ある "たましい" の救済の物語 〜 ばってん少女隊 アルバム『九祭』 に乗せて〜③

第一章 過去への旅

第三夜 " YOIMIYA " 〜恋に憧れていたあの頃〜

さっきは、お祭りの声が聞こえたと思ったんだけど、今日は宵宮。
まだ準備の日だよね。
でもね、この準備が楽しいんだ。
宵宮の空気感は特別だよね。

お祭りそのものは完全な非日常の、謂わば向こう側の世界だけど、宵宮は日常と非日常のあわい。
あの世とこの世の境界。
ハレとケの交錯点。
異世界への入り口。

「異世界」っていうとファンタジーみたいだけどさ、日本国内だけであたりまえのように暮らしてると、外国だって十分、異世界だよね。
もっと言えばさ、「自分と他人」だって異世界だし、なんなら「自分の本当の気持ち」みたいなものも、ほんとは自分でもわかんなかったりするじゃん?
これもある意味、異世界なんじゃないかな。

なんてね。
こんな変なこと考えるのも、お祭りの雰囲気のせいかな。
普段はそんなこと1ミリも思わないのにね。

そんなことより、宵宮。
ねえ、ちょっと見に行こうよ。
浴衣、どう?
普段着ないからさ、なんか特別感あるよね。
懐かしい香り。
思い出がよみがえる。

" ドドンッ!!! "

身体ぜんたいが振動する。
宇宙が爆発するような感覚。
花火が上がったんだ。
いや、あれは太鼓の音…
それとも、ワタシの胸の内の、沸き立つような心のたかぶり?

子供の頃は、お祭りといえば、ただただ楽しかっただけなのに、こういうこと考えるようになったなんて、なんか大人って感じ。

神様にいろいろお願い事をして。
何より、この恋のおみくじ、いいこと書いてあった。
まだ見ぬ恋、ワタシの未来。
どうか、かないますように。

落ち着かない感覚。
まだなにも始まってないのに。

でもなんだろう…かすかなカサつき…乾いた感じ。
これは…なにかの…記憶?

#ばってん少女隊
#BATTENGIRLS  
#希山愛 #上田理子 #春乃きいな #瀬田さくら #蒼井りるあ #柳美舞  
#YOIMIYA #九州

※ 歌詞の解釈、ストーリーは、公式見解とは一切無関係です。全てはアルバム『九祭』を聴いた、この文章の作者の妄想であり、感想です。

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