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ゲストインタビューvol.2

イベント当日って時間の都合とか、テーマの都合で聞けないこと・話せないことってありますよね?
そんな見本市当日では聞けないようなことを発信する連載第2弾!!


セッション2より、奈良県は宇陀市で農耕を営む東祥平さんにお話をうかがいました!

大学時代からの友人ととろさん(太田)と、不肖大森の体験をレポート形式でまとめました。

話の核心部分、なぜ奈良で農耕をしているかなどは当日までのお楽しみです!

>>profile
高校・大学を中退。
2015年に都会の生活を捨て、奈良県宇陀市へ移住する。
2018年6月、一年間の自給生活をまとめた『つち式』を創刊。

青春とともに生きる

◼「見本」にならない見本

東さんとの面会は、移動から始まりました。

東大阪市から宇陀市まで、約1時間半の旅路。
田舎へと移り変わっていく景色を眺めつつ、
車中では自己紹介やら近況報告やらが繰り広げられました。

東さんの経歴は突飛そのもの。
高校を中退した後はカナダの高校に入学。
その後日本の高校認定に合格し、大学に入るも5年で中退。
そして今は奈良の里山で日々の大半を野良仕事に費やしてますが、
それすらも世間から見れば「生活を圧迫する趣味」だといいます。

その他、自身の一年間の自給生活をまとめた雑誌『つち式』を創刊したり、
その編集メンバーと共に自主制作ラジオの収録を行ったり、
棚田を使った100m超の流し素麺イベントをしたり。

そんな自分の生活を客観的に見つめ、
「ろくな死に方をしない」と東さんは自嘲します。

坂口安吾の『青春論』を引用し、


「青春再びかえらず、とはひどく綺麗な話だけれども、青春永遠に去らず、とは切ない話である」(坂口安吾『青春論』)


と、一向に大人になる区切りをつけられない自らの生活を批評するのです。

そしてこう締めくくります。
「このまま文字通り地べたを這いつくばりながら、
一生青春で、最後はその辺で野垂れ死ぬ」と。

いったい奈良の里山で、どんな生活をしているのでしょうか。

◼束の間の「青春」を体験して

東さんが暮らす森下家は、築250年の古民家。
現代の家屋には見られない特徴が至るところに窺えます。
今はその姿も銅板に覆われる茅葺き屋根には、
以前は伊勢神宮の一部だったものが使われているそうです。

到着後は束の間の休憩を挟み、ニック(にわとり)の餌を獲りに棚田へ。
草むらに踏み入り、バッタやコオロギ、時にはカエルを捕まえては
ペットボトルに押し込んで行きます。それも手づかみ。

最初は久々の虫捕りに抵抗はあったものの次第にその感覚は薄れていき、
気づけばより大物を求めて無言で熱中しました。

とはいえ何度も修羅場を乗り越えてきた生き物たちは
一筋縄では捕まえられません。
これぞ自然の世界。
お金を出せば何でも手に入る資本主義社会とは一線を画していました。

ある程度ペットボトルに集まったところで、
棚田を引き返しニックの小屋へ。
ニックたちのランチタイムが始まります。

バッタなどはもちろん、カエルまでも丸呑みするほどの勢いで
体内に吸い込まれていきます。
まだくちばしの小さいニク丸 (ひよこ)たちも、
果敢に大きな獲物に挑んでいました。

ニックたちの食事が終わると、古民家へ。
なれない仕事に疲れた体を休めようと縁側に腰掛けていると、
冷たいお茶とお茶菓子を出してもらいました。
そこからは見本市当日の話をしたり、
東さんオススメの自主制作ラジオの話を聞いたり。
くだらないことを話し、笑いながら、東さんの青春に身をゆだねました。

◼︎告知
イベント当日に『つち式』の販売を行います。
社会学者の見田宗介さんからも祝福される内容の濃さ。
ぜひお買い求めください。
イベント特別価格:¥1200

>>photos


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