カープダイアリー第8250話「ハマスタ9連勝中だったDeNAの勢い止める満塁弾!」(2023年5月2日)

坂倉のボールカウントが1-1になって“飛ばすチェンステーマ”の大合唱が3万3129人を飲み込んだ横浜スタジアムに響いた。八回、秋山の適時内野安打で2対1と勝ち越しに成功、なおも一死満塁。次の瞬間、DeNAの本拠地連勝を9で止めるグランドスラムが、ベイスターズファンで埋まる右中間席に飛び込んだ。

歓喜するレフト側スタンドの視線の先には右手を大きく2度回して三塁を回るヒーローとは対照的に、マウンドでは山崎康晃が一瞬、横浜の夜空を見上げた。6対1で勝負あり…

初球真っすぐファウル、2球目は落ちる球でボールのあとの150キロ真っすぐを見事に押し込んだ。「対戦成績もそんなに良くなかったので思い切っていこうと思ってました」

打率は2割台前半で低迷しているが、これで3発目。第1号は開幕4戦目、4月4日のマツダスタジアムで七回、阪神の西勇輝から。本拠地での先陣を切った。

2本目はチーム13戦目。4月16日のマツダスタジアム、八回、ヤクルト4人目の小澤から。終盤での一振りには「捕手一本」のその立場ならではの思いが重なる。

「ピッチャーのみなさんが腕を振って投げてくれたおかげだと思うので打つ方で何とか貢献できて良かったです!」

先発の床田とは6回1/3を最少失点に抑えた。六回には牧、桑原、関根に3連打され同点のあと二死満塁まで追い詰められたが代打戸柱を一ゴロに抑えた。

七回には一死二塁で救援した島内の最速157キロの真っ直ぐとチェンジアップで真っ向勝負を挑み相手の反撃を断った。八回はターリー。四球や暴投が絡んで二死二、三塁とまたまたピンチを迎えたものの、佐野を空振り三振に仕留めた。

昨季、サードのポジションで学んできたことをマスク越しに生かしている。だが、やることが多過ぎていっぱい、いっぱいになることもしょっちゅうだ。

それでも「捕手1本」と言ってくれた新井監督の言葉に優るものはない。「サード坂倉」は自分の目指していた道とは違う。

気づきや反省は試合中、メモに書き留めて次の場面に生かす。「坂倉はリードで頭がいっぱいらしいから下位を打たせています」(首脳陣)その分、タイトルが狙えるはずの打撃は“センス”が頼りになる。キャンプで振り込んできた自負はある。

基本は右足にしっかりと体重を乗せ、自分の「間」でボールとの距離をしっかり取ること。「秋山さん」という最高の手本が毎日、素晴らしい技術を披露してくれている。打つ方は見て学ぶだけで十分だ。

二回の先制犠飛も外の球を軽くミートしただけで飛距離が出た。いい感覚が戻りつつあるようで、締めて5打点。得点圏打率は・071しかないけれども攻守両面で勝利に貢献できればいい。

バッテリーという意味では非常に大きな存在の栗林不在で臨む5月。チームは果たしてどんな成績で乗り切ることができるか?

G7広島サミットが第3週の終わりから開催されるため、5・6・7日の地元ゲームのあとは2週間ほど遠征が続く。

曾澤の“助け”も借りながら、マスクをかぶり続ける背番号31の背中が少しずつ大きく見えるようになっていく…

※この記事内で選手などの呼称は独自のものとなっています。

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