今回は楽曲について書いてみようと思います。
sora tob sakana(以下オサカナ）の楽曲のほとんどは音楽プロデューサーの照井順政さんによって作成されています。

照井さん以外の作曲陣も豪華で君島大空さん、だいじろーさん（JYOCHO)、蓮尾理之さん（siraph）という顔触れです。

照井さんは「ハイスイノナサ」「siraph」というバンドをやっていて、最近ではアニメ呪術廻戦の劇伴、他様々なアーティストへの楽曲提供をしています。

照井さんの作るメロディが凄く好きでどの曲を聴いても良いメロディだなぁと思います。
もう全曲好きっていうぐらいオサカナの曲は良い曲だらけなのですがその中でも特に好きな曲をあげていきたいと思います。

①魔法の言葉

1stアルバム「sora tob sakana」収録のシングル曲。
オサカナにハマるキッカケになった曲です。
バックトラックがとても凝っていて様々な楽器が交互に隙間を埋めるような形で流れが作られていて、どこかコーネリアスを彷彿とさせるようなアレンジで聴いていて気持ち良いです。
そしてなによりもメロディがめちゃくちゃ良い。このメロディラインで完全に虜になりました。
特に好きなのは間奏部分のアレンジでリズムの変化の仕方が面白いです。
歌詞に関しては「さっきまで当たり前だった景色が輝いて」や「ちょっとだけ悲しい気持ちになっても大丈夫　魔法の言葉　君が教えてくれた」と難しい言葉や比喩は使われていないのにグッときます。

②Lightpool

オサカナのデビューEPである「alight ep」の一曲目でリード曲。
演奏はマスロックやポストロック系。
強烈なドラムから始まりインパクトのあるギターリフと効果的な手拍子が印象的。歌詞は自分の解釈ではSNSの事を題材にしているのかな？と思いました。この曲の個人的にグッとくるところは山崎愛さんが歌う「口ずさむ歌」というフレーズ。自分には凄く独特のピッチ感に聴こえて心地よいです。

③ribbon

「cocoon ep」の1曲目。
オサカナで初めて聴いたのがこの曲でした。拍子がコロコロ変わっていき不思議な違和感を残しながらも何故かメロディが破綻しないという大胆なアレンジで衝撃的な出会いでした。間奏のコーラスがとても美しくこの曲の幻想的な雰囲気を増幅させていると思います。
歌詞は「銀河鉄道の夜」をモチーフにしながらもオサカナちゃん達のおかれたアイドルとして活動していく葛藤や希望を反映したような印象があります。照井さんの歌詞は常にオサカナちゃん達の現状や成長を織り込んでいたように思います。「今じゃなければなんて馬鹿みたいでしょ」や「小さなあの街が　もどかしい毎日が　大好きだった事今更気付くなんて」というところは特に胸が締めつけられます。

④発見

シングル「New Stranger」のカップリング曲。
イントロから複雑なアンサンブル。ハイスイノナサの「平熱の街」のオサカナ版という印象。サビが一度しか登場しないという独特な構成で、またその一度しか来ないサビのメロディがノスタルジックかつ幻想的で美しく何度も聴きたくなってしまう。歌詞は過去を振り返りながら変わっていってしまう自分への葛藤、しかし成長しているという実感と未来への希望、という印象。

⑤flash

シングル曲。アニメ「ハイスコアガール」の第二期オープニングテーマ。
ゲームを題材にしたアニメの曲ということもあってかファミコンを意識した音作りが随所に見受けられます。途中で3拍子に変わるアレンジがところどころあるが違和感なく落とし込めるところが照井さんの凄いところだと思います。歌詞に関してもところどころゲームの要素を取り入れていて「未発見のバグが書き換えたグラフィック」「未完成のバグが書き換えてく心はいつの間にか君を探してる」「どうしてさよならの後はじめて素直になれるんだろう」という歌詞が胸を打ちます。
個人的にも思い入れのある曲で、オサカナで1番聴いているのはたぶんこの曲だと思います。

以上5曲をあげましたが他にも名曲だらけで、色々なジャンルの曲が作れる照井さんは凄い人だなぁと思います。
これからもまだまだ照井さんの作品は世にたくさん出てくると思うので楽しみです。