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オンとオフのあいだがあるなら。

暗い部屋で過ごしています、と言うと、病んでいる人だと思われるかもしれません。

実際のぼくは、すこぶるメンタルが安定し、悩むこともひとりで泣くこともない能天気ヤローなんだけれど。

だけど、そんな健全メンタルのぼくは、なぜか明かりが苦手です。


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大学生の頃からでしょうか。家の電球が、お店のショーウィンドウが、眩しすぎるなあ……と感じるようになりました。何度も言いますが、別に心を病んだり、繊細な感性を身につけたわけではありません。

特にぼくは「白色」の電球がすこぶる苦手です。職場の電球がまさにそれなのですが、すべてのものがありありと晒されているような、あの感じ。

もっとボヤけた世界で生きていたいのに、それが許されないような、そんな「強い」印象を白色電球からは感じてしまうのです。


実家で暮らしていたある日、母がリビングの照明を真っ白なLEDに交換しようとしたことがありました。こっちのほうが明るいし、省エネで電気代も安くなるのよ、と。

もちろんぼくは猛反発し、「料理が美味しく見えないから」「リビングにいても落ち着かなくなるから」などテキトーな理由を並べ立て、なんとか電球交換を阻止。

母からすれば、「息子は何をそんなにこだわっているのだろう」と思ったことでしょう。面倒な子どもに育ってしまいごめんなさい。


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そんなこんなでぼくは、自分の部屋では黄色の電球しか使いません。

家具や料理や洋服や、そういうものすべての輪郭があいまいになる、そんな優しさが好きなんでしょうか。

これはまったく理解されなくていいのですが、「house=白色電球」「home=黄色電球」という感じです。はい、意味が分かりませんね。


で、もっと言うと、ぼくは電気をつけずに過ごすほうが好きだったりします。

もちろん真っ暗な部屋で生活しているわけではないのですが、ごはんを食べたり作業するとき以外は、ベッド脇の間接照明だけを付けています。


平日の夜、仕事から帰ってきて、ごはんをつくる。スーツのシワを伸ばす。お風呂に入る。化粧水をつけてヘアミルクを揉み込む。

こういう一通りのタスクを終えたら、ぼくは真っ先に電気を消して間接照明だけで過ごします。だいたいこれが21時ごろ。小学生でもまだ電気はつけているでしょう。


でも、なかなかどうして、これが心地いいのです。

暗いけど明るい部屋で、缶チューハイを飲んでYoutubeを見て、リリー・フランキーの『美女と野球』を読みます。BGMはいつもJ−WAVEです。

オンとオフの中間があるなら、ぼくにとって間接照明だけの部屋は、まさにそんな中間点なのかもしれません。


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自分でもまとまりがないなあ……と薄々感じてはいるのですが、ぼくの部屋だったり料理だったり掃除グッズだったり、パーソナルな生活を綴っていくマガジンをつくってみました。タイトルは『出無精だって、いいじゃない。』です。

まさか初回がこんなポエポエした文章で始まるとは思っていなかったので、次回からはちゃんとしようと思います。

ちなみに、電気を消してお風呂に入ると、リラックス度が120%になるのでとてもおすすめですよ。


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