いきずりアウトリーチ企画「杜子春たち」とは

上富田町周辺(和歌山県)の小学校計5カ所で各学校の小学5年生、6年生を対象にした演劇作品を上演します。原案は芥川龍之介の「杜子春」上演される場所は各学校の音楽室。

これから「杜子春たち」の創作、上富田滞在、上演の様子などを、この企画の参加メンバー各々の視点で書いていきます。

【キャスト】
有吉宣人
高橋由佳
中藤奨

【スタッフ】
振付監修 高谷楓
音響 北林めい
作・演出 木村和博

【日程】
上富田滞在 2017年1月9日〜14日
上演 2017年1月10日〜13日

【場所】
上富田町周辺の小学校5カ所、6公演

経緯

桜美林大学舞台芸術研究所の「合唱寸劇水戸黄門」という福祉施設を対象にしたアウトリーチ企画があります。その企画は桜美林大学周辺の福祉施設だけではなく、茨城県小美玉市四季文化会館みのーれの地域アクティビティ事業や和歌山西牟婁上富田町上富田文化会館のアウトリーチ事業と共催して毎年実施されています。

その企画に木村が構成・演出として数年関わっていました。そこで上富田文化会館の那須さんに声を掛けて頂き2014年6月にいきずりとしてグリム童話の赤ずきんを原案にした「赤ずきんちゃん」を4箇所の幼稚園と保育園、2箇所の福祉施設で上演し、好評を得ました。

その後、木村は「合唱寸劇水戸黄門」で毎年上富田を訪れており、上富田滞在中に那須さんから再びお誘い頂きまして今回のアウトリーチ企画が動きはじめました。当初、上演よりもワークショップの方が良いのではという提案もしましたが、今回は学校側の要望もあり上演という形をとることになりました。

原案を芥川龍之介の「杜子春」にしたことに関しては、また違う機会にこのnoteで書けたらと思います。

いきずりがなぜアウトリーチをやるのか

訪れる場所にいる人たちにいきずりの演劇作品を鑑賞してもらう。ということを目的とはしていません。

それよりも演劇と呼ばれているものの発想を使って、演劇を入り口にして、他者とのすれ違いを面白がることができる場所を立ち上げたい。これはアウトリーチの企画だろうが劇場での本公演だろうがいきずりとしての根底は同じで、そういったことをしたくていきずりはあります。

これまでのアウトリーチ企画の実施での当たり前だけれど大事にしている発見があります。訪れる場所に既に生活があるということです。例えば「合唱寸劇水戸黄門」だったら特別養護老人ホームの食堂やリハビリルームで、朝食が落ち着いて、いつもはお茶やリハビリ体操をしている午前10時から上演が行われたりします。僕たちは訪れる場所の普段の生活にささやかに触れて、そして去っていきます。ささやかに触れたその時間は、未知なものとの出会いが多くあります。既にある生活にじっと目耳を傾けて、去った後のことを模索し考えながら、今回の企画もやっていきます。

いきずりとは

木村和博が主宰する演劇ユニット。すれ違うことからはじめたいと思いました。すれ違う時間、場所、もの、ひと、関係、行為に立ち止まって覗いて、 すれ違ういきものを浮かび上がらせてみたいと思いました。 そのいきものとどうやって生きようか、 そういったことを考えたり想像したり感じたりしたくて、 そういう場所にしたくて、いきずりと名付けました。

木村和博プロフィール

いきずり主宰 劇作家/演出家 桜美林大学総合文化学群演劇専修 卒業。一橋大学大学院言語社会研究科修士課程 在籍中。桜美林大学の福祉施設向けの企画「合唱寸劇水戸黄門」「合唱寸劇暴れん坊将軍」の構成・演出や、児童施設向けの企画「赤ずきんちゃん」の作・演出、子育て支援コンサート内の絵本の読み聞かせの演出、主婦向けのワークショップ講師、明治大学シェイクスピアプロジェクトのワークショップ講師など、作品上演だけではなくアウトリーチなどに多岐に渡る活動をしている。第7回せんがわ劇場演劇コンクールファイナリスト選出。

企画製作 いきずり
(上富田文化会館自主事業より公演委託)

お問い合わせ いきずり ikizuri@gmail.com
Twitter @ikizuri
HP ikizuri.com

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