ミライ会議は、築地市場跡地の再開発事業の応募者を公開し、選定することを求めていました。

4月20日、築地まちづくりの事業者が決定したという報道が流れました。
築地市場跡地に5万人スタジアムやMICE施設 三井不動産らが再開発(Impress Watch) - Yahoo!ニュース

2月末の本会議での一般質問では、米川大二郎議員が「東京都初のPark-PFI事業「都立明治公園」は東京建物、東京都として初めて公有地再生に民間の活力を導入した「南青山一丁目団地建替プロジェクト」は三井不動産、「都営住宅の建替による創出用地を活用したまちづくり」の都営青山北町アパートは東京建物と三井不動産となっており、オリンピック選手村、明治神宮外苑や日本橋川周辺の高層ビル群のほか、築地市場跡地の噂も絶えず、公である東京都案件が三井不動産と東京建物に偏っていることは問題であると述べ、都市計画に関わる再開発事業案件のうち、三井不動産がかかわっている事業は何地区あるのか質問をしました。令和5年4月時点では、59事業のうち6事業であると答弁がありました。

3月の予算特別委員会では、桐山ひとみ議員が築地市場跡地の再開発について、切込みました。 答弁はずっと「公表していません。お答えできません」です。都民の財産である築地の一等地を70年間という長期間貸していくのに、都民抜き、議会抜きで決めていったとしか思えません。
そして、神宮外苑再開発の筆頭事業者である三井不動産のグループが事業者に決定したものです。

<以下、桐山議員の質疑概略>
2023年12月13日のもり愛議員の「築地地区まちづくり事業の事業者応募について、応募者を公表するとどのような支障があるのか」という質問に対して、谷崎都市整備局長は、「公正な競争の妨げになるなど、審査への影響が懸念されることから、審査終了まで公表しない」と答弁しました。
 
2023年10月31日のNHK首都圏ニュースによれば、「5万人収容の多機能施設中心案」と「アニメ・ゲームなどに特化したエンタメ施設案」の二つが応募されていることが明らかになっています。
 
Q 「5万人収容の多機能施設中心案」は、かねてから噂のあった、三井不動産と読売新聞によるドーム球場を中心とした案ではありませんか。伺います。
 
A 公表していません。お答えできません。
 
築地跡地再開発は、三井不動産と読売新聞のドーム球場案で決まっているという話が流れており、もしそうなら、「官製談合」になりかねず、危惧しています。
 
Q 三井不動産は、東京ドームを100%子会社にしており、神宮外苑の新しい神宮球場も手掛け、今度は築地市場跡地のドーム球場です。都内のプロ仕様の野球場のすべてが三井不動産の関係会社になれば、それを東京都が手助けしているのではありませんか。
 
A 公表していません。お答えできません。
 
野球場、ホテル、イベント施設、ビジネスタワーは神宮外苑再開発にも入っています。築地市場跡地に、もう一つ同じようなモノを創ろうということでしょうか。
 
 さて、もう一つの案は、「アニメ・ゲームなどに特化したエンタメ施設案」と報道されています。コミックマーケット、コスプレコンテスト、ミュージカルやゲームなど、ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンのようなものかもしれません。
 
 2022年の日本アニメ産業は2兆9277億円、国内のゲーム市場規模は2兆円を超えています。コンテンツ市場全体だと14兆6,786億円になると報告されています。(「日本と世界のメディア×コンテンツ市場データベース2023 Vol.16【速報版】」)
 
Q7 ドーム球場案とアニメ・ゲーム案の市場及び関連産業への波及効果をどう計算しているのか、伺います。
 
A 公表していません。お答えできません。
 
 私は、「応募者や応募内容が公表されることにより、応募者間の公正な競争の妨げになる」とは、全く考えておりません。築地市場跡地は、都心の都有地としては最後の大空間であり、交通の結節点ともいうべき重要な場所です。
その都有地をどう活用していくかは、提案されている開発の内容を公明正大に明らかにして、地元関係者や都民、さらにその代表者である都議会の意見も聞くべきだと考えています。
新国立競技場の建設では、2015年12月14日にA案とB案が公開されました。建築家などの名前は伏せての公開でしたが、すぐにA案は隈研吾さんと大成建設ら、B案は伊藤豊雄さんと竹中工務店らということが分かり、JSCもそれを否定しませんでした。また、審査委員長らが誰かも分かっていました。
 
Q 「5万人収容の多機能施設中心案」と「アニメ・ゲームなどに特化したエンタメ施設案」を公表して、都民や識者の意見も聞きくことによって審査にも多様な意見が反映され、応募者間の公正な競争が促進されると考えますが、都の見解を伺います。
 
A 公表していません。お答えできません。
 
築地市場跡地の賃借期間は70年間となっています。都有地の賃貸契約の締結は議会に諮る必要がないということですが、「70年間+建設期間等」の長い間、都有地の使用権を事業者に渡すという重要な決定を、議会抜き、執行機関だけで行うべきではありません。「議会の議決すべき事項に関する条例」の改正が必要です。


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