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自然写真家より・自然写真を始めたい方へ(No.3)

自然写真・レベルアップ1

僕の場合、野鳥写真から入り、ヤマセミをほぼ撮り終えたところで、アメリカザリガニ撮影に入りました。当時は子供に大人気で「一番売れる写真」と判断したからで、これは大正解でした。
カワセミやヤマセミの水中撮影で、あれこれ学んでいたので、撮影には苦労しませんでした。
ただ、ここでお話ししたいことは、撮影に苦労しなかった一番の理由が、撮影術ではなく、ザリガニの生態をよく知っていたということです。
子供のころ、ザリガニ釣り、ザリガニの飼育をしていたことで、ザリガニの産卵や子育てなど、ザリガニがどんなくらしをしているか、生態をよく知っていたため、ザリガニの何を見せたら面白いか、それを撮るには、どの季節にどんな風に撮ればよいか、分かっていたということです。
自然写真レベルアップで一番必要なことは、自分が撮りたい被写体の生態をよく知ることだと思っています。
そのことで、その生き物の、何をどう見せたいかが分かってきます。
遠回りのように見えますが、何か一つ軸を決めて(狙う被写体を決めて)その1年や一生など生態を狙ってみてください。
それをすることで、場面場面で失敗を繰り返しながら、写真術が自然と身に付いてきます。
あれもこれも、ただ撮れればよいという撮り方をしていると、なかなかそこから抜け出せません。
ただし、趣味で写真を楽しみたいということであれば、それで問題はありません。難しく考えず、楽しんでいただけたら良いと思います。

自然写真・レベルアップ2

基本的に写真には、好きな写真と、さほど何も感じない写真があると思いますが、良い写真、悪い写真というものはありません。
ピントが合ってないとか、画面が傾いてるとか、見て分かるものは、意図してそうしていない限り、失敗作ということになりますが、悪い写真ではなく、あくまでも失敗作です。
良い写真とは、それを見た人の感性ですから、その人と撮影者の感性が違っていれば、おのずとそこはズレてきます。
ですから、コンテストなどで落選したからといって、その写真が悪かったわけではありません。その審査員の感性と撮影者の感性が違っていただけと考えていただいたら良いと思います。
パンクロックの好きな人に、ド演歌を聞いてもらった・・といったところでしょうか♪
ですから、被写体と向い合い、自分なりに気持ちの良い構図、光の陰影、色合いで撮ることが大切です。
構図がどうとか、光の使い方がどうとか、聞こえてくるかもしれませんが、あくまでも人の意見は参考程度に、自分で何度も見返したくなるような写真を撮ることが大切です。

自然写真・レベルアップ3

自分の生活圏内で、撮影フィールドを持つこと、撮影テーマを持つこと、をお勧めします。
たとえば「可愛い」をテーマにするのであれば、徹底的に「可愛い」を撮りためる。「カエル全種」と決めれば、日本中のカエルを全種撮りためる・・など、「撮り続ける」こと「撮りためる」ことが大切です。
何人かのグループで、写真を楽しむことも悪くはありませんが
自然写真は、自分の時間軸を生き物や植物の時間軸に合わせることが大切だと思います。自分がその被写体に対する思い入れは、各自違うわけですから
他の人とそれを共有することは、難しいと思います。
そのため、自分だけの撮影フィールドを持つこと、自分だけの被写体を見つけること、テーマに合わせて、それを自分の感性で切り取ることで、他の人とは違う自分だけの写真の世界がつくられていくはずです。
自然写真は、意外と孤独な世界です・・・

僕自身の写真撮影に向けての心構えについては、No4でお話しさせていただきます



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