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月に願いを、人に祈りを

「月面移住計画」

私がこの言葉を初めて聞いたのは、
小学生の頃でした。

日本で月と言えば、中秋の名月に
ウサギがお餅つきをするイメージがありますが

お隣りの中国では「嫦娥(じょうが)」という
名前の、不老不死の仙女が暮らす土地とされて
いることをご存知でしたか?

アメリカやロシアを押さえて、今やロケットの
打ち上げ数 世界第一位となった中国。
その国で月面探査が
「 嫦娥計画」と呼ばれているゆえんです。



ところでみなさんは、
月に住んでみたいと思いますか?

"月に移住するための宇宙開発費を
 地球で困っている人のために使えばいいのに"

そう思った小学生の私はそのまま大人になり、
たまに夜空を見上げて月を眺める今の暮らしに
ひっそりと満足しています。


当時、私が読んだショートショートの天才
星新一さんのお話の中に、こんなものがあり
ました。

環境汚染や原因不明の病に悩まされた人類は
その解決策を求め、広い宇宙にたくさんの
ロケットを飛ばすのですが

長い旅と困難の果て、ようやく見つけた
理想の、美しい星の住民に話を聞けば...

「ある時からすべての宇宙開発をやめて、
 この星の環境保護を頑張ったんだよ!」


そう、答えるんです。


新型コロナウイルスのニュースが世界中を
かけめぐる今年、最初の感染者が見つかった
国では、月への"嫦娥5号"の打ち上げと火星探索の
開始が宣言されています。

大きなものを描くのが得意な人と
目の前のことに向き合うのをヨシとする人が
いるとするなら、私は完全に後者ですね。

みんなが安心して暮らすために
この星に今、必要なこと、
その中で自分にできることはなんだろう?

人類という種の保存を目指す「月面移住計画」
よりも、全員で幸せになれる「地球永住計画」
の方により深い魅力を感じてしまうのですから。

大事を成さんと欲する者は、
まず小事を務むべし。

大事を成さんと欲して小事を怠り、

その成り難きを憂いて、
成り易きを務めざる者は、小人の常なり。

それ小を積めば大となる。

           -二宮尊徳(二宮金次郎)-


「困りごとは、よりよい未来への知らせ」

今日の空でした。

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