良い写真を撮る方法

久々のnote投稿。

ハワイからの帰路で時間があるので今回は自分が写真撮影するようになって気付いた事を書こうと思う。まあまあ長文になったので暇な時にでも見てもらえたら嬉しいな。

一眼レフを持ち写真を撮るようになって2年経った。

私はUMMYの宣材写真として、水中やビーチでダイビングマスクを着用しているモデルを中心に撮影することが大半だ。

2年と聞くと短いと思うかもしれない。寧ろ初年度は何回かしか撮影していないので実質1年強だった。でも決して撮影スキルが高いとは思わないが、1年強の経験と言う割にはそこそこ良い写真を撮っている自負がある。

そんな撮影期間であるが、自分が撮影したり他の人の作品を見てきてわかってきた事がある。

この記事は良い写真を撮りたいと思っている人や撮影スキルを上げることに頭がいっぱい人になっている人がもしかしたら少しでも参考になるかもしれない。

また今後私が撮影するモデルの方へ自分自身がどんな想いで撮っているのか知っていて欲しいと思ったのと、自分自身の感覚的に掴んできたことをこの機会に言語化しようと思った。

そもそも良い写真とは何か定義する必要がある。
私が考える良い写真とは心に響く写真だ。撮影スキル的にうまい写真とは違う。

教科書通りのセオリーに従った技術的にうまい絵が良い絵であるとは限らない。逆に技術は大した事はないけれど、何かすごく心に刺さる良い絵がある。これは写真・動画にも当てはまる。

さて結論から言おう。良い写真を撮るには


良いカメラを買ってください笑 以上


これは実は正解でもあるので、後述するP.S.を見て欲しい。ただ良いカメラ買う、で終わる記事だとおもろくないのでもう一つ良い写真を撮る方法を伝えよう。

良い写真を撮るために撮影・編集技術を磨くに越したことはないが、それよりもこれまでのバックグラウンド(経験、生き様、センス)を活かすべきだ。

技術的にもうまくて良い写真・動画は完璧なのだが、少なくとも後者の技術的には大した事ないけれど、何かすごく心に刺さる写真・動画をまずは目指すべきである。その過程で必要なスキルは自ずと身に付くものだ。

今ではスマホの機能が良く簡単に綺麗な写真が撮れて、Lightroom等の編集ソフトを使える人も増えた。また一眼レフを持つ人も増えたし、GoProもコスパ最強で綺麗な動画や切り出し写真が撮れる。

ただ綺麗な写真が撮れるからこそ今は技術偏重型になっている気がして、似たりよったりの綺麗でうまい写真や動画がSNSに並びがちになっている。

自分自身、少しずつではあるが撮影経験が増えてきて、Instagramで他の人の作品を見かける際、圧倒的に自分よりもスキルが上で、めちゃ撮るの上手い、綺麗だな、と思う写真はよく見かけるのだが、どこか教科書で学んだのかな、他の人に影響されたのかな的なオリジナリティがなかったり、心に伝わらない作品にも良く出会うことがあるのだ。

この答えが冒頭のバックグラウンド(経験、生き様、センス)を活かせていないということに尽きるのだと思う。バックグラウンドを活かせていないから、技術偏重の伝わらない作品に仕上がってしまう。

ではバックグラウンド(経験、生き様、センス)を活かすとはどういうことなのか。

皆さんは撮影歴よりもきっと好きな趣味や特技に触れてきた経験が長いはずだ。その経験は必ず撮影に活き、作品としてセンスに表れるのだ。新しく学ぶ撮影スキルを学ぶことは当然必要だが、これまでの経験が撮影に活きるのであれば活用しない手はない。そのため、これまでの貴方の経験や感性を振り返って欲しい。

私はフリーダイビングのレジェンドであり、写真家の篠宮龍三氏のフリーダイビングの動画作品とホエールの写真作品が好きだ。彼のフリーダイビングの動画作品にはこれまでフリーダイビングで培った経験やフリーダイビングがそんなに簡単なものでなく、崇高な競技であること、今までの命を懸けて臨んできたストイックさが作品に凝縮されている。ホエールの作品にも同様にその一枚を撮影する為にどれだけ時間を懸けてきたのだろうという想いが伝わる。技術云々の単純な話ではない。篠宮龍三という人間のこれまでの生き様を表現した良い例だ。

