カープダイアリー第8399話「龍馬、秋山、上本抜きの打線はマット、ライアン不発で”仮想東”に苦戦」(2023年10月8日)

マツダスタジアム一塁側ベンチのバットのお湿り状態を暗示するかのような天気になった。途中で曇り空から雨が落ち始めた。

八回、伯和ビクトリーズの二番手も左腕の佐野宏斗だった。163センチ、60キロ。大正大出身のルーキーだ。

先頭の末包がフルカウントから四球で出塁。続く曽根の初球バントは三塁内野安打になった。一番に戻って途中出場の矢野も初球バントで内野安打。高校野球顔負けの攻撃で無死満塁にすると野間の右前打でやっと先制することができた。

途中からDHで出場の田中広輔も右前適時打。前日6日のJFE西日本戦の12対0快勝から一転、薄氷を踏むような2対0辛勝となった。

伯和ビクトリーズ 000 000 000・0
カープ      000 000 020・2

投手
森   3回 打者11人 2安打
大瀬良 3回 打者9人  0安打
矢崎  1回 打者3人  0安打
島内  1回 打者3人  1安打

スタメン
セカンド菊池
ライト野間
DH松山
サードマット
ファーストライアン
キャッチャー曾澤
ショート小園
レフト末包
センター曽根

6日
JFE西日本 000 000 000・0
カープ   012 000 351・12 
投手
床田 3回 打者10人 2安打
森下 3回 打者10人 1安打
九里 3回 打者12人 2安打
スタメン
セカンド菊池
ライト野間
センター秋山
ファースト堂林
DH松山
サードマット
ショート田中広輔
キャッチャー坂倉
レフト末包

投手陣の調整は順調だ。JFE西日本戦に続く完封リレー…

先発した森はクライマックス・シリーズでも第4、第5の先発を担う可能性がある。許したヒットは2本。詰まった当たりがレフト前に落ちたものとショート内野安打で四球なし。ただし奪った三振もひとつでやや力感を欠く34球になった。

この日、新井監督は森下の第2戦先発を明言した。JFE西日本戦に投げた3人にはかなり引き離される立場になった大瀬良は、無安打1四球2三振。曾澤のリードに頷きながら制球力重視で投げ切った。低目に集めて外野へ運ばれた飛球はひとつだった、

七回からは矢崎、島内、栗林のリレーになった。

矢崎はクリーンアップを三邪飛、空振り三振、中飛に抑えた。

島内の投球内容は群を抜いていた。社会人相手に圧倒的な内容で、一ゴロ、空振り三振、遊邪飛。チェンジアップには一度も触らせなかった。佐伯ビクトリーズの面々もさぞ驚いたことだろう。

栗林二死から途中出場の中山竜秀(右打者)に147キロをジャストミートされて左越え二塁打を許した。さらに内野安打で一、三塁になり公式戦さながらのピンチ…。最後はフォークを使って難を逃れた。

バックネット裏でナインの動きを注視していた新井監督にすれば、投手陣はこれぐらいやってくれて当然、という思いでいるに違いない。

しかし問題は打線…

伯和ビクトリーズの先発は平岡航(28)。スライダー、ツーシーム、さらには「きょうは特に良かった」というカットボールなど変化を多投する左腕の前に打線は最後まで苦戦した。7回でわずか3安打。四球の走者を合わせても出塁6度。七回に初めて三塁まで進んだが小園が左飛に倒れた。

秋山、龍馬抜きのスタメンにはマット、ライアンの四番、五番を並べてみたものの、合わせて4の0、1四球は迫力不足。

130キロ台後半の真っ直ぐ、トップからのコンパクトな腕の振り。なかなか対戦することのないタイプであったことは確かだが、まともに芯で捉えた打球がほとんどなく「仮想・東&今永」は“空振り”に終わった。

チームは休養日を挟み、本番に向けて4日安打の練習で打撃の状態を上げていくことになる。2試合とも一、二番に入った菊池、野間はそのままCSでも固定される。

あとはこの日は出場しなかった「四番堂林」の前後を誰が打つか?田中広輔のスタメン起用は?2試合とも出場を見合わせた龍馬の調整は間に合うだろうか…

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