えんじゅ

風流・風雅を愛する文系配信者/作家 裏千家茶道上級(助講師)/神職資格明階/博物館学芸…

えんじゅ

風流・風雅を愛する文系配信者/作家 裏千家茶道上級(助講師)/神職資格明階/博物館学芸員 神主を辞めて今は派遣社員 トピア・リアリティで配信、noteで執筆 茶道メインで日本文化について広く扱います。配信では歌も歌います ヨルシカとナナヲアカリが好き

マガジン

  • 琉球の茶の湯を探して

    琉球の茶の湯に関して少しづつ書いて行きます

  • 美術展感想文

    美術館や展覧会に行った感想文です。評論できるレベルでないのであくまで感想文です。生暖かく読んでやってください。

  • 沖縄漂泊記

    沖縄旅行の旅行記です。 自分の数寄を深めるために金も無いのに沖縄へ。

  • 茶道文化検定

  • 後で読む用

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勉強初心者に宣長先生が教えたこと。

本投稿の解説以下の文章は江戸時代の国学者、本居宣長が著した『うい山ぶみ』という本をわかりやすいよう、高校生を読み手と想定して、質問者の生徒とそれに答える本居宣長のQ&A方式で内容を解説したものです。 『うひ山ぶみ』は本居宣長がこれから国学の勉強を始めようという生徒に向けて、勉強方法の基礎を教えるために書いたものです。昔の書籍ですが、勉強に悩む現代の学生にも大いに参考になるものだと思います。 本稿では始めの部分だけしかありませんが、順次書き続けていく予定です。 ※国学は日

    • 琉球の茶の湯を探して「沖縄茶の湯年表」

      沖縄の茶の湯に関する年表です。 今後加筆修正して充実させていきます。 沖縄茶の湯年表グスク時代 天目茶碗やその他茶道具の出土(使用目的か貿易目的かは注意) 正長二年(1429)尚巴志による三山統一。琉球王国成立。 文明二年(1470)尚円王即位。第二尚氏王統開始。 天文三年(1534)冊封使・陳侃による天界寺・円覚寺での茶礼の記事。『使琉球録』「使事紀略」 慶長五年(1600)堺出身の茶人、喜安蕃元が来琉。七代尚寧王に仕え御茶道職になる。『球陽』付巻1、尚寧王12年

      • 琉球の茶の湯を探して「序」

        現在の沖縄県はかつて琉球国という日本とは別の国でした。 東アジアの海洋貿易の中継点として繁栄した琉球は中国の冊封体制に入りつつも日本との関係も持ち、複雑な立場の中で日本の文化、大和風流を積極的に取り入れていきます。 琉球が取り入れた和歌、生け花、能、歌舞伎などの代表的な日本文化の中に茶の湯も含まれていました。 琉球に駐在した薩摩在番との折衝や折に触れて琉球人が薩摩や江戸に上った際など、琉球の士族にとって茶の湯に触れる機会は多かったはずです。 また史料は少ないですが、日本との

        • テート美術館展レポ~1月14日まで開催

          テート美術館展@大阪12月24日に大阪中之島美術館で開催中の「テート美術館展 光―ターナー、印象派から現代へ」に行った際のレポートです。また茶人としてこれにどう感じたかもお話します。 英国、テート美術館のコレクション 本展示はタイトルの通り、英国のテート美術館のコレクションから光をテーマに選ばれ時代順に展示されています。 ロマン主義の荘厳な宗教画、明るく色彩にあふれた印象派、そして都市的な現代アートと過去二百年間、作家が実体の無い光をいかに作品に落とし込むかの挑戦の歴史

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        記事

          沖縄旅行記 那覇後編

          ちょっと休憩 沖縄県立博物館・美術館を出て首里城に向けて歩き始めた。 この時点で1時間以上の遅れである。 博物館と美術館が思った以上にボリュームがあったからだ。 予定ではここから首里城まで昼食の場所を探しながら歩いていく予定だった。 朝食を途中で食べる予定だったのにタイミングを逃してずっと食べ損ねていたのでさすがに昼食はそれらしいものが食べたかった。 大きな道を少し歩くとゆうなみ坂下店という店それらしい沖縄そばの店を見つけた。 昼食時を少し過ぎていたが食券売り場に列ができて

          沖縄旅行記 那覇後編

          沖縄旅行記 那覇前編

          一日目~那覇~飛行機から降り立った那覇の空気はやはり関西より暖かかった。 飛行機に乗った直後は大の大人とは思えないほど内心ハイテンションだったが前夜は一睡もできなかったせいで到着まで熟睡してしまっていた。 波の上宮 沖縄での最初の目的地は波の上宮だ。 沖縄総鎮守であり名前の通り波の上に建っているように見えるほど崖っぷちにある神社だ。 てっきり日本支配後の皇民化政策によるものかと思っていたが意外と創建は古く琉球王朝時代から信仰の場として存在していたらしい。 当初は空港からバ

          沖縄旅行記 那覇前編

          沖縄旅行記 出発偏

          これは無計画といい加減な性格のため無駄に時間をかけて沖縄をさまよい歩いた漂泊の記録である。 出発~関西空港~まだ肌寒い3月の夜、私は関西空港の長いすに寝転がっていた。 乗るべき飛行機は翌日の一番の便だ。 奈良からでは始発に乗っても間に合わないので前日の夜から空港に籠城することになる。 金さえあれば空港近くのホテルにでも泊まるのだが格安飛行機に乗るような人間なのでそんな余裕はない。 そのため空港の長いすで横になる結果になるのだ。 なぜ金もないのにわざわざ沖縄まで行くのか、そ