例えば自身の経験、特技、趣味を振り返ると、

・自身のブランドを運営していること

・コミュニケーションスキル高め

・文章の要約力が高い

・映画・音楽大好き

これらの経験、特技、趣味が今の自分の作品を作り上げているのだと思う。一つ一つ説明しよう。


1. 自身のブランドを運営していること

私はUMMYというフリーダイビングギアのブランドを運営している。これは当たり前なのだが、UMMY設立者としてUMMYに対する想いは誰よりもある。写真一枚で売上が左右されること事がわかっているので最高の作品になるように努めている。その想いや拘りは必ず作品に出るものだ。逆にUMMYと間接的にも全く関連性のない写真撮影にはモチベーションがあまり湧かない。モチベーションが沸かなければ重要な編集作業にも身が入らず、良い作品に仕上がらない。作品を仕上げる上で一番時間が割かれるのは撮影よりも編集作業だ。80%の完成度まではそこまで時間は掛からない。また80%の完成度でも人にシェアしても問題ないレベルだ。しかし80%-100%まで持っていくのには、すごく時間が掛かる。正直時間を積み上げれば積み上げるほど細部までは調整できるので、一見わからないようなところまで拘って仕上げることができる。私の場合、良い作品となり得る写真には一枚30分〜60分程時間を掛けることもある。他の写真家が編集にどれぐらい時間を掛けるのかわからないので、この時間が短いのか長いのかわからないが私の場合は一撮影2-3時間で2,000〜3,000枚撮影し、内100枚〜200枚が作品候補として編集作業に入り80%まで持っていく。最終的は3-5枚前後が選ばれる作品となり、その作品に100%の完成度まで持っていくように魂を吹き込む。この作業はUMMYへの想いや編集そのものが好きでないとできない。だからこそ想いの詰まった作品が出来上がるのだ。


2. コミュニケーションスキル高め

コミュニケーションスキル=営業力だと思っていて、自分は営業力は高い方だと思う。会社員時代は全国支社がある会社で全社賞を何度も受賞した。このスキルを何に活かしているかと言うと撮影時のモデルとのコミュニケーションだ。どんなモデルも自然な笑顔に勝るものはない。この自然な笑顔や表情を引き出すにはコミュニケーションスキルがないと難しい。どんな言葉掛けがあるとモデルは表情が柔らかくなるかな、笑ってくれるかな。このモデルの魅力を最大限活かすにはどんな表情がいいかな。どんな角度が良いかな。めちゃめちゃ考えながらモデルと対話しながら撮っている。このスキルは撮影技術では身に付かない。コミュニケーションの上でもちろんモデルとの相性もあるのでうまく噛み合わず良い作品に仕上がらない時もある。それは相手がというより、まだ自分のスキルが足らないのであろう。

3. 文章の要約力が高い

自分はコミュニケーション力が高い方だと言っておきながら、電話や対面よりもLINEなどのテキスト派だ。文章を書くことも全く苦ではない。

文章を書くスキルは会社員時代に培われた。自分は会社員時代や現在もそうだが外国人とチャットやメール等のテキストでやり取りする事が多い。その際に重要となるのが、相手に言いたい事が伝わるように極力シンプルに・簡潔に・短い文章に要約して翻訳し伝えることである。逆に回りくどかったり、長文になると正しく翻訳されず、相手にも何が言いたいのか伝わらない。自分はこの要約力のスキルがそこそこ高いと思う。このスキルが写真にどう活きるのかというと、写真のタイトルや写真の説明を付ける際だ。写真やアート全般には作品を一目見るだけではわからないバックグラウンドがある。いつ、どこで、どのような状況・想いで撮ったのか、というような事だ。これを作品を見る人に極力シンプルに直球でわかりやすく表現すると、その作品の魅力がより伝わるものだ。

