、ゲームセンターで働いたら、遊んでいるときの店員の視線が嫌になる気がする。

 私は高校生の時に3回くらいアルバイトをするか悩んだことがあるが一回もしていない。なぜかというと電話で申し込みをするのがこれ以上なく嫌だったからだ。知らない人間に自分から電話を掛けるという手順を踏まなければ申込できないというシステムはどう考えても欠陥の塊だと思う。しかし私がどのような意見を持っていようとも申し込み方法は変わることは残念ながらないため、諦めて電話を掛けた。電話をしている最中は全力で公的フィルターを自分にかけた。そのかいもあって無事に面接の日を取り付け、電話を終えることができた。

 面接自体はどうせ受かるだろうと思っていたため特に何も気にしていなかった。そして実際無事受かった。あと面接を受けているときは落ちても別にどうでもいいと考えていたが、あとで落ちていたらもう一度どこかしらに電話を掛けなければならなかったため、危ないところだった。電話よりはマシだが履歴書も書き直しになるのでそこを含めて受かっていてよかった。

 アルバイト初日は当然といえば当然だが、チュートリアルの日だった。すべてのことが初見だったので、一ミリも役に立っていなかった。こんなことをしていて時給が発生してよいのだろうかと思うレベルだった。業務内容についてはそのうち適応するだろう。たぶん。

 働いていて、今のところ一番衝撃だったのが、怪しい勧誘の話みたいなものをたびたび見かけたことだ、少し年老いて気品のある女性が若い人に「アメリカのGDPが~~」「この株が今からくるので~~」みたいな話をすでに3回ほど見かけた。まず私はこういう感じの話を初めて聞いたので「実在するんだ」とかなり驚いたのだが、その一時間後に2回目を見かけたので、ここは詐欺師御用達の店なのかと思った。

 アルバイトで一番不安なのが、仮に辞めたくなっても辞めることが多分できない気がする。申し込みの電話にビビっている奴が辞めますといえるわけがない気がする。どうやって辞めようかな。


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