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塩っぱい人生って有りか?

海の水は、何故塩っぱいのか?苦汁なんて舐めたくない、甘い汁が吸いたい。なのに、何故か苦労を背負い込み、遠回りをしてしまう。種が風に飛ばされて、やっと巡り会えた待望の地面は、余りに海に近すぎた。

毎日毎日海風に吹かれ、塩水を浴び続けたら、塩害とやらで私の寿命は尽きようとしている。もう葉も枯れきって、緑で居ることは不可能と相成った。貧しさに負けた訳じゃないし、世間に負けた訳でもない。私は塩水の塩っぱさに負けた。人はもっと良い所に生えれば、もっと長生き出来たのにと結果論を言いがちだ。もっと金持ちの家に産まれれば良かったなんてね。そうじゃ無いんだな。短命も長寿も、運不運も全ては今此処で体験すればいいのさ。塩っぱい塩水くらい浴びてやろうじゃないか。そして遂に枯れ果ててやるさ。不平も無ければ、不満も無いね。大地に辿り着いたら、其処に根を張って、芽を出して成長して、枯れ果てるまでさ。何の不都合も無い。セラビ(これが俺の生き様さ)。毎日海を眺められて幸せな人生だったぜ。以上枯れた松の木に聞きましたのコーナーでした。


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