          沖縄旅行記 出発偏

          哀民

          氷のような風が袖を吹き抜ける 仰ぎ見れば月が冷ややかに見降ろしている どんなに風が吹こうとも松は色あせすらしない 林の木々は落葉しても冬が終わればまた葉を茂らせる ただ一年限りの草に過ぎない我々だけが枯れ果てて 二度と芽吹くこともできない

          京博「茶の湯」レポ~何度も見れば「解る」茶道具~

          2022年10月8日~12月4日まで開催されている京都国立博物館の特別展「京に生きる文化 茶の湯」を観覧したレポートです。 茶の湯の名品を集めた大展覧会貴船、大原、嵐山。紅葉目当ての観光客で賑わう錦秋の京都。平日にも関わらずぎゅうぎゅう詰めの市バスでたどり着いたのは千体の千手観音が並ぶ三十三間堂のすぐ隣、開館120年の歴史を誇る京都国立博物館。券売機の前にも大勢の来館者が並んでいました。 今回訪れたのは京都国立博物館の特別展「京に生きる文化 茶の湯」です。 京都のみならず

          京博「茶の湯」レポ~何度も見れば「解る」茶道具~

          文字を展示する行為「最果タヒ展」

          本記事は心斎橋パルコで開催中の「最果タヒ展」を見た感想文です。 最果タヒは近年人気の詩人だ。 しかし、著書は詩集に限らず小説やエッセイ、古典の解説など活動の幅が広い。 特に「夜空はいつでも最高密度の青色だ」が映画化されたのは記憶に新しいだろう。 私も奥手ながら「十代に共感する奴はみんな嘘つき」や「夜空はいつでも最高密度の青色だ」「百人一首という感情」を読んで非常な感銘を受けた。特に「百人一首という感情」は自分の想像力と感性の低さをつくづく思い知らされるものだった。 ちなみ

          文字を展示する行為「最果タヒ展」

          そうだ今週は日記にしよう

          週一ノルマのnote、今週は日記でございます。 先週は簡単にお金持ちになる方法を暴露してしまったので今週は軽めにいきます。 さて、今朝私は何と6時に起きました。普段は8時以降遅いと11時頃です。 特に用事はありません。昨晩「どうぶつの森」をダウンロードしたのでやりたかっただけです。 ちまちま雑草を抜いたり魚を釣ったり雪だるまを作ったりしていると外から聞きなれたメロディーが……ゴミ収集車です。 先週から捨て損ねて、燃えるゴミの袋が3つたまっています。起きていたのに捨てられなか

          そうだ今週は日記にしよう

          3日で一千万円稼ぐ方法教えちゃいます

                                                                                                                    うっそぴょーん

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          ネタがないです

          ネタが無いです。いや、ほんとに無いわけではなく書きたいことはいくらでもあるんですが、下調べや昔書いた論文を引っ張り出す必要があるのでおっくうなだけです。 最近、毎週投稿をノルマにしています。厳密には休みがランダムなのでその週の休みの日に投稿しています。 そして本日が今週の投稿予定日です。時刻はすでに17時。 普段の仕事で疲れているうえ、昨日は3時間ぐらいしか眠れなかったのでとてもとても労力のかかる文章は書く気が起きません。 そんなわけで今日は手軽に書けるネタが無いという話

          ネタがないです

          戦国の貧乏。令和の貧乏。

          「戦国にヘチカンという侘茶人がいた 貧しい庵に住み 釜ひとつで雑炊をたき 湯を沸かし茶を点てたという」 「令和にえんじゅという侘茶人がいた 貧しいアパートに住み ポットひとつでチキンラーメンをふやかし 食べ終わると茶を点てたという」 この文章は茶人なら誰でも知っている有名な一節で『日本茶道人物伝(戦国~令和編)』にも記載がある。近年この二人の共通性からえんじゅはヘチカンの子孫ではないかという論文も発表された。 冗談 戦国時代、ヘチカン(丿貫)という侘茶人がいた。 彼は

          戦国の貧乏。令和の貧乏。

          大人のたしなみ~戦国から江戸~

          今回は大和文華館に行った話です。 大和文華館に行く2020年1月10日、奈良の大和文華館に行ってきました。 ここはこじんまりとした瀟洒な美術館で高級住宅街のど真ん中にあります。 今回の展示は「大人の嗜み 立花・鉄砲・古画鑑賞」 江戸時代を中心に桃山時代から大正時代にかけての趣味や芸道の一端を紹介しています。 私の家からは電車でもバスでも行けますが今日は初めてバスで行きました。が、ものの見事に降り損ねて電車の駅から徒歩で向かうことに。駅から15分ほど歩きます。 講演「『

          大人のたしなみ~戦国から江戸~

          コロナを機会に茶会を考え直す

          コロナが猛威を振るうようになって一年、世の中は随分変わりました。 お茶の世界もそれは同じで去年から例年の茶会や献茶式が軒並み中止・縮小しています。 こんな事態でお茶会の話かよ。と思われるかもしれませんが、茶の湯は総合芸術と言われるように日本の伝統文化・伝統芸能のほとんどに影響を与えています。 つまり、茶の湯の衰退に引きずられてそれらも衰退するということです。 これが良くない状態であることは当然です。しかし、このような問題はあらゆる文化活動に言えることで茶の湯だけが特別ではあ

          コロナを機会に茶会を考え直す