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ハートに火をつけろ

火を起こしたい時、大抵マッチかライターを使う。火打ち石は使わない。ではどうしてマッチだと火が着くのだろうか。擦り付ける時の摩擦熱で、発火点の低い燐(りん)が燃えるからである。初期のマッチは発火と言うより花火か爆発に近かったので、安全マッチが開発された。マッチ箱の側面には、発火点260℃の赤燐が塗ってある。擦り付けるとマッチの頭に赤燐が付着し、これが燃えることで、マッチ棒の頭の硫黄が燃え始める。木や紙の発火点は、400℃以上だから中々火は着かない。だから木を擦り合わせて火を付けるのは大変である。木の場合は、柔らかい松と堅い樫などの広葉樹の組み合わせがよい。竹と竹でも良い。火打ち石やメタルマッチは火花を出すが、ライターのように炎を出さない。火花を炎に育てるのは、ハードルが高すぎる。だから、より燃え易い物は何かと考える必要がある。フェザースティックはより着火しにくく、チャークロス(炭化布)や麻ひも、アルコールを浸み込ませた綿は、発火しやすい。着火しやすさの順に熟知しないといけない。ライターは空気が薄く、気温が低いと付きにくい。ゆえに腕の見せ所となる。

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