知ってほしい!「評価なし」の子供たち
みなさんこんにちは、塾長です。
今日は学校で起こる「評価なし」の実態についてシェアさせていただきます。
① 評価なしとは?
みなさんが子供の頃を思い出して下さい。「よく先生に怒られる子」がいれば「よく先生に褒められる子」もいる。「運動が得意な子」がいれば「極端に運動が苦手な子」もいる。勉強にしてもそうです。
ですが、全て「普通にできる子」の記憶はありますか?
先生は、「よく出来る子」には褒め、「きちんと出来ない子」には叱る。良くも悪くも評価をしています。
しかし、普通に話を聞ける子、勉強も運動も普通で真ん中の成績の子には、評価する機会が極端に少ないという事に気がついてもらえません。
普通にできるというのに…。
よく考えみて下さい。
個性は大切!と言われますが、学校で評価される分野はすごく狭くないですか?
「主要5教科(国数英理社)+音楽、美術、保健体育、技術家庭科」の9教科だけでは評価できません。
もっと「得意を発揮する時間」を作ってあげてほしい。そう思います。
具体的には、後ほど紹介させてもらいます。
② 評価なしの恐ろしさ
私が塾で見ている生徒たちは、「いわゆる普通の子」が大半だと思います。
当たり前ですが、成績分布を見ると、平均あたりに多くの人数が集まっていますよね?
という事は、学校や塾には「評価なし」の子供が溢れているということです。
普通にできてしまうことが原因で、評価してもらえない子供の気持ち、わかりますか?「普通にできるように」たくさん習い事をした結果、評価なしの子供に育ててしまっているのです。
あの子ばっかり褒められている…
あの子いつも怒られている…
そうやって、ずっと周りを観察しているのではないでしょうか。
僕だって頑張ったのに…。
私にも声をかけて欲しい…。
そんな願いは届かないのです。
しかし恐ろしい事に、そのうち「評価されない事」に慣れてしまうので、
普通にやっていれば、僕は当てられない。
普通にやっていれば、私は怒られない。
と、普通を好むようになってしまうのです。
この子たちは、
目立たず、参画(積極的に手を挙げたり、発言したり)せず、空気を読んで、与えられた事だけやる子です。
先生にとっては「やりやすい真面目な子」です。
しかし、一見真面目なこの子が大人になると、どうなるかは容易に想像できます。
日本人はイエスマンばかりだ!と言いますが、それを作ったのは教育現場であり、その教育を指示してきた日本国なのです。
③ 評価なしをゼロへ!
では、どのように評価なしをゼロにすればよいのか。
普通が良いというなら、普通の子ばかりが評価される基準が必要です。
しかし、日本は資本主義社会です。
資本主義は全員平等という考えではありません。日本を成長させてきた、競争主義です。
この世の中を生き抜くためは、自分なりの能力を持つ必要があります。どのような能力を持つのか、それこそが、その人の個性になります。
普通からの脱却をしなければなりません。
そんな事出来ない!と思っていませんか?私は出来ると思っています。私が考える「評価なし、普通の脱却」の対策は2つ!
◆ 小中学校の先生を増やす
いつも評価してくれる。というのは、いつも見てくれている。証拠です。
先生1人では無理ですが、2人、3人いればどうでしょうか?
みんなで子供たちを見て、適切に良いところ悪いところを評価してあげる。評価される事は、存在価値を認めてもらっているという事です。子供のうちにしっかり評価することが「普通で良いという無気力」を無くすためには必須だと考えています。
◆ 得意を発揮する機会を増やす
先程お伝えしたように、個性を伸ばそうと促進するなら、9教科での評価は少なすぎるように感じます。
実際、私の塾でも
・スノーボードやスケボーが上手い
・ギターやドラム、エレクトーンが上手い
という子は結構います。
サッカーやピアノ、ダンスなら、時に学校で発揮できる機会がありますが、上記が出来る子は学校で発揮できる機会がありません。
得意を知ってもらえるチャンスがないのです。実は私もエレクトーンを8年間習っていましたが、一度も学校で演奏したことはありません。先生も知ることなく卒業したでしょう。当時は「何でピアノにしなかったんだろう」と後悔したくらいです。
そういう子供がたくさんいるという現実に向き合って、もっと自分を発揮する時間を「個性」という科目で作りましょう!
昼食後、眠くなる5時間目がおススメです!w 今日は「個性」の授業か!と楽しみになりませんか?
みんなの得意を紹介したり、発揮する時間としてクラス全員がクローズアップされる、つまり主役になれる時間です。
こうやって個性は伸びるのではないでしょうか?ディベートなどの討論をやる時間があるなら、好きな事を発表したり、個性を伸ばす時間に変えましょう。
きっと、ニコニコ笑顔の子供たちがそこにいると思います。そして、新たな子供たちの可能性が生まれると信じています。
④ 最後に
私の塾では、評価なしをゼロにするために、授業中は必ず全員当てます。
一人ひとりと目を合わせます。
一人ひとりの宿題のチェックをします。
一人ひとりの小テストにコメントします。
一人ひとりと面談をします。
そうやって、
一人ひとりを評価します。
先生にとっては全員のなかの1人、でも子供にとってはたった1人の先生。
その先生が、
今、私だけを見てくれている。
今、僕だけに話してくれている。
ということって、本当に大きな出来事だと思います。
先生を過大評価しすぎかもしれませんが、私にとって先生とはそういう「憧れる存在・尊敬される存在」でなければならないと考えています。
あらゆる分野の教育者こそが、「普通を減らし、個性を伸ばす」きっかけになると思います。
長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
では、また次回のブログで!
塾講師歴20年。二児の子育てをしながら塾を経営しています。 ここでは、「これからの世の中を生き抜くために必要な力」について考えていきます。もし、気に入って頂けましたら「スキ、フォロー、サポート」よろしくお願い致します。m(_ _)m やる気が倍増します!