私の場合は撮影した写真に付随して、Instagramの投稿時に写真のタイトル或いはその写真を撮るにあたったバックグラウンドや感じたことを極力シンプルな言葉で綴り、その写真に合う流行りに囚われず自分が良いと思う楽曲を選曲している。Lightroomなどの編集作業も写真に魂を吹き込む重要な作業だが、テキストや選曲も同じぐらい重要だ。

4. 映画・音楽大好き

昔から流行り物があまり好きではなくて、幅広く映画や音楽は聞くものの最終的にはマニアックな映画や音楽に偏ってしまう。でもその時の感性は写真に活かされていると思う。自分がカッコいいと思った映像や画角、選曲などは無意識的に作品に表れていて、投稿時の選曲でもその作品に見合う流行りに囚われない選曲をしている。ただし流行曲の方がバズる可能性が高いのでInstagramの戦略としてはミスってるかもしれないが...。でも今一度、この曲流行っているからという視点は抜きにして自分の感性を大事にしても良いのかもしれない。

長くなってしまったが、1〜4までの自身の特技や経験が作品の生き様・センスとして表れるのだと思う。

皆さんの経験、特技、趣味が撮影に活きることはきっとあるはず!教科書のようなマニュアルに囚われずに、ご自身の過去の経験や特技、趣味、感性を振り返り、それを活かして撮影することで少しでも良い作品が増えることを望んでいます。それが結果自分にとっても大きな刺激になります。感想くれると嬉しいな。

P.S.

余談ではあるが、これを読んだ人の中にはもしかしたら、てめーα1(Sonyのハイエンドモデルのカメラ)で撮影してるからそんな偉そうな事言うんだろ的な事も言われそうだが、それも半分正解である。良い写真を撮るには当たり前だが良いカメラである必要がある。

賛否両論湧き、嫌われそうな事を言うが、もし貴方が撮影を生業とし本気でやっていきたいと言う想いがあるのであれば、最低でもフルサイズの上位機種とGMレンズぐらいは持たないとスタートラインにも立てないと思う。

これは趣味レベルでの撮影の人でなく、あくまで撮影を生業とする人に限った話だ。※特定の誰かについて言ってることではないので悪しからず。

重要なことを言うが、金で解決できる問題は一番攻略難度が低いということを知っていて欲しい。逆に攻略難度が高いのはスキルや経験を身につけることである。スキルや経験を身に着けるにはそれなりの時間が掛かるからだ。時間はお金よりも価値がある。だから金で解決できる問題は攻略難度が低い。難度の低い問題は早々にクリアしておいた方が効率的だ。

撮影を生業にしてるのに機材が半端な人は覚悟と自信が足らない。機材をハイエンドモデルにするだけで一瞬で何段階も撮影レベルが上がり、それによって収入も上がる可能性もあるのにその行為を怠っているからだ。

だけど金がないから難しいという話は嫌という程聞く。ただ今どき新品カメラ本体やレンズは金利なしで分割で購入できる。また上位機種の型落ちも中古品も金利はあっても安く購入することは可能だ。補助金や融資も選択肢の一つだ。手元に大きな資金がなくても購入できる。自分の行動次第ではカメラの購入金額などすぐにペイできる。それもせずに借金は嫌だと言い、自動車や家は平気でローン組んで買ったり、酒やタバコ、趣味に散財する。要は覚悟の問題だ。軽自動車でカーレースに出る奴はいない。最高級にチューニングされたスーパーカーがあって始めてスタートラインに立ち、ドライブテクニックで差がてる。カメラも同様である。

たまに最初は入門機種で良いよ、レンズはこれでも十分だよと安いレンズを初心者に勧めてくるプロカメラマンがいる。こういう奴は上位機種を買われてしまっては自分の立場が危ぶまれてしまうと思ってる小物カメラマンか、そもそも上位機種を使用してない三流カメラマンかのどちらかだ。こんな奴の言葉を聞く必要はない。

金があるから良い機材を買う、撮影がうまくなって良い機材買うのではない。順序が逆だ。金がないから集める、或いは金がなくても買える方法を模索して機材を買う、うまくなる為に良い器材を買うのだ。スキルやうまく撮る方法などはの話は機材を用意してからの話である。